鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣記者会見の概要

(令和5年6月28日(水曜)14時46分~14時57分)

【冒頭発言】

2019年4月に発表いたしました日本銀行券の改刷につきまして、現在、新しい日本銀行券の発行準備を進めているところでありますが、本日この日本銀行券の製造現場を視察してまいりました。その準備が順調に進んでいることを確認することができました。
新しい日本銀行券の発行開始時期につきましては、これまで2024年度上期を目途としておりましたが、先程の視察も踏まえまして、発行開始の時期を2024年7月前半を目途としたいと考えております。
具体的な発行開始日、何日というような具体的な開始日につきましては、新しい日本銀行券が円滑に供給できるよう、関係者と調整した上で、発行開始の半年程度前には決定し、財務省が告示により公告することといたします。
金融機関や民間事業者等の皆様におかれましては、今般の発表を踏まえまして、来年7月前半の発行開始に向けて、金銭機器の改修等のご準備を引き続きお願いしたいと考えております。
なお、現在発行されております1万円、5千円及び千円の日本銀行券は新しい日本銀行券の発行が開始された後においても、引き続き通用いたしますので、ご承知おき願いたいと思います。
 

【質疑応答】

 
問)

まず1点目は今回の視察についてです。新札の発行について、実際に刷り上がっている様子を見て、率直にどのようなご感想を得られて、新札によってどういうふうな経済になってほしいというような思いがあれば、お願いいたします。

大臣)

私も初めて今日視察をさせていただきました。製造に関する状況の説明を事前に伺い、また、実際に製造する現場を視察させていただいたところでありますけれども、各工程において順調に準備が進んでいることを実感したところであります。
これまで製造準備を進めてきた関係者の方々に深く敬意を表するところであります。技術的にも伝統的に継承されてきたものを、本当に手で元々の原版等をつくっておられるということで、大変に歴史も感じ、感銘もいたしました。新しい日本銀行券が偽造しづらく、誰もが使いやすい紙幣として、皆様に親しまれ、日本の通貨制度の安定と信頼に一層貢献していくことを期待いたしております。
先程も申し上げましたけれども、金融機関や民間事業者の皆様におかれましては、来年7月前半の発行開始に向けて、金銭機器の改修などの準備を引き続きお願いしたいと思っております。

問)

もう1点、円の価値ということで是非お答えいただきたいんですけれども、為替相場について、今日も円安の状況が続いていまして、144円を挟んでの状況となっております。現在の為替相場の状況、特に円安の進むスピードについて、どのような所見をお持ちなのかと、政府としてどういうふうに対応する必要があるとお考えなのか、改めてお聞かせください。

大臣)

いつもお答えしているように、為替の水準につきましては私からはコメントいたしません。
そもそも為替水準は市場を通してファンダメンタルズ等を背景に決まっていくものでありまして、我々としては、安定した推移が望ましいと、そのように思っております。
足元でやや一方的な動きがあるというわけでありますので、今まで以上に注意深く緊張感を持って、その動向を見守っていきたいと思います。行き過ぎた動きに対しましては適切な対応をとるという我々の基本的な考え、これは変わりありません。
 

問)

適切な対応というのは、介入も含むという理解でよろしいでしょうか。

大臣)

適切な対応は適切な対応ということでご理解いただきたいと思います。

問)

先程冒頭に、来年7月前半を目途に発行ということでしたけれども、このタイミングでの発行量ですとか規模感みたいなものがもし決まっていれば教えていただきたいというのが1点です。よろしくお願いします。

氷見野副総裁)

これは需要に応じて出していくわけですけれども、どんな需要にも耐えられるようにということで、2024年3月末の備蓄量で45.3億枚と、印刷局からそれだけ納入いただいていきますので、新券への需要に応じて対応できるように準備が整いつつあると考えます。

問)

新紙幣の受け入れる側といいますか、先程おっしゃっていた金融機関ですとか民間なんですけれども、そちらの対応状況、先程、具体的に7月前半とおっしゃいましたけれども、平たく言うと間に合うのかしっかり体制がとられているのか、その進捗状況ですとか見ていらっしゃったら教えていただければと思います。

大臣)

今のところ、順調に準備を進めていただけているのではないかと、そのように思っております。4年前にこうした新しい日本銀行券を出すということとともに、例えば金銭機器についても、ある程度の準備ができるような情報もお教えしているということも伺っておりますので、それに沿って対応は進んでいるんだと思います。
今何か間に合わなくて困るとか、そういうようなお話は一切聞いておりません。。

理財局長)

若干事務方から補足させていただきますと、ATMとか自販機とか、そういう業界の皆様からも最終的に準備を加速するためにも、実際に流通する1年ぐらい前の段階で公表してほしいということを、私どもの方にもご要望いただいているところでございます。
そうしたことも踏まえまして、本日、およそ1年後である7月前半を目途ということで発表させていただいているということでございます。

(注)氷見野日本銀行副総裁同席 

(以上)

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