鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和5年7月14日(金曜)11時02分~11時11分)

【冒頭発言】

7月17日、そして18日にインドのガンディーナガルで開催されますG20財務大臣・中央銀行総裁会議に出席をするため、明日から海外出張をいたします。
この機会に私と植田日銀総裁が議長を務めておりますG7財務大臣・中央銀行総裁会議を、7月16日に開催する予定です。この会議ではウクライナ支援、MDBs改革、国際課税等について議論する予定です。
なお今回は成果文書を発出する予定はありませんが、昨今の世界を取り巻く課題の解決に向けて、しっかりと議論をリードしてまいりたいと考えております。
 

【質疑応答】

問)

今の冒頭発言に関連して1点お伺いします。G20・G7、G7も開かれるということですけれども、まずは改めてG20の議題及びG7に関しては広島サミット後初の会合ということで、ウクライナ支援等々は広島サミットでも打ち出されましたけれども、その具体化に向けてどういう位置づけの会議になるか、大臣のご所見をお願いします。

答)

まずG20についてでありますが、議長国はインドでありまして、インドからアジェンダといたしまして、世界経済・国際保健、サステナブルファイナンス・インフラ、国際金融アーキテクチャ、国際課税、金融セクター・金融包摂といった世界経済の諸課題について議論する予定である旨が示されております。
こうした分野は、従来からG20が重視してきた分野でありますし、日本が議長を務めるG7でも積極的に議論を進めてきているところであります。
今回のG20会合でも、これらの分野につきまして、引き続き積極的に議論に参加して、国際協力の強化に努めてまいります。
G7の主要なテーマにつきましては、先程申し上げましたとおり、ウクライナ支援、MDBs改革、国際課税等について議論する予定です。
G7議長国として、各国と率直な意見交換を行いまして、様々な国際的課題へ対応するための議論を積極的に主導してまいりたいと思っております。
広島で行われましたG7のサミットにおきましても、例えばウクライナ支援などは主要なテーマであったと思います。こうしたことについても財務トラックでどういう財政的な支援ができるのか等も含めまして議論を深めていきたいと思っております。

問)

先日OECDの方から国際課税、デジタル課税のルールに関して取りまとめがあったと発表されました。これに関する大臣の受け止めと今後課題があるとすればどのようなものだと考えていらっしゃるか、教えてください。

答)

OECD/G20のBEPS包摂的枠組み総会、これで声明が出されたわけでありますが、この声明は、これまでG20議長総括、G7コミュニケ等を踏まえて、BEPS包摂的枠組みが2本の柱に関するこれまでの交渉の重要な成果、これをパッケージとして公表したものでありまして、歓迎をしているところであります。
このたび、条文が実質的に取りまとめられた第1の柱の多国間条約は、多国間で合意された解決策の導入を通じまして、一国主義的な課税措置を防止することによりまして、国際課税システムに安定性と確実性をもたらすものであります。100年来続いてきた国際課税原則を見直すこの条約、これは歴史的な成果になり得るものであると考えております。
日本といたしましても、引き続きまして、国際的な議論を主導して、今回提示されましたタイムラインに沿って、まずは多国間条約の署名に向けて、必要な取組みを行ってまいりたいと考えております。

問)

今のお答えに関連して、何か課題があるというようなことはどうご覧になっているんでしょうか。

答)

とにかく日本としては、各国、これは様々利害が錯綜する中でここまで、条約としては合意ができて声明ができたということでありますので、あとはそれぞれの国の国内手続等もあると思いますが、そうしたものを通じて早く条約を、第1の柱が成立するようにしたいと思います。こういうものはやっぱり流れというか、勢いが重要だと思います。そういうここまで来たモメンタムを失わないようにするため、日本としても様々貢献していきたいと思います。

問)

先日ロシア産原油の価格がG7やEUなどが対ロ経済制裁で設けた上限の1バレル=60ドルを初めて突破しました。今後G7として追加措置を検討するかどうか、ご意見を伺いたいと思います。あと、16日に行われるG7でこの点についても議論される予定なのかどうか、伺えますでしょうか。

答)

今その課題を、インドでのG20に合わせて行いますG7の会合で主要なテーマとして取り上げる予定は今のところありません。しかし会議でありますから、各国のいろいろな発言もあるかもしれません。そういうものはそういう各国の議論をしっかりと受け止めて、G7としても考えていく必要があるんだと思います。

問)

党の方の動きになるんですけれども、昨日自民党の税制調査会の非公式の幹部会合が開かれまして、宮沢税調会長は法人税などについて来年からの増税は難しいんじゃないかというような認識を示されました。防衛財源に関しては、安定財源は必要だと思いますけれども、まず税調の受け止めと大臣として何かお考えなどありましたらお願いします。

答)

かねてから申し上げておりますとおりに、今後の税制措置につきましては、その開始時期も含めまして、与党の税制調査会で議論をされるということを言ってきたところでございます。
昨日の党の議論は税調のインナーでの議論というふうに聞いておりまして、詳細は承知をしていないわけでありますけれども、政府といたしましては、防衛財源を確保するための税制措置の開始時期について、本年6月に閣議決定されました骨太2023も踏まえつつ、引き続き与党税制調査会と緊密に連携をして、判断していく必要があると、そのように思います。
6月に閣議決定をしておりますので、骨太方針が決められておりますので、その枠内でしっかりと前に進めていきたいと、そのように考えております。もちろん与党の税調とはしっかり連携してまいりたいと思っています。

(以上)

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