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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和5年7月25日(火曜)17時29分~17時44分)
 

【冒頭発言】

先程、臨時閣議におきまして、令和6年度予算の概算要求基準が閣議了解されました。
今回の基準では、物価高騰対策等を含めた重要政策について、重要政策推進枠や事項のみの要求も含め、各省庁において、適切に要求・要望を行っていただける仕組みといたしております。
また、新たに、防衛力整備計画対象経費について、防衛力整備計画を踏まえ、所要の額を要求していただく旨、こども未来戦略方針で示されたこども・子育て支援加速化プランの内容の具体化については、予算編成過程において検討する旨を明記しております。
こうした仕組みによりまして、令和6年度予算では、我が国が直面する内外の構造的な課題を克服するため、予算の中身を大胆に重点化したいと考えておりまして、各省庁においては、8月末の期限に向けて、施策の優先順位をつけ、予算の内容を抜本的に見直していただきたいと考えております。
その上で、財務省としても、予算編成過程において各省としっかり議論を行い、歳出改革の徹底を図りながら、経済成長と財政健全化の両立を図ってまいります。
 

【質疑応答】

問)

大きく2つ質問をお願いいたします。まず24年度の予算は少子化や防衛などで歳出の増加が見込まれる中、物価高騰対策などで事項要求を認めるという内容になりました。骨太の方針に盛り込まれた歳出を平時に戻すということは可能と考えられるか、どのように財源の健全性を高めていくか、そのお考えをお聞かせください。これが1点目です。
もう1点が、例年にないほどの物価や賃金が上昇する局面での予算編成になると思います。物価や賃金の上昇を理由に要求額を増やすということは認められるのかどうか、このあたりのお考えもお聞かせください。

答)

令和6年度の概算要求基準では、ご指摘のとおり、物価高騰対策等を含めた重要政策について、必要に応じて事項要求を行うことができることとしております。各省庁による柔軟な要求・要望が可能となる仕組みとしています。
その上で、令和6年度の予算編成は、少子化対策などで歳出増が見込まれる要因も多く、大変厳しい編成となると考えておりますが、骨太方針2023において、歳出構造を平時に戻していくとともに、緊急時の財政支出を必要以上に長期化・恒常化させないように取り組むとされていることをしっかりと認識をいたしまして予算編成に当たっていく必要があると、そのように考えております。こうした予算編成過程における努力を通じまして、財政健全化にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
そして、物価・賃金が上昇する局面での予算編成となるので、物価や賃金の上昇を理由に要求額を増やすことは認められるのかという2番目のご質問ですが、物価や賃金の上昇分への対応については、今回の概算要求基準において、物価・賃金の動向等を踏まえまして、通常の要求枠とは別に、重要政策推進枠を設けるとともに、必要に応じて事項要求を行うことができるとしていることから、各省庁において、物価・賃金の上昇部分をその中で柔軟に要求・要望を行っていただくことができると、そのように考えております。

問)

概算要求基準についてお伺いしますが、今回の書きぶりでは、事項要求を非常に幅広く要求することが可能な書きぶりとなっています。この特別枠と対象の政策が重なる部分もあるかと思いますので、例えば特別枠で要求したけれども、金額がそこに収まり切らないものを事項要求に回すとか、省庁によっては事項要求を多用してくるようなケースも出てくるのではないかと想像されますけれども、今後財政規律という観点から予算査定に当たってどのような点に留意が必要であると大臣はお考えでしょうか。

答)

令和6年度概算要求基準におきましては、裁量的経費については、前年度からマイナス10%削減することを求める一方で、骨太方針2023等を踏まえて重要な政策については、重要政策推進枠を設け、前年度の裁量的経費の30%まで要望ができるほか、物価高騰対策等を含めた重要な政策については、重要政策推進枠の活用のほか、事項要求を行うこともできるとしております。
こうしたことが財政健全化にはつながらないのではないかというご指摘であったと思いますが、まずこういうような仕組みを設けることによって、要求段階から、各省庁において、施策の優先順位の洗い直しをしていただくと。そして、予算の中身の大胆な重点化を促す、そういう効果、これが期待できるものと考えております。
その上で、概算要求基準は、あくまで各省庁からの要求・要望に関する方針を定めるものであって、その先、歳出規模を含めて、最終的な予算の姿、これは関係省庁と議論しつつ、財務省における厳格な査定を経て決定されるものでありまして、財政健全化にもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

問)

金融庁関連で2問お伺いしたいんですけれども、ビッグモーターをめぐって、損保ジャパンが計37人の出向者をビッグモーターに出していたことが分かりました。これだけの人数の出向者がいて不正が見抜けなかったということについて疑問が残るところではあるんですが、一部報道で、金融庁は保険業法に基づく報告徴求命令も視野に調査を、実態を調べているということもありますが、そこについて、事実関係と大臣の所見をお願いしたいのが1点と、もう1点、そもそも構造的に、今回損保会社がビッグモーターに事故時の入庫誘導をして、その見返りとして代理店であるビッグモーターから新規顧客を得るような、いわゆる相互依存的な関係があったわけですが、損保会社と代理店であるところのビッグモーター、こういった関係自体が癒着だという指摘もあるんですが、そこについて適切なものなのかどうか、大臣としてのお考えをお聞かせ願えればと思います。

答)

まず、今回のビッグモーターにおける一連の行為、これは今調べている最中ですけれども、極めて遺憾であると、そのように考えております。
金融庁としては、既にビッグモーターや同社に保険販売を委託している損害保険会社に対しまして、事実関係の確認を開始しているところでございます。
その上で、今ビッグモーターに出向者を大手損保会社が出しているということと、それから損保会社がビッグモーターを紹介するというような行為があったのではないかと、こういう報道があるがというご指摘であったと、そのように思います。まず、出向者のことについて言えば、大手損害保険会社からビッグモーターに出向者がいたこと、これは把握をいたしております。そして、金融庁としては、出向者が果たしていた役割、どんな役割をしていたのか、ビッグモーターと各損害保険会社との関係について、これについてもしっかりと事実確認を行い、ビッグモーターのみならず、当社に対する保険募集の委託元である損害保険会社についても、保険契約者保護に欠ける問題が認められた場合には、法令に基づいて厳正に対応してまいりたいと思っております。
そして、そうした損保会社の問題に関しまして、顧客に対してビッグモーターを修理業者として紹介していたのではないかと、こういう報道についてもご指摘がございました。金融庁といたしましても、その件については把握をしております。先程申し上げた、損害保険会社を含め、事実確認を今進めているところでありまして、ビッグモーターのみならず、当社に対する保険募集の委託元である損害保険会社についても、保険契約者保護に欠ける問題が認められる場合には、法令に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、今既に始まっておりますけれども、事実関係の確認をしているというところであります。

問)

相互に顧客を紹介するような関係という、こういう関係性自体についてどのようにお考えでしょうか。

答)

その辺は、事実関係を確認してから、しっかりと法令とも照らし合わせながら考えてまいりたいと思います。

問)

事実であった場合には何らかの適正化というのが必要だという考えでしょうか。

答)

事実であった場合、それを法令に照らし合わせてどのように対応するのか、それが大切であると思いますので、しっかりと事実を確認したいと思います。

問)

今日、自民党の萩生田政調会長がNTT株の完全民営化の選択肢も含めた検討をする場としてプロジェクトチームを立ち上げるとの報道がありました。3分の1を保有する大株主、財務省としてこうした動きに対する受け止めをお願いします。

答)

萩生田政調会長の発言につきましては、党内の会合におけるものと承知をしておりますけれども、詳細を十分承知をしておりませんので、コメントはなかなかしづらいものがあり、控えさせていただきたいと思います。
その上で、自民党においては、6月9日の防衛関係費の財源検討に関する特命委員会より政府に申入れが行われまして、その中でも、NTT法の在り方について、経済安全保障にも配慮しつつ、速やかに検討すべきという提言がなされているものと承知をいたしております。
NTT株の在り方については、まずは今後の党におけます議論、これも踏まえつつ、一義的には、主務省であります総務省において、その保有の必要性について検討いただくものと承知をいたしております。

(以上)

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