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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和5年10月10日(火曜)11時00分~11時21分)
 

【冒頭発言】

今朝の閣議におきまして、12日から13日にモロッコのマラケシュで開催されますG20財務大臣・中央銀行総裁会議等に出席するため、私が海外出張することについて、了解がなされました。
この機会に、私と植田日銀総裁が議長を務めますG7財務大臣・中央銀行総裁会議も、12日に開催する予定です。
こうした会議の傍ら、アフリカにおける民間資金動員の強化に向けた取組について議論を行う、G7アフリカラウンドテーブル、G7が世銀や同志国と共に推進している互恵的パートナーシップRISEの立ち上げイベントの主催も予定をいたしております。
昨今の世界を取り巻く課題の解決に向けて、しっかりと議論をリードしていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)

冒頭おっしゃられたG20・IMF・世銀年次総会について伺います。様々なテーマがあるかと思いますけれども、今回の会議で大臣が特に力を入れたいテーマは何でしょうか。また円安ドル高が続いていますけれども、為替についてアメリカのイエレン財務長官はじめ各国の要人と意見交換する予定などありますでしょうか。よろしくお願いします。

答)

今回の一連の会議におきましては、ロシアによるウクライナ侵略等を受けた世界経済や金融市場の動向、それから世銀を含めたMDB改革をはじめとする世界経済の諸課題について議論されるものと認識をしております。
いずれの議題も重要であって、出席する会議においては、積極的に議論に貢献してまいります。
特に日本が議長国を務めるG7財務大臣・中央銀行総裁会議では、ウクライナ支援、国際金融機関等、世界経済の諸課題について実りある議論ができるよう、しっかりと議論を主導してまいりたいと考えています。
また、バイの会談につきましては、現在調整中であることから、具体的にお答えすることはできませんが、いずれにしても、今回の総会期間中を通じて、有意義な議論を行ってまいりたいと考えています。

問)

先程の質問にも絡むのですが、ハマスとイスラエル軍の戦闘についてお伺いしたいと思います。経済的な影響なども懸念されるところではありますが、現時点で世界経済や日本経済への影響、懸念点について大臣のお考えをお聞かせください。また、今週開催するとおっしゃっていたG7やG20でもこの点は議論のテーマになる見通しか、教えていただければと思います。

答)

まず今回、10月7日より、ハマスを含むパレスチナ武装勢力が、イスラエル領内に越境攻撃を行い、多数の死傷者が発生しています。罪のない一般市民に多大な被害が出ておりまして、我が国はこれを強く非難いたします。犠牲者のご遺族に対して哀悼の意を表し、負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
一方で、イスラエル国防軍の攻撃によりガザ地区において多数の死傷者が出ていることも深刻に憂慮いたします。
我が国はこれ以上の被害が生じないよう全ての当事国に最大限の自制を改めて求めるとともに、国際社会とともに連携をして、事態の早期沈静化に向けて尽力をしてまいります。
 今回の事態がG7で議論になるかということでありますが、いずれG7各国から様々な意見が出て、当然この問題についても発言がなされるものと予想はされます。そうした発言があれば当然やりとりがありますので、議論がなされるということで、特別、今アジェンダとして、この1項目を立てているわけではありません。世界経済に対する影響というものは、今後しっかりと注視をしていきたいと思っています。

問)

先程のハマスとイスラエルの話なのですが、為替を含めて我が国経済への、日本経済への影響というのはどういったことが考えられますでしょうか。

答)

それも含めてしっかりと注視してまいりたいと思っております。我が国の立場としては、早期に今回の事態が沈静化するということを望んでおります。

問)

自賠責の保険制度について金融庁の問題意識をお尋ねします。保険会社とビッグモーターの不適切な関係を深めるツールとして自賠責保険が果たした役割について金融庁が現在持っている問題意識を教えてください。また、金融庁の立場で自賠責保険について、この制度について両社に報告を求めていることはありますか。

答)

損保ジャパンとビッグモーター社に対して、現在実施中の立入検査におきまして、一連の保険金の不正請求事案に係る実態把握や真因分析を進めております。
この中では、今ご指摘がございました、自賠責保険をめぐる両社の不適切な関係の有無、それから不正請求事案に与えた影響の有無やその程度についても検証することとしております。検証をすることにしておりますけれども、検査の詳細、評価について今の段階ではお答えするところに至っていないということであります。
金融庁としては、ビッグモーター社及び損保ジャパンに対しては、立入検査において、深度ある実態把握を進め、その結果に応じて、法令に基づき厳正に対処するとともに、有効な再発防止策の策定やその実施を求め、金融庁としても適切にフォローしてまいります。
なお、再発防止策につきましては、損害保険協会においても、順次、対策を検討していると承知をしておりますが、例えば、一部の損害保険会社においては、今回の事案を踏まえまして、自動車事故の際に、保険代理店も兼ねている特定の修理工場を顧客に紹介する対応について問題意識を持ち、こうした対応を見直して、利用者が希望する修理工場を選択できる方法を検討しているところもあると、そのように認識をいたしております。
こうした各社の取組を参考にしながら、効果的な再発防止策の在り方について、損害保険協会などとも連携して検討してまいりたいと思っています。

問)

2点伺いたいんですけれども、1つは今おっしゃった損保ジャパンの話ですね。大臣この間この会見でも、損害保険全体に対する利用者の信頼を損ねるんじゃないかという話をされていて、それこそが一番多くの市民や国民にとって大事な部分だと思うんですけれども、今の段階、立入検査した段階ですけれども、全体をご覧になって、実際今も修理工場の紹介の点をおっしゃっていましたけれども、損保ジャパンのこの件によって損害保険に対する疑念、結局もっと個人の利用者にツケが来ているんじゃないかということを多くの人が思っているわけですが、その点については今どういうふうに思っていらっしゃいますか。

答)

おっしゃるとおりに今回の事案はビッグモーターと損保ジャパンだけの事案ではないと思います。これによって、国民が損害保険業界に対する何か疑念とか、そういうものもあるんだと思いまして、これを機会にそうした疑念を振り払う、そのために損害保険会社自体がしっかりとした今後の再発防止策等を立てていただく、会社の中の様々な体制整備でありますとか、今そういう動きは出ているんだと思います。損保ジャパンにおきましても、第三者の調査委員会というのを立ち上げておりますし、損害保険協会においても、今回の様々な発生した事態を踏まえて、そうしたことの改善といいますか、見直しとか、そういうことに動いていると思います。
したがいまして、金融庁としても、そうした動きをしっかりフォローをする、そして法令上、被保険者の利益に触れるようなことがあれば、これは法令に基づいてしっかりと厳正に対処していきたいと、そういうふうに基本的に考えています。

問)

もう1点、経済対策のことを伺いたいんですけれども、来月に向けて、もう今月ですけれども総理指示が出ていて、5つの柱も総理は出していますけれども、この間、自民党からも総理からも減税という話が出てきています。その中で今出てきている減税は法人税に絡むものであるとか、賃上げ税制の拡充であるとか、そういったところにとどまっていると思うんですが、例えばアメリカや欧州の、普通の景気対策で言えば2008年のアメリカの景気対策、1,500億ドルのうちの1,100億ドル、かなりほとんどの部分は個人の減税、所得税減税だったりするわけですね。そういった中で日本でも、日本はこれまで基本は景気対策は需要創出、公共事業とかそういうものだったわけですけれども、そうじゃなくてもうちょっときちんとした個人に届く減税という場合、所得税であるとか消費税を一時下げるとか、そういうことは考えないでしょうか。そうしなければ減税という意味の恩恵が個人に届かないですし、日本の景気対策としても諸外国、特に欧米と比べると非常に片手落ちのバランスを欠いたものになると思うんですけれども、そういった個人減税、消費税、所得税の減税に踏み込むというふうには考えないんでしょうか。

答)

今まさに今月末に向けて経済対策の議論をしております。与党でも議論をしていただいているわけでありまして、与党の方々からは今お話になりましたような点も含めた減税のご意見など様々なご意見が出ているということは承知をしております。
今まさに、総理からの指示に沿って、経済対策を取りまとめている最中でありまして、私どもとしては、真に必要で効果的な政策を積み上げていくことが必要であると考えます。
経済対策に係る総理指示におきましては、法人税や所得税などの税制措置に関する検討項目を挙げられておりますが、それらの実現可能性を含め、具体的な内容については、年末にかけての与党税制調査会において議論されるものと、そのように承知をいたしております。
いずれにいたしましても、ご指摘の税制面での対応を含め、急激な物価高から国民生活を守り、構造的賃上げと投資拡大の流れを強化するため、引き続き与党と連携をして検討を進めていきたいと。いずれ経済対策をしっかり決めていく、それを受けての対応をしっかりとしていくということの今作業の途中であります。

問)

一般論でいいので、大臣個人として個々の個人、家計に届く減税の必要性というのは感じないでしょうか。これだけ物価高で家計が苦しくなっている中で、個人に届く減税、所得税、消費税という意味ですけれども、一般論でいいので。

答)

私としては真に必要で効果的な政策を積み上げていくということで、そうした中にそういうものが含まれるかどうかということは今検討している最中です。

問)

今日午前中、銀行同士を結ぶ全銀ネットのシステムに不具合が発生して、今一部の取引ができなくなっているという状況があります。この件について大臣が報告を受けられているか、受けていた場合は政府の対応がもしありましたら教えてください。

答)

その報告は受けておりません。

問)

既に出た質問に一部関連する内容なんですけれども、保険金の不正請求の問題に関することなんですが、損保ジャパンが進めている社外調査委員会の調査について、一部報道で早ければ今日にも中間報告がなされるといった話が出ているかと思います。金融庁としては既に立入検査等進めていますけれども、この調査の内容が、今後の検査の方針や処分の判断においてどのような位置づけになるのか、また金融庁として公表日程について把握しているかどうかという点についても併せてお伺いしたいです。

答)

SOMPOホールディングスに設置されております社外調査委員会、これについては近く中間報告が公表されるのではないかという報道があったこと、これは承知をしておりますが、SOMPOホールディングスにおいて、現時点において、そうした事実に関する公表等の対応は行われておりませんので、明確なコメントはできないということであります。
金融庁といたしましては、損害保険ジャパンに対して、立入検査を通じて、ビッグモーター社への出向者に係る事実関係、損害保険ジャパン一社だけが顧客紹介を再開していた経緯、簡易な損害調査を導入した経緯、を含めまして、経営管理態勢や内部管理態勢上の課題にも踏み込んだ上で、問題の根本原因を特定すべく、深度ある実態調査を進めておりまして、その中で、今までの一連の報告等との突き合わせ等もしてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、社外調査委員会の報告ということがなされれば、それについてもしっかりと中を見させていただきたいと思っています。

問)

経済対策なんですけれども、最近の会見で大臣、物価高の理由について円安による影響が大きいということは何度かおっしゃっていると思うんですが、結局今いろいろな形で財政支出をして、例えば燃料補助金もそうですけれども、6兆円とかという額になっていて、子育て対策も防衛費の増額、倍増も結局、実質的には国債頼みになっていて、財源の当てがないまま、どんどん支出項目だけが決まっていくということが続いていて、そういう中で財政の信認が落ちて円安になるという悪循環になっていると思うんですけれども、いくらどんどん経済対策をしていっても、それを赤字国債ベースでやる限り、どんどん国の通貨の信認が、財政や通貨の信認が落ちていって、さらに円安になってという悪循環に陥っていると思うんですが、そういった認識はないんでしょうか。その部分を止めない限り、円安が止まらなくて際限ない財政支出になり、それが円安になるという、非常によくない悪循環だと思うんですけれども、その点、財政当局、責任者としてどう考えていらっしゃるか。

答)

大変そのことについては私も常々ずっと頭を悩ませております。やはり財政の信認、それは国の信認にもつながることであると、そのように思っております。ご承知のとおり、今の日本の財政状況、大変悪いわけでありますし、加えて最近のコロナの対応等で、足元ますます、補正予算等の関係もありまして、厳しいものになっているということでございます。
加えて、それが全て円安の要因とは思いませんけれども、今の円安の状況は金利差の違いということもあると思いますが、いずれ財政の信認をしっかり得なければいけないわけでありますので、財政再建、財政健全化、それはしっかりとこれからも主張をしていきたいと思っております。

問)

最後に1点だけ、大臣、記者会見の一般論でいいんですけれども、この間、ジャニーズ事務所で記者会見があって、そこでNGリストなるものがつくられて、それに関して内閣府や政府の審議会に入っているような識者がいろいろなところでNGリストなんていうものをつくっているものだと。半ば政府でも会見でそういうものをつくって運用されているかのように言っている人たちがいて、非常に記者会見そのものの信認が落ちているんだと思うんですけれども、私は霞が関で20年近く取材していますが、そんなものを見たことも聞いたこともないですし、実際こうやって当てていただいて真摯に対応されていると思うんですけれども、そういったNGリストといったものが実際にあるのか、それは大臣が聞いたことがあるか、また会見そのものの在り方についてどう考えていらっしゃるか、一般論でいいので教えていただけないでしょうか。

答)

あくまで一般論ということですけれども、私はそういうNGリストの存在というものを聞いたこともありませんでしたし、それから見たこともございません。
基本的には、時間の制約などはどうしてもありますけれども、できる限り記者の皆さんのいろいろなご質問に答える、これは私と記者の皆さんの1対1で終わるところではなくて、記者の皆さん方の後ろには多くの国民がいるという意識で、私自身としてはこれからも対応をしていきたいと、そのように思います。

(以上)

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