鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和5年10月27日(金曜)8時39分~8時46分)
 

【質疑応答】

問)

岸田総理が昨日、所得税などの減税について具体化の指示をされました。減税をめぐっては効果が実感しにくいとの指摘がありますが、そうした指摘をどうお感じになり、実感を持ってもらうためにはどういった工夫があり得るとお考えでしょうか。また、6月の減税実施では時期が遅過ぎるとの指摘もありますが、こちらについてはどうお考えになりますでしょうか。

答)

まず今回の減税の意義についてお話をさせていただきたいと思いますが、今の日本経済は、賃金上昇を上回る物価高を背景にいたしまして、国民の皆さんが可処分所得の増加を実感しにくい状況が続いており、これを放置しておきますと、またデフレに戻ってしまうという懸念があります。
昨日総理から指示のあった所得税・個人住民税の減税措置は、こうした認識の下、デフレ脱却を確実なものとする一時的な措置として、国民の可処分所得を直接的に下支えし、賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和することを目的といたしております。
そして6月の実施ということでございますが、この6月の減税スタート時期につきましては、減税措置を実施する上でご協力いただく、源泉徴収義務者等の皆さんのための準備期間を十分に設けることができることに加えまして、来年に向けて物価上昇を上回る賃上げを目指していく中で、賃上げが実現されるタイミングに合わせて税負担の増加を軽減することで、国民の皆さんに所得の向上をより強く実感していただくことができるものと考えています。
なお、食料やエネルギーをはじめとする物価高に最も切実に苦しんでおられます低所得者の方々に対しましては、住民税非課税世帯1世帯当たり合計10万円を目安とした支援を迅速にお届けしてまいりたいと思っております。

問)

為替についてお伺いします。昨日150円78銭まで円安に振れた後、一気に150円割れまで円高方向に急伸しました。これは政府による介入でしょうか。あるいは自然な市場の動きでしょうか。150円の天井を超えてきたので市場の  動きが不安定になっているようにも見えますが、以前に比べて警戒感は強まっていますでしょうか。

答)

為替については、ファンダメンタルズを反映いたしまして安定的に推移することが重要であって、過度の変動は望ましくないということは常々申し上げているところです。
そして、為替相場の動向でありますとか為替介入のことについて具体的な見解を申し述べるということは、市場に不測の影響を及ぼすおそれがありますので、コメントは控えさせていただきます。
政府としては、引き続き、強い緊張感を持って万全の対応を行ってまいりたいと考えています。

問)

4万円の減税措置についてお伺いします。今回4万円の減税措置に当たって給付金ではなくて、あえて法改正や源泉徴収の事務作業が生じる所得減税をという形をとった意義、メリット、狙いについて、どうお感じでしょうか。

答)

まずデフレ脱却を確実なものにするということ、そのためには物価高の影響を受けている国民生活を思い切って下支えすることと並行いたしまして、これまで染みついてきたデフレマインドからの転換、これを経済全体で補っていくことが重要だと思います。
こうした点から考えますと、まず、食料やエネルギーをはじめとする物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々に対しましては給付で迅速に対応するということ、こうした対応をしつつ、一定の所得以上の方々については、来年度の賃上げのタイミングに合わせて、可処分所得を直接下支えすることで、所得の上昇を実感していただくため、税という分かりやすい方法といたしたところであります。
こうした政策の組み合わせによりまして、経済全体のデフレマインドからの転換を促して、物価上昇を乗り越える構造的な賃上げ、消費と投資の力強い循環といった大きな経済の流れにつなげていきたいということであります。

問)

全部給付金ではダメなんですか。

答)

そうしますと、先程申し上げましたとおり、来年の賃上げということを今一生懸命やっておりますし、そういうようなタイミングに合わせて、可処分所得を直接下支えして所得の上昇を実感していただくということにはつながらないわけですね。ですから税という分かりやすい方法をとらせていただいたということです。

問)

昨日、総理発言で減税と給付の間におられる方にも丁寧な対応をしたいという発言がありました。税が引ききれないない方や住民税のみ課税されている世帯を想定していると思うんですが、政府としてそれぞれどれくらいの人数がいると見込んでいて、丁寧な対応というのは具体的にどういう制度設計や支援水準を目指していくのか、お考えを伺わせてください。

答)

まずその制度設計におきましては、まさにこれから税調、それから政調で議論をして具体化いたします。
そしてこの狭間にいる方の数につきましては、例えば住民税の均等割のみの課税の方が約500万人、それから定額減税の恩恵を十分に受けられないと見込まれる所得水準の方々が約400万人という数字です。

(以上)

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