鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要

(令和5年11月20日(月曜)9時38分~9時48分)
 

【質疑応答】

問)

令和5年度補正予算案が審議入りとなりますが、改めて狙いや意義、また国会での議論に対する期待について大臣のお考えをお願いします。

答)

ただいま繰上げ閣議を行いまして、その中において、令和5年度補正予算を国会に提出することを正式に決定いたしました。
今般の補正予算は、急激な物価高から国民生活を守り、構造的賃上げと投資拡大の流れを強化することを狙いとして、11月2日に閣議決定されましたデフレ完全脱却のための総合経済対策の裏付けとなる予算を措置するために編成されたものであります。
春闘において3.58%という高い水準の賃上げ、100兆円に迫る旺盛な設備投資意欲など、日本経済に明るい兆しが見え始めている今こそ、30年来続いてきたデフレを脱却できる千載一遇のチャンスでありまして、政府としましては、この機会を逃すことなく対策に盛り込まれた施策を速やかに実行していく必要があると考えております。
また、今般の補正予算は、歳出構造を平時に戻す1つの道筋を示すことができたものと考えております。具体的には、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための予算につきまして、日本経済がコロナ禍の3年間を乗り越え、改善しつつあることを踏まえまして、真に必要な規模に抑制をし、また、従来のコロナ物価予備費4兆円について、賃上げ促進の環境整備に活用できるように物価賃上げ促進予備費に見直すとともに、規模も2兆円に削減するなど、経済社会情勢の変化に合わせたメリハリのある予算編成を行うことができたと思っております。
政府といたしましては、これからの国会審議が実りあるものになりますように、この補正予算の意義などを丁寧に説明させていただければと思います。そして、でき得る限り早期の成立をお願いできればと考えております。

問)

経済対策の中にあります定額減税に関してお聞かせください。所得税と住民税という基準が違う2つの税から支援措置を講じようとする策と認識しているんですけれども、この仕組みを前提としている人には、2つ基準が違う税から引くということで、様々な影響も出てくることが想定されると思うんです。そのため制度設計が難しそうなんですが、公平な仕組みづくりというものに臨むための大臣のご所見をお伺いしたいと思います。

答)

今回の措置は、令和2年度から令和3年度、令和3年度から令和4年度の2年間において伸びた部分、それに相当する額、これが3.5兆円でありますので、これをどういう形で納めていただいた国民の皆様に還元するかということであります。
どういう形でやるかというのは、いろいろな考えがあると思いますが、今まで染みついたデフレマインドを終わらせるという意味も含めて税でお返しするということにする、そして非課税世帯の方々については給付金で措置をする、狭間にある方々についても公平になるように措置をする、こういうことで進めてまいります。
そして今お尋ねのなかなか難しいんじゃないかということでありますが、これについては具体的に、与党税調においてしっかりとした制度設計をしていただくということでありまして、骨格の部分については、先程述べたような形で進めさせていただきたいと考えております。

問)

報道各社世論調査について伺います。本日公表された世論調査で岸田内閣の支持率が25%や24%と極めて低い水準です。岸田内閣発足以降でも最低の水準ですし、自民党が政権復帰した2012年以降、安倍内閣発足以降で見ても最も低い水準であります。このことについて大臣の受け止めをお願いします。

答)

大変厳しい数字が出ているなというのが率直な思いでございます。ただ、そうした数字に一喜一憂することなく、先送りできない課題についてしっかりと対応していくというのが岸田政権の、総理の基本的な考えであると、そのように思っております。
今回の経済対策についても、必ずしもその部分を取り上げての世論調査の数字を見ますと、なかなか厳しい評価になっておりまして、やはりそうした、先程冒頭私が述べたような事柄について、十分に国民の皆さんに伝わっていないというのが現実ではないかと思います。
したがいまして、今日から始まります補正予算審議における国会のやりとりの中でも、そうしたことが国民の皆さんにしっかり伝わるように努力をしていくということ、足元のことを1つ1つやっていくということに尽きるのではないかと考えています。

問)

先程の質問に関連して、内閣の支持率について、国民に税収を還元するという所得税・住民税の減税が逆に支持されずに支持率を落とす結果になってしまっています。このことについて、いわゆる減税が支持率を落とすことになる原因、ここについてどういうふうなものがあるとお考えでしょうか。

答)

これについては、先程既に答えたつもりであります。そういうことも含めて今回の経済対策の意義、そして狙い、そういうものが国民の皆さんに十分伝わっていない、したがってこれが心に響かないというんでしょうか、そういう状況になっているんだと、そう思います。国会審議等を通じて、こうしたことの説明にしっかり取り組んでいかなければならないと考えています。

問)

やり方がまずいのではなくて、しっかり真意が伝わっていないということが問題だというふうなお考えでしょうか。

答)

我々としてはやり方がまずいとは考えておりません。まさに先程申し上げたような形で税と給付金の組み合わせによってお返しをするという、そういう1つの進め方でありまして、これは極めてしっかりとした進め方だと思っておりますが、そのことについて十分な狙い、意味、そういうものが国民の皆さんに届いていないということなのではないかと、そのように思います。

問)

先程からの質問に絡んでお伺いしたいんですけれども、各種これまでの世論調査を見ると財政規律に不安を感じるという方々も一定数いるというふうに見られます。それについてはどうお考えでしょうか。

答)

財政規律を重んじる世論の声というのは、私は大きいと、このように思っております。ご承知のとおり日本は世界最悪の財政事情でございます。そういう中で政府としては、当面、2025年度のプライマリーバランス黒字化という目標を掲げて、それに向かって今努力をしているところでございます。
財務省としても、また私としても財政規律の重要性というものは十分認識をしております。当面の補正予算についても、そうした観点からの努力も行っているわけでありますし、来年度の当初予算においても、そうした財政規律ということをしっかり踏まえた努力をしていかなければならないと、そのように考えます。

(以上)

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