鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和6年4月16日(火曜)8時52分~9時06分)

【冒頭発言】

今朝の閣議におきまして、今週ワシントンD.C.に海外出張することについて、了解をいただきました。
今回の出張では、IMF・世銀関係の会合でありますとか、G20、そしてG7財務大臣・中央銀行総裁会議等に出席するほか、17日午前には初となります日米韓財務大臣会合が開催される予定であります。
昨今の世界を取り巻く課題の解決に向けて、しっかりと議論をリードしてまいりたいと考えております。

【質疑応答】

問)

G7・G20などでは議題が多岐にわたると思いますが、大臣が最も重視し、成果を上げたいテーマは何でしょうか。それとイランのイスラエル攻撃によって中東情勢、さらに緊迫しております。G7・G20などではどういう議論が必要だとお考えでしょうか。

答)

今回の一連の会議のうち、G20におきましては、MDB改革、それから気候変動資金、またG7におきましては、ウクライナ支援、MDB改革、国際保健、国際課税が議論されるものと認識をしております。
世界経済の不確実性が高い中で、いずれの議論も重要でありまして、最も重視するとか、そういうことはないわけでございますが、日本として積極的に議論に参加をして、国際協調の強化に努めてまいりたいと思います。
また、中東情勢につきましては、まず、先日のイランによりますイスラエルに対する攻撃は、現在の中東情勢をさらに一層悪化させるものでありまして、深く懸念をし、このようなエスカレーションを強く非難をいたします。
更なる緊張の高まりを防ぐために、国際社会全体として、当事者に対して事態の沈静化と自制を強く働きかけていくべきと考えております。
現時点では、G7やG20において、中東情勢は主要議題として取り上げられていないと認識をいたしておりますが、中東情勢の悪化は、エネルギーをはじめ世界経済に影響を与え得るリスクであること、これも認識しつつ、事態を注視してまいりたいと考えております。

問)

為替の水準が昨日夜、154円台半ばまで円安が進む状況になっています。まず大臣として、現在のこの急な為替の動きについて、どのように思われるのかと、政府としてはどのように考えていられるのか、さらにワシントンD.C.での一連の会議で、円安もしくはドル高について、各国と協議する考えはあるのか、このことについてお考えをお聞かせください。

答)

為替の動向につきましては、これまで申し上げてきたとおりでありまして、繰り返すことは控えたいと思います。
今のこの動きというものを我々としてはしっかりと注視をしております。そして、必要に応じて万全の対応をしっかりやっていきたいと考えております。
それから、国際会議で、為替のことが話題になるか、G20の議題については議長国が判断することでありまして、現時点では、為替を明示的に取り上げた議題は設定されていないと承知をしておりますが、為替を含めた国際的な課題については、G20に限らず様々な機会を捉え、必要に応じて日本の立場をしっかりと伝えてまいります。議題にならなくとも話題にはなるということだと思っております。

問)

G7の議長国イタリアは共同声明の採択に意欲を示している、こういう状況だと思います。為替に関しては、声明の中でもこれまでもずっと踏襲されてきた合意事項があります。これに関して、今回主要テーマにはなっていないというお話でしたけれども、何か調整が必要かどうか、あるいはこれまでどおりこれを踏襲していくのか、そこら辺のお考えはいかがでしょうか。

答)

まず成果文書を取りまとめるかどうかということですが、これは昨年日本が議長国でしたけれども、議長国においてその判断をするわけでございますが、G7の議長国であるイタリア、それからG20の議長国であるブラジルの判断に任せたいと思っております。したがいまして、その中身につきましては非常に多岐にわたるものも想定されます。そういう全体の中で、今のご指摘の点も考えていきたいと思います。

問)

為替の関連なんですけれども、日本に限らず、実質的に今ドルが一強の状態というのが続いていると。これは途上国のドル建て債務とかにも影響するものでもありますし、この辺りは今大臣としてどういうお考えかということと、あと今話題にもなるだろうとおっしゃっていましたけれども、そういうときに日本政府の立場としてはどういうところをお考えかというのを、2点お伺いできますか。

答)

途上国をはじめとしてキャピタルフライトが起こったり、そういうリスクがあるということは、これは2年前のG20の会合でも話題になりました。そういう経過がございますので、今回どういうような議論になるか、しっかり見守っていきたいと思います。
日本の立場ということでありますが、それが話題になったときには日本の立場もしっかりと申し述べたいと思います。

問)

中国の過剰生産能力について伺います。イエレン財務長官は昨日EVなどの分野で中国の生産輸出が急増しておりまして、欧州や日本、新興国市場の懸念となっているとし、追加関税も含め、いかなる選択肢も排除しないとの考え方を示されました。中国の過剰生産問題につきまして、大臣のお考えをお聞かせください。また、アメリカの視点に対して日本としてはどのような立場を示されるのか、お聞かせください。

答)

向こうに参りまして、いろいろな会合の中でそういうことも話題になるのではないかとは思いますが、まずは過剰生産ということが、デフレの輸出につながるという議論もございます。日本としてはデフレからの完全脱却を目指していくという立場でございますので、過剰生産がデフレの輸出で日本にそういう影響を与えるということは、これは懸念をしていかなくちゃいけないんだと、そのように思います。

問)

短くお聞きしたいんですけれども、まず為替ですね、先程、注視していると。この間、高い緊張感を持って注視しているということをおっしゃっていますけれども、今154円に昨日入ったところであると。この状況がいわゆる為替で言うラピッドでありボラタイル、だから急激であり、変動が大きいというところに当てはまると考えているのかということと、そもそも151円になるというのは、2022年10月も2023年10月もなっていて、この間ずっと150円台の後半でいたわけですよね。そういう意味ではそれほど為替が動いていないという見方もあると思うんですけれども、その点大臣はどう考えるかということですね。
それがまず1点で、もう1点は税務調査の話なんですけれども、大臣、2月に国会で国会議員の税務調査をするか、申告するかというところで、国民も国会議員も所得が生じれば申告していただくということを言っていますけれども、この間、自民党の裏金問題で萩生田さんが事務所に2,700万円持っていた、1,800万円残っていたとか、下村さんもお金を手につけずに持っていたということを言っていて、これは国税庁が答弁している内容で言うと雑所得として期をまたいでいると思うんですけれども、なぜそういったところで税務調査をしないんでしょうか、国税庁で。というのは、これを放っておくと、どんどん国民の納税意識というのが毀損していくと思うんですよね。ここは結構当局にとって大事だと思うんですけれども、ここをお答えいただけないでしょうか。

答)

まず最初の問題は、今の動きをどう見るかということだと思います。行き過ぎた動きなのか、急激な動きなのかということですが、それについて私の認識を言うことは、まさに万全の対応をとるということに関連することでございますので、そこの見解を私が言うことはふさわしくないと思いますので、そこはコメントいたしません。
それから後段の話は、税務当局は常に、課税上にプラスになると思われる情報とかそういうものを収集しております。そして、それを通じて必要に応じて税務調査も行うということになっているわけでございます。一連の国会においてもそうですが、ご質問の前提が、国税は税務調査をしないということが前提となって質問が国会でも多いわけでありますが、必要があれば税務当局は税務調査を行う、必要がなければ行わないということでありますから、はなから行わないということが前提になっているというのは、ちょっと認識がそこは違うんだと思います。
いずれにせよ、申告納税制度というのは自分の収入、それから必要経費をどう使ったかというのは、その本人が一番知っているわけでありますから、これは政治家であろうが政治家でなかろうが、自らの所得というものをしっかりとつぶさに見て、そして必要があれば申告をし、納税をしていただくと、こういうことなんだと、このように思っております。
ただ、岸田総理も述べておられるわけでありますけれども、自民党の調査では、受け取った政治資金、これは団体に所属するか、個人に帰属するかによって課税関係が変わります。団体に帰属したと認められれば、これはもとより非課税、はなから非課税なわけですが、個人に帰属した場合は、これは雑所得に分類をされて、先程申し上げましたように、申告納税制度に基づいてきちっとやっていただかなければならないわけでありますが、岸田総理の国会の答弁では、自民党の調査では個人に帰属するという方はいなかったということを述べられておられます。これは事実関係として申し上げます。

問)

これから会議に行ったときに、イエレン財務長官と為替についても含めて話し合うということになるんでしょうか。

答)

日米韓の初めての会合を予定しておりまして、それぞれの国の抱える課題等はいろいろ話し合われるんじゃないかと思いますが、まだちょっと会議はこれからですから、まだ議題、話題の整理もしておりませんので、確たることはちょっと、今はまだ決まっていないということです。

(以上)

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