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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和6年5月14日(火曜)9時42分~9時50分)

【質疑応答】

問)

岸田首相は10日の経済財政諮問会議で、最近の円安の動きを十分注視しており、政府・日銀は引き続き密接に連携していくと発言されました。植田総裁も先日の総理との面会後に同様の発言をされています。市場へのメッセージで足並みをそろえたと見られますが、円安に今のところ歯止めはかかっていない状況です。効果的な連携の在り方をどう考えるか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

これまでも政府と日銀は、デフレからの脱却と持続的な経済成長を実現すべく、政策運営に取り組んでまいりましたが、その際、政府・日銀それぞれが責任を持って進める政策が、他の政策の運営を妨げ、政策全体の効果を減殺することがないよう、引き続き政策連携を密にしていくことが重要だとまず考えております。
具体的には、政府と日銀の間では、様々な場で必要な情報交換や意思疎通を行うことが重要と考えておりまして、担当者による日々の情報交換はもとよりでありますが、5月7日に岸田総理と植田日銀総裁の面会があったように、トップ間でも定期的に意見交換が行われているほかに、財務省・金融庁・日銀の間で、国際金融資本市場に係る情報交換会合を必要に応じて開催し、意見交換をするなど密接に連携をしているところであります。
その上で、ご質問にありました円安に歯止めがかかっていないことへの対応についてですけれども、為替政策の観点から申し上げれば、為替相場はその水準に着目するのではなくて、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要と考えております。
他方、ご指摘のとおり、日銀の植田総裁は、最近の円安について、日本銀行の政策運営上、十分注視をしていくと述べられたことについては承知をいたしております。金融政策について具体的な内容は申し上げる立場ではありませんが、相互の政策目的に摩擦が生じることがないよう、引き続き日銀と意思疎通を密にしつつ、為替の状況を注視して、万全な対応をとってまいりたいと考えております。

問)

日銀が昨日、国債の買入れを減額しまして、それを受けて金利は上昇、そして為替は一時円高方向に進みました。市場では今後も日銀国債買入れ減額が続くというふうに見られていますけれども、これが債券市場、あるいは為替市場にどのような影響を与えるか、大臣のご所見をお聞かせください。

答)

国債金利は、様々な要因を背景にして市場において決定されるわけでありますので、その逐一の動きについてコメントすることは控えたいと思います。
その上で、金利の上昇による経済・財政への影響について、一般論として申し上げますと、家計の金利収入の増加、住宅ローンや企業借り入れなどの支払利子の増加、それから銀行や企業が保有する債券評価の変動、政府の利払費の増加により他の歳出予算を圧迫するおそれなど様々なものが考えられますけれども、その他に、物価・賃金・消費・設備投資等のマクロ経済動向を経路とした影響、住宅市場の動向や資産価格を含む金融市場の動向などのマクロ経済・金融の観点を含めまして、総合的に捉えていくことが重要であると考えております。
今後とも、金利の動向とその影響については、マクロ経済財政運営や国債の安定消化等の観点から、その背景となっております要因を含めて注視をしながら、必要な対応をとってまいりたいと思います。

問)

金融担当大臣としてお伺いします。大手損保の団体扱保険をめぐって、個人向けの保険で事前に割引率が調整されていたのではないかとの一部報道があります。現在での金融庁の事実関係の把握状況と、また今後の対応方針について教えてください。

答)

金融庁といたしましては、大手損害保険会社の保険料の調整行為に関して、これまでに発出した報告徴求命令や業務改善命令におきまして、各損害保険会社に対して、独占禁止法に抵触すると考えられる事案や同法の趣旨に照らして不適切な行為があった事案についても調査をした上で報告するようにと求めてきました。
これまでの損害保険会社からの報告には、団体扱保険に関しても報告があったため、金融庁としては、追加的な調査が必要と判断をして、各損害保険会社に対して団体扱保険についても改めて調査を行うよう求め、現在、件数も含めまして実態把握を進めているところです。
金融庁としては、損害保険会社の業務の適切性の観点から、調査によって判明した事実や各損害保険会社において進められている業務改善計画の進捗状況などを踏まえて、適切に対応してまいりたいと考えております。

問)

為替介入についてですけれども、一般論で、為替介入が行われた場合、円買いの介入であれば短時間で5円近く円高に振れることもあると思います。日頃から政府としては過度な変動はよくないというようなことをおっしゃっている中で、この介入による瞬時な円高というのは過度な変動には当たらないのかどうか、どういう整理をされているのか、伺いたいです。

答)

あくまで一般論として申し上げれば、過度な変動が起こるときには、家計や企業の今後の見通しに影響を与えます。ですから過度な変動がある場合には、これをならす行為が必要になってくると思います。一般論ですけれども。その結果、一定の幅において円安、あるいは円高が是正されるというのは結果の話でありますので、相場においてならす行為をするかどうかという判断の過度な変動の外にある話であると、そのように思います。

(以上)

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