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鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和6年5月21日(火曜)9時16分~9時29分)

【冒頭発言】

明日からイタリアに海外出張することにつきまして、今朝の閣議で了解を得ました。
現地ストレーザでは、G7財務大臣・中央銀行総裁会議に出席をいたします。
今回の会議におきましては、世界経済やAIをはじめとする現下の諸課題について議論が行われるものと承知をしております。
日本として、今回の会議を通じて国際協調が強化されることを期待し、しっかりと議論に貢献してまいりたいと思っております。

【質疑応答】

問)

冒頭でG7のアジェンダをご紹介いただきましたけれども、改めて日本として議論の進捗を期待する議題を教えてください。

答)

今回の会議では、世界経済、AIをはじめとする現下の諸課題について議論が行われるものと承知をしております。
国際社会が様々な課題に直面している中で、いずれの議論も重要であって、日本として、特定のアジェンダを挙げることは控えますけれども、G7の財務大臣と中央銀行総裁が一堂に会して、それぞれの政策課題について認識を共有して、対応を議論することは極めて重要であると考えておりまして、積極的に議論に参加をしてまいりたいと、それを通じて国際協調の強化にも努めていきたいと、そのように考えています。

問)

長期金利が10年ぶりの高水準となりました。マーケットでは日銀の国債買入れオペの減額や早期の追加利上げへの警戒感があると言われています。前回、金利に関する質問を受けたときに、大臣がマクロ経済財政運営と国債の安定消化の観点から必要な対応をとってまいるという発言をなされていたかと思うんですけれども、この必要な対応というのはどういうことをイメージしておっしゃっていらっしゃるのか、その具体的なイメージを教えてください。

答)

まず長期金利が上昇をしたということでありますけれども、政府といたしましては、まず市場環境を注視して、市場との丁寧な対話が重要であると思いますので、そういうことも行いながら、国債の安定的な消化が確保されますように適切な国債管理政策の実施に努めていくということが、政府としてのまずとるべきことであると、そのように認識しています。

問)

定額減税が実施される6月まで10日ほどとなりましたけれども、足元では円安がさらなる物価高を引き起こすといった懸念もあります。改めて実施の意義とこの効果に寄せる期待について大臣のお考えを聞かせてください。

答)

今年の春の賃上げは今日の発表では5.58%の賃上げ、大手ですが、かつてない水準の賃上げが行われました。
そういう中で政府としては、かねてより物価上昇を上回る賃上げを実現するということを目指しております。いろいろな方策がありますが、1つはやはり長年染みついたデフレマインドを払拭する、その1つのきっかけをつくることが重要であると、そのように思っておりまして、こうした賃金の上昇が実際に現れる時期に合わせて定額減税を行うことによって、賃金の上昇を実感していただくと、そういうことが先程申し上げたデフレマインドの払拭につながり、経済の1つの新たな局面への動きを支えていくことにつながるというのが目的の1つであると、そのように認識しております。
そういう認識のもとで、昨日の委員会でも定額減税に対する意義や、その内容が必ずしも十分伝わっていないのではないかというようなご指摘もございましたので、そうしたことについてもしっかりと周知をする中で、その効果が高いものになるように今後も努めていきたいと思っています。

問)

その中で企業が給与所得者に対して減税を実施するときに給与明細に記載するであるとか、そういった話も総理からもあったと思うんですけれども、そうすると企業は事務的な負担とか、そういったこともどうしても免れないかなと思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

企業の源泉徴収義務者について一定の負担が生じるということは事実だと思います。また、総務省の管轄になりますけれども、地方自治体においても、これは住民税の方でありますけれども、やはり同じようなことはあると思います。
しかしここは毎年の税制改正などにおいても、企業などの源泉徴収義務者にとって、負担と言えば負担ですが、それを受け止めてやっていただいておりますので、今回もぜひご協力をお願いしたいと、このように思っています。

問)

アメリカに先立って近くECB(欧州中央銀行)が利下げを実施する見通しになっていると思いますけれども、ECBの利下げが先行する影響について、特に経済への影響、為替にも影響する可能性もあると思いますけれども、そこら辺は現時点でどうご覧になっているのか、お考えをお聞かせください。

答)

国際局をはじめ担当部局で検討・分析をしていると思いますが、まだそのことについて直接レクチャーを受けておりませんので、ミスリードになってはいけませんので、大変申し訳ありませんが、今は答えられないということであります。

問)

金融庁の方の話題になるんですが、先般の仙台のじもとホールディングスが事実上国の管理下に入ると、議決権の63%を取得するという報道がありました。この報道について現状どういう検討がなされているか、見解をお願いします。

答)

じもとホールディングスについては以前、公的資金を注入しているわけでありますが、じもとホールディングスの直近の株主総会において、国に対する優先株式の配当が無配になった場合、発行要項等に基づいて、無配の期間、一時的に国の議決権が発生することは事実でありますが、同様の例は過去にも存在をしております。じもとホールディングスの今回の例は、金融機能強化法に基づく対応と、預金保険法のもとでの金融危機対応として行われる、いわゆる国有化とは全く性格を異にするものであるということは、しっかりと押さえなければならないと思います。
金融庁としては、じもとホールディングスにおける経営再建に向けた収益改善、公的資金の返済財源の確保に向けた取組を含め、今後提出されます経営強化計画の内容について適切に審査するとともに、その着実な実行について、引き続き、モニタリングをしっかりやってまいりたいと考えております。

問)

為替がまたじりじりと円安の方に振れておりますけれども、以前円安による物価高騰に懸念を示されていたかと思います。詰まるところ企業が国際化を続ける中で原材料などを輸入に頼る日本にとっては、強い円というのは国益と言えるのではないんでしょうか。その辺のご見解をお願いします。

答)

あの時のご質問は、恐らく為替のそのときの動きについてのご質問であったと思います。
為替で今円安基調と、こう言われるわけでありますが、円安にはプラス面とマイナス面があるということで、今はとにかく先程申し上げましたけれども、物価上昇を上回る賃上げを実現するということが1つの大きな目標になっております。賃上げは頑張って、大手に限ってですが5.58%という高い水準になりました。しかし一方において、物価がこのまま高止まりするようなことがあれば、せっかく賃金が上がっても、なかなかそういう目標に達するにはいろいろな困難も伴うわけでありますから、プラス面・マイナス面があるという中で、今の段階ではやはりマイナス面が懸念されるということを申し上げたところであります。その認識には今も変わりはありません。
ただ、繰り返しになって恐縮ですけれども、為替の相場は、ファンダメンタルズを反映して市場において決定されるものであって、安定的に推移することが望ましいわけで、急激な変化は望ましくないわけであります。これからも市場の動向をしっかりと見て、そして必要に応じて適切な対応をとっていきたいと、そのように思っています。

問)

長期金利が1%に近づいていることについて改めてお伺いしたいんですけれども、国債の管理政策に努めるという点は承知していますが、例えば経済への影響であったり、あるいは財政への影響だったり、金利の上昇も予想されますが、その点についてお願いいたします。

答)

経済や財政に与える影響ということでありますけれども、金利の上昇による影響、一般論として申し上げますと、家計の金利収入の増加、住宅ローンや企業借り入れなどの支払利子の増加、銀行や企業が保有する債券評価の変動、政府の利払費の増加により他の歳出予算を圧迫するおそれなど様々なものが考えられるところでありますが、その他にも物価、賃金、消費、設備投資等のマクロ経済動向を経路とした影響、住宅市場の動向や資産価格を含む金融市場の動向など、マクロ経済・金融の観点を含め、総合的に捉えていくことが重要であると考えております。
政府として、今後とも、金利の動向とその影響について、マクロ経済財政運営や国債の安定消化等の観点から、その背景となっております要因を含めて注視をしながら、必要な対応をとっていきたいと考えております。

(以上)

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