鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和6年5月28日(火曜)9時36分~9時45分)
【冒頭発言】
本日閣議におきまして、令和5年末の対外資産負債残高等について報告を行いました。
令和5年末の対外純資産は、前年末比約51兆円増加して約471兆円となり、33年連続で世界最大の純資産国となっております。
【質疑応答】
- 問)
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定額減税についてお尋ねします。昨日の参議院決算委員会で鈴木大臣は、定額減税の複数年度の実施を考えていないと答弁されました。一方で自民党の木原幹事長代理は、民放番組で再実施の可能性に触れていらっしゃいます。2024年度の与党税制改正大綱には、必要があると認めるときには所要の家計支援の措置を検討するとも明記されています。大臣としては、現状は定額減税の再実施が必要な状況ではないとお考えでしょうか。ご見解をお願いします。
- 答)
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今般の定額減税でありますけれども、国・地方合計で3.3兆円、関連する給付も含めて5.5兆円という思い切った規模の支援を行うことで、単年度の消費刺激効果にとどまらず、賃金上昇と相まって、所得の伸びが物価上昇を上回る状況を作ることにより、デフレマインドを払拭するきっかけとするために実施するものであります。従いまして、定額減税を複数年度にわたって実施することは考えておりません。
その上で与党税制改正大綱においては、今後、賃金、物価等の状況を勘案し、必要があると認めるときは、所要の家計支援の措置を検討すると記載されておりますが、その解釈についてお答えする立場にはありませんけれども、政府としても、経済状況を踏まえつつ、今後必要な場合には適切な家計支援を検討していくことが重要であると考えているところであります。
- 問)
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定額減税についてお伺いします。中小零細のうち会計ソフトなどを導入していないところを中心に、減税額の掲載や管理で負担感があるという声が上がっております。定額減税の円滑な実施には、こうした事務作業が不可欠になると思いますが、改めて大臣の見解を伺えたらと思います。
- 答)
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今回の事務でありますけれども、源泉徴収義務者の方々に一定のご負担をおかけするということは承知をいたしております。
今までも毎年の税制改正があるときには、新たな負担がその都度発生して、しかし源泉徴収義務者においてご協力いただいているわけでありますので、今回の措置も事務負担が増えるということは事実でありますけれども、何とぞご理解いただいてご協力を賜りたいというのが政府の立場であります。
- 問)
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定額減税についてお伺いします。今、事務負担の話がありましたけれども、今回は定額減税し切れない方に対して給付の措置がとられますが、これらの方々がおよそ2,300万人いると政府が試算しております。ただ、この方々の給付に対応するために自治体の負担が大きくなっているという指摘がありますが、これについて大臣のお考え、またこの事務経費が700億円かかるということですけれども、この額について大臣のお考えをまず伺えますでしょうか。
- 答)
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地方自治体の負担の話でありますが、定額減税を引き切れない方々への調整の給付については、これは担当は財務省ではなくて内閣府・内閣官房でございますが、給付金担当部局において、自治体の実情を丁寧に伺いながら、できる限り事務負担が少なくなるよう対応がとられてきたものと承知をしております。
具体的には、1万円単位の支給とするなど、できる限り簡素な制度設計としているほか、デジタル技術の活用など、給付の執行面での工夫をすることなどにより、自治体の事務負担に最大限の配慮をしているものと承知をしています。
自治体の事務負担について様々な御指摘があること、これも承知をいたしております。引き続き、給付金担当部局において、自治体をしっかり支援しながら、給付金を迅速に支給していただくことが重要であると考えているところであります。
- 問)
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大臣のご発言にありました1万円単位の給付についてですけれども、1万円にすることによって、人によっては4万円以上の恩恵を受けることになると、これについて不公平だという指摘もありますが、これについてどのようにお考えか、またなぜこのように事務負担が多く、人によって差の出る制度になってしまったのか、この辺りについてのお考えもお願いします。
- 答)
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ご指摘のとおり、定額減税と給付金の合計額が4万円を超える方もいらっしゃる認識をしております。それは1万円単位にすることによってでありますけれども。定額減税等とのバランスにおいて可能な限り公平となるように配慮しつつも、地方自治体の事務負担を極力少なくし、国民の皆さんに迅速に支援をお届けするために必要なものであるという点、この点は是非ご理解いただきたいと思っているところであります。
- 問)
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どうしてこのような制度になったかのところだけ、先程の質問へのお答えがなかったのでお願いできますか。
- 答)
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要するにバランスの問題であると思います。今回の定額減税の意味、やはり今ずっと求めておりますのは、物価上昇を上回る所得増の実現ということでありますし、それから長年染みついたデフレマインドから脱却する、払拭する、そのきっかけをつくるということであります。そういう大きな政策目的と今回実際に実施する実務上の中、先程申し上げた定額減税と引き切れない方に対する給付金との関係、そのバランスの中でこういう制度になったということでご理解いただきたいと思っています。
- 問)
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本日日銀から公表のありました企業向けサービス価格指数ですけれども、こちら前年比2.8%の上昇ということで、消費税の増税の影響を除きますと30年ぶりぐらいの水準になるのかなと思います。大臣として、こちらBtoB企業向けの部分も含めまして、デフレマインドの払拭ということをどのようにお考えでしょうか。
- 答)
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事前に十分その点を承知しておりませんので、コメントできません。
(以上)