鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和6年6月21日(金曜)10時01分~10時10分)
【冒頭発言】
2点申し上げます。
昨日夕方、国会議事堂近くの道路において、当省が運転業務を委託している会社の運転手が、当省が所有する車で事故を起こし、過失運転致傷及びひき逃げの容疑で逮捕されました。
この事故でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族に対しまして心からお悔やみを申し上げます。
事故の状況等については、現在、警察において捜査中であると承知をしております。当省においても、今回の事故に関して、必要な事実関係の確認を進めてまいります。
2つ目は日韓財務対話であります。6月25日に予定しております第9回日韓財務対話に参加するため、韓国に海外出張をいたします。
本財務対話は、昨年6月に7年ぶりに再開したものであり、その際の合意に沿って本年も実施するものであります。対話におきましては、世界・地域経済及び両国の経済政策、二国間・多国間における協力について議論を行う予定です。
日韓両国の一層の関係強化につながるような有意義な議論を行いたいと考えております。
【質疑応答】
- 問)
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金融担当大臣としての質問をお伺いします。仙台市のじもとホールディングスが昨日開かれた株主総会で国の実質的な管理下に入りました。異例の事態が起きたことへの大臣の所感を伺います。また、今後国としてトップ人事を含め銀行経営にどう関与するお考えでしょうか。さらに公的資金の返還に向けた議論の状況についてもお聞かせ願います。
- 答)
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昨日、じもとホールディングスの株主総会におきまして、一時的に国に議決権が発生することとなりました。同様の例は過去にも存在をしております。
金融庁としては、今後、じもとホールディングスにおきまして、地元企業をしっかりと下支えし、地域の金融仲介機能を十分に発揮するとともに、経営再建に向けた収益改善策の実行によって、公的資金の返済財源等の確保に向けた取組を着実に進めていくことが重要であると考えております。
株主としての国の経営への関与につきましては、預金保険機構が公表している株主議決権行使の基本的な考え方に基づいて、銀行経営の健全性の維持に資するか、公的資金の返済財源の確保に資するか等の点に留意をしながら、株主としての利益確保の観点から適切に議決権を行使していくこととなりますが、役員人事につきましても、こうした観点から議決権の行使を判断してまいります。
本年9月に予定しておりました公的資金の返済時期の見直しに関しましては、返済延期の期間等について、現在、金融庁とじもとホールディングスとの間で協議中でありますが、そのプロセスの詳細については、今まさに協議中ということでコメントは控えたいと思います。
- 問)
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アメリカの財務省が日本を為替操作に関する監視リストに再び加えました。理由として為替介入ということが理由にはなっていないようですが、これに対するまず大臣としての受止めと、このことで果たして本当に今後の為替介入についての手足が縛られるような、そのような影響があるのか、そのことについてお願いいたします。
- 答)
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まず、為替報告書の監視リストについては、経常黒字額や対米貿易黒字額などを、一定の基準値に照らして機械的に評価をした結果ということでありますので、これによって、米国が日本の為替政策を問題視している、といったことを意味するものではないと理解をしております。
いずれにいたしましても、為替政策については、過度の変動や無秩序な動きは、経済や金融の安定に悪影響を与え得るといったG7等での合意された考え方を踏まえまして、引き続き、米国をはじめとする各国通貨当局との間で、緊密に意思疎通を図ってまいりたいと考えております。
- 問)
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農林中央金庫の問題についてお伺いします。外債運用の失敗で巨額の損失を出し、1.2兆円規模の資本増強が必要となりました。金融庁としていつからこの農林中金の外債運用リスクを把握していたのかということと、今後モニタリングの強化など金融庁としてアクションをとる予定があるかどうかということを教えてください。
- 答)
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いつからということについては、行政上問題がない範囲の時期に把握をしていたということでご理解をいただきたいと思います。
今のご質問でありますけれども、農林中金、個別の金融機関でございますので、その決算等に関わることでございますのでコメントは控えますけれども、その上で申し上げれば、米国等での金利上昇、これは農林中金にも一定程度の影響を及ぼすものと承知をしておりますが、農林中央金庫は足元においても規制水準を超える十分な自己資本を有していることから、財務の健全性は確保されていると、そのように評価をしております。
一方で、国内外の金利動向を含め、金融機関を巡る経済・金融市場の動向、これは引き続き流動的であると考えておりまして、金融庁といたしましては、農水省とよく連携をしながら、そうした動向が農林中金に与える影響を的確に把握するとともに、農林中金における適切なリスク管理態勢の構築を引き続き求めていきたいと考えております。
- 問)
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MUFG、三菱UFJ銀行に関する点ですけれども、来週にも金融庁から業務改善命令を出すといった報道がございましたけれども、こちら現状についてお知らせいただけますでしょうか。
- 答)
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来週にもという趣旨の報道があったことは承知をしておりますけれども、実際、金融庁として、現時点で行政処分の時期などについて決定した事実はありません。
今後速やかに手続を進めて、処分の内容等を確定していきたいと考えています。
(以上)