鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和6年7月5日(金曜)11時16分~11時25分)
【質疑応答】
- 問)
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日経平均株価とTOPIXが昨日過去最高値を更新しました。
今朝も一時取引時間中の最高値をつける場面がありましたが、この株高に対する受け止めと、日本株が買われている背景についてどのようにお考えかお聞かせください。 - 答)
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日経平均株価及びTOPIXが史上最高値を更新したことは、もちろん承知をしておりますけれども、株価は、経済状況のみならず、個別の企業活動や先行きへの期待など様々な要因によって、市場において決まるものでありますので、一概にその背景等についてお答えすることは困難であるということはご理解をいただきたいと思います。
その上で、国内外の資金を呼び込み、成長と分配の好循環を実現して、力強い日本経済の実現につなげていくことが重要であると、そのように認識をしておりまして、コーポレートガバナンス改革の推進や金融・資産運用特区の推進など、資産運用立国の実現に向けた取組みを、これからも大いに進めていきたいと考えております。
政府としては引き続き、株価の水準に一喜一憂せず、目の前の課題に着実に対応していきたいと考えております。
- 問)
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今朝、総務省から発表されました5月分の家計調査ですけれども、予想に反してマイナスになりました。
円安に伴う物価高が影響したという指摘も出ていますけれども、大臣ご自身、これをどうご覧になっているのか。
それと政府として今消費が上向かない状況というのが続いていると思いますけれども、これに対してどう対処されるのか。
さらには日本銀行に対してどのような政策運営を期待されるのか、この点も併せてお願いできますでしょうか。 - 答)
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今朝発表された総務省からの統計でありますけれども、それについては詳細分析をしておりませんし、まだ報告を聞いていないところでありますので、今ここで的確なコメントはできないわけでありまして、そこはご理解をいただきたいと思います。
最後の日銀の金融政策に対する期待ということでありますが、これは普段述べておりますとおりに、法律的にも日銀の独立性ということが掲げられておりますので、日銀において十分な適切な金融政策をとっていただくということを期待しているところでありまして、日銀の政策について、こうあってほしい、こうするべきだということは財務大臣としてはコメントいたしません。
それから物価高の中で消費が減退をしていることに対してどう考えるかということでありますが、物価高を上回る賃上げを実現していくということは、今おっしゃったことに対する1つの方策につながると思っております。
実際において、最終的に連合の調査では5.10%という賃上げが実現されたということであります。
賃上げは実現されたわけでありますけれども、物価高を上回るということにおきましては、やはり物価の方が心配でありまして、その背景は、国際市場におきますエネルギー・食料価格はウクライナの侵攻以降そのような傾向がある、これは若干下がっているわけでありますが、一方において、やはり円安が輸入物価を押し上げている、日本は食料にしましてもエネルギーにしましても大宗を輸入に頼っているわけでありまして、しかもその決済はドル建てであるということでありますので、やはり円安の要因が物価高に大きな影響を与えるということは事実だと思います。
しかし先程申し上げましたとおり、春には過去にない賃金上昇を実現することができました。そして6月から定額減税も始まっているところでありますので、そうした効果が今後出てくるのではないか、これがまた消費を刺激することになるのではないか、長年染みついてきたデフレマインドを払拭するきっかけにもなるのではないか、そのようなことを少し見極めていく必要があるのではないかと考えています。
- 問)
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株高に関連してですけれども、少し前までは円安と株高というのがセットで考えられているような頃もあったかと思うのですけれども、足元の株高の1つの要因として円安による押上げ効果みたいなものもあるとお考えでしょうか。
- 答)
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株の水準と為替の水準との関係というのは、これはまさに様々な要因によるのだと思います。
一面だけ見れば、円安になれば輸出関連の企業の株が買われるだとか、そういったことも言われるわけでありますが、大変にそこはいろいろな複雑な要因があると思いますので、一概にその関係を述べるということもなかなか難しいのではないかと思います。
いずれにしましても、しっかりと株価も、それから為替の相場の状況も緊張感を持って、しっかりと見守っていきたいと思っております。
- 問)
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損保料率算出機構で自動車保険に関する決定事項が必ずと言っていいほど流出しています。金融庁などの正式決定が流出内容を追認する形になっていることが問題だと思います。
保険契約者の保護の観点から機構の情報管理であるとか、情報公開の在り方を定めるべきではないでしょうか。 - 答)
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損害保険料率算出機構が自動車保険の参考純率などの改定等を理事会において決定をして、金融庁への届出を行った場合には、金融庁は、その内容等を審査した結果を同機構に通知をするということになっております。これがこのプロセスでありますけれども、こうしたプロセスの途中で関連する報道があったということは承知をいたしております。
損害保険料率算出機構及びその会員であります損害保険会社は、その間当然ながら情報管理を徹底すべきであると、そのように考えます。
監督する立場にあります金融庁としても、適切な情報管理を求めていきたいと、そのように考えております。
また、この機構におけます情報公開の在り方については、適切な情報管理及びプロセスの透明性を両立させる観点から、同機構においてしっかりと検討していただきたいと考えております。
(以上)