鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和6年7月29日(月曜)17時54分~18時02分)

【冒頭発言】

先程の臨時閣議におきまして、令和7年度予算の概算要求基準が閣議了解されました。
今回の基準では、物価高騰対策、賃上げ促進環境整備対応等を含めた重要政策について、「重要政策推進枠」や「事項のみの要求」も含めまして、各省庁において、適切に要求・要望を行っていただくことができる仕組みとしております。
また、「防衛力整備計画対象経費」については、「防衛力整備計画」を踏まえ、所要の額を要求していただく旨、「こども未来戦略」で示された「こども・子育て支援加速化プラン」の施策については、同戦略に基づいて要求していただく旨を明記しております。
こうした仕組みによりまして、令和7年度予算では、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日本経済を新たなステージへと移行させるべく、予算の中身を大胆に重点化したいと考えております。
各省庁においては、8月末の期限に向けて、施策の優先順位をつけ、予算の内容を抜本的に見直していただきたいと考えております。
その上で、財務省としても、予算編成過程において各省庁としっかり議論を行い、歳出改革の徹底を図りながら、経済成長と財政健全化の両立化を図ってまいります。

【質疑応答】

問)

概算要求基準の重点枠や事項要求が認められたことで、歳出拡大にもつながるのではないかという懸念もありますが、この点について大臣の認識をお伺いします。

答)

概算要求基準は、8月末における各省庁からの要求・要望等について方針を定めるものでありまして、夏の概算要求段階から予算の中身の重点化や施策の優先順位づけを促す効果を期待していますが、同時に、昨年度から引き続き、重要な政策については、必要に応じて、「重要政策推進枠」や事項要求を行うことができることとすることで、重要な施策の選択肢をせばめることのないよう、工夫をしているものです。
その上で、歳出規模も含めた、予算の最終的な姿は、各省庁からの要望・要求を踏まえ、予算編成過程において、各省庁と財務省での議論を踏まえ、決定されるものでありますので、事項要求が増えることによって、必ずしも予算の膨張につながるわけではないと考えています。
令和7年度予算編成にあたって、全体的なことを申し上げますと、政権として取り組むべき重要な政策として、例えば、持続的・構造的な賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本的強化を含めた取組の加速や、防衛力の抜本的な強化を始めとした我が国を取り巻く環境変化への対応を進めていくことが重要であると考えています。
令和7年度予算では、こうした重要課題に着実に取り組むとともに、これまでの歳出改革努力を継続することにより、経済成長と財政健全化をしっかりと進めていきたいと考えています。

問)

先程の、財政の支出の拡大に繋がる、重要政策に向けた予算ということもあるのですが、今回の経済財政諮問会議について、プライマリーバランスが25年度に黒字化のメドが見えたということについては、大臣はどのように評価されているのか。
25年度予算を組むときにプライマリーバランスの黒字化、今の計算では、黒字化を達成するためにはある程度政策を抑制することがあるのか、もしくは意識せずに、必要なものであればプライマリーバランスの黒字化にはこだわらないのか、これはどちらの方になるのでしょうか。

答)

今日、経済財政諮問会議が開かれました。その中で、内閣府から中長期試算というものが公表されました。
それによりますと、民需主導の堅調な経済成長が続く中、歳出等に関する一定の前提を置いた上で、2025年度にプライマリーバランスが黒字化するという試算結果が示されたと承知しております。
民間議員からは、中長期試算の結果を評価する際には、秋に策定することを目指す経済対策が2025年度のプライマリーバランスに影響すること等も踏まえるべきであると、あるいは、金利上昇が債務に与える影響や、国債発行が市場金利に与える影響等について、これまで以上に注意を払う必要があるとの指摘を受けたところであります。
財政に対する市場の信認を確保して、将来世代への責任を果たしていくためには、政府としては、潜在成長力の強化や自然災害への対応、真に支援を必要とする方々への負担軽減策といった、我が国が直面する政策課題に的確に対応するとともに、骨太方針2024に基づき、予算編成においてこれまでの歳出効率化努力を継続し、経済成長と財政の健全化に取り組んでまいります。
いずれにせよ、PBの黒字化が実現できるという、1つの姿が示されたということでありますので、そのシナリオが実現できるよう、努力をするということであります。
そして、秋に策定することを目指す経済対策が25年度のPB黒字化に影響いたしますので、そのこともしっかり踏まえて、対応していくということだと思います。

問)

経済対策と、どちらを優先するかについては。

答)

まさに両立をさせなければならないということだと思います。

問)

プライマリーバランスが25年度に黒字化する見通しになったわけですけれども、今後財政の健全化という意味では、利払い費も含めた財政規律というものを考えていく必要があるかと思うのですが、25年度の先にまた新たな目標を立てるのだとすれば、どういう考え方に基づいて、この辺りを考えていかれるのでしょうか。

答)

25年度から先の財政健全化目標というものはございません。
25年度にPBを黒字化するという目標に向かって、そのシナリオが実現できるように、最大限努力していくということであります。
したがって、この先の財政健全化目標を、どのような要因を織り込みながらやっていくのかということについては、今後、十分検討する中で、考えられることであると思います。
まずは25年度のPB黒字化ということに、そのシナリオの実現に向かって、しっかりと対応していきたいと思っています。

(以上)

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