鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣繰上げ閣議後記者会見の概要
(令和6年8月8日(木曜)10時51分~11時03分)
【質疑応答】
- 問)
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昨日、日銀の内田副総裁は、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはないと述べ、緩和を継続する考えを示しました。これに対して大臣の受け止めをお伺いします。
またここ数日、市場がかなり乱高下を見せていますが、これが例えば好調な企業業績や賃上げのムードに水を差すことがないのか、大臣のお考えをお聞かせください。 - 答)
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日銀の内田副総裁が昨日の講演の中で、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはないと発言をされたということ、これは報道を通じて私も承知しております。
これまでも繰り返し述べてまいりましたけれども、金融政策の具体的な手法については日銀に委ねられるべきものと考えておりますので、私から内田副総裁の発言にコメントすることは控えさせていただきたいと思います。
金融市場の変動がもたらす賃上げへの影響等については注意深く見ていく必要があると思いますが、先日公表されました6月の実質賃金が2年3か月ぶりのプラスに転じるなど、5.1%の引上げとなる33年ぶりの春闘の高水準の賃上げ、この力強い結果が徐々に賃金に反映されつつある状況ではないかと、そのように認識しております。
また今後でありますけれども、全国加重平均で50円の引上げとする最低賃金の目安を受けまして、秋以降に地域別最低賃金が改定され、非正規雇用労働者や中小企業の賃上げにもつながっていくことが見込まれると考えております。
その上で政府としては、賃上げ促進税制の活用促進、それから価格転嫁対策、省力化投資への支援など、いろいろな政策を総動員いたしまして、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げを実現してまいりたいと考えています。
- 問)
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安全保障関連政策についてお伺いします。財務省は昨日、大臣官房に安全保障政策統括室を設置したと発表しましたが、このタイミングで設置に至った背景や狙いをお聞かせ願います。
- 答)
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安全保障に係る様々な問題は、様々な省庁にわたってそれぞれ主に所管すべきものがあると、そのように思います。
やはり安全保障と言えば中心的になるのは防衛省なのでしょうが、財務省にも関係するものがございますので、そうした財務省に係る安全保障に関係するいろいろな課題や今後の問題点、そういったものを省内で共有するという意味で設置をするということであります。
- 問)
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先日の株式市場の乱高下を受けまして、冷静な判断をするようにという呼びかけもあったかと思うのですが、やはり現在の足元の動きを見ていて、過度である、あるいは投機的なものによるものもあるのではないかという点について、どのようにお考えでしょうか。
- 答)
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株式市場のことであるとするならば、やはり株式の水準が決まっていくというのは経済状況、あるいは為替の状況、そして企業の活動状況、また今後の方針等々、様々なものが要因としてあり、そして投資家がそれを判断して、まさに市場において決定されるべきものと、そのように思います。
今の段階では私どもとして、やはり注意深く市場の動き、乱高下という言葉を使われましたけれども、そういった動きがありますので注意深く見ていきたいという段階だと思っております。
何か具体的なことをするという段階ではない、あくまでやはり市場において決定されるべきものであると、そのように考えています。
- 問)
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株式市場の乱高下の背景に、アルゴリズムによる高速取引があるのではないかという話があり、これについていけない個人投資家が損失を被ったという状況もあると思うのですが、これについてどのような見解を持たれていますか。
- 答)
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そのご指摘が報道にあったことは私も読みました。
しかし先程申し上げたように様々な要因が絡み合って、そしてそれをあくまで投資家が判断をして、買ったり売ったりと市場において価格が決まっていくわけですから、それが要因ではないと否定するものではありませんけれども、いくつかのたくさんある要因のうちの1つであって、そのもの1つが主因となって株価が動いたということを言うのは適切ではないと思っております。
要因の1つとして排除するものではありませんけれども、あくまで様々な要因の中で決まっていくものと、そのように理解しています。
- 問)
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昨日報道がありました大臣の政治資金パーティーの件でお伺いします。事務所の方では、大臣規範にある大規模なパーティーには当たらないということで問題ないと説明しておりますが、一方で政治とカネの問題がある中で、閣僚がそのように見られるようなパーティーを開くのは疑問だという声もあります。
この件に関しての大臣の見解、受け止めをお願いします。 - 答)
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そういった声がどこにあるのかお聞かせいただきたいと、そのように思います。
政治資金パーティーというのは制度的にも法的にも位置づけられたものでありまして、政治資金パーティーを開催することは違法でもなければ脱法でもないわけであります。
そして大臣規範というものもございますが、大臣規範では、在任中に政治資金パーティーを自粛すべきだと言っているわけではなく、大規模なものは自粛すべきだと、こういったものであります。先週末に開いたパーティーはまさに大規模なものには当たらないものであります。
この大規模かどうかというのは基準がないのですが、やはり常識的な範囲で判断をしなければならないと思っております。私も政治資金パーティーというものには、1年10回として10年で100回ですから、もう百数十回出ておりまして、大体の規模感というものはイメージとして持っております。この程度が大体一般的なレベルかなと、通常のレベルでこれぐらいの規模だなと、こういったものを持っておりますから、その程度のもの、あるいはそれを下回るものについては大規模なパーティーとは言えないのだと思います。
先週末に開いた政治資金パーティーは、私のイメージの中ではありますけれども、まさにそうした一般的な普通の、通常の基準の規模、それに比べてもさらに規模の小さいものでありますから、大規模なものということは全くないと思っておりますので、大臣規範にも触れていないということであります。
ですから、制度として行うことも違法でなければ脱法でもない、大臣規範にも触れないということでありますので、今後ともそうしたことをしっかりと踏まえて、抑制的に進めてまいりたいと、そのように思っています。
- 問)
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パーティーについて大規模なものではないとおっしゃいましたけれども、当時何人くらいが参加されたのでしょうか。
- 答)
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参加したのは250人か、300人以下だったと思います。
- 問)
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大臣としては大規模というのは大体何人くらいからというお考えでしょうか。
- 答)
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それは数字として言うのは難しいのですが、イメージとしては大体、通常のものは一般的な場合ではもう少し多いのではないでしょうか。
大規模なものといって振り返ってみれば、これからはやらないということになっていますが、派閥のパーティーなどはこの近くのホテルで一番大きな部屋を借り切って、そこに立錐の余地もなく人に来ていただいて、そこの部屋には入り切れないということで、別の部屋を2つくらい用意してモニターで参加していただくというようなものも経験したことがございます。むしろ、そういったものが大規模パーティーなのではないか、それの極かもしれませんけれども、そのように思います。
一般的にほかの政治家のパーティーに行けば、そのような例はほとんどなく、通常のレベルで行われているということでありまして、そういうものは大規模パーティーには入らないのだと思います。
(以上)