鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和6年9月17日(火曜)9時40分~9時46分)
【質疑応答】
- 問)
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為替についてお伺いします。16日の外国為替市場の円相場は1ドル139円台まで上昇し、年初来高値を更新しました。円相場は7月上旬に一時1ドル161円90銭台をつけていましたが、この2か月あまりで20円以上円高・ドル安に振れ、企業が年央に想定していた平均為替レートに比べても円高水準となっています。
為替相場の変動が日本経済に与える影響につきまして、ご所見をお聞かせください。 - 答)
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まず為替相場の影響でありますけれども、足元の為替相場の動向が日本経済に与える影響につきましては、輸出物価の変動を通じた企業の海外売上や、利子・配当など海外からの所得等への影響のほか、輸入物価の変動を通じた国民生活・事業活動の負担への影響など、様々な経路をたどりながら、プラス面・マイナス面、双方の影響があるものと考えております。
その上で、今年度下期の日本企業の想定為替レートは144.59円でありまして、足元の為替水準はこれよりも円高水準となっていることはご指摘のとおりであります。
そして、これによる企業業績、ひいては日本経済への影響も考えられるのではないかというご質問であったかと思いますが、昨年度の企業の経常利益は、中小企業も含めた全規模・全産業で前年度比プラス12.1%という高い伸び率で増加をしてきた中で、毎年の利益の積み上がりである利益剰余金は過去最高となる601兆円まで増加するなど、規模や業種によってもちろん差はありますけれども、企業業績や財務体質は総じて健全な状況が続いているものと認識をしております。
政府としては、このような状況にある企業による思い切った賃上げや設備投資などを背景に、日本経済は引き続き緩やかな回復が続くことを期待しております。一方で、ご指摘の為替相場の変動のほか、中東情勢でありますとか物価動向などのリスクが、これから先の日本経済や国民生活に与える影響については引き続き的確に分析をして、適切な対応をしていきたいと、そのように考えています。
- 問)
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為替の関連ですが、今週アメリカでFOMCがあり、日銀の金融政策決定会合もあります。それに伴って為替の振れが大きくなるような展開も予想されますけれども、改めて為替変動に対するスタンスについてお考えをお聞かせください。
- 答)
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為替の変動については今までもたびたび話しておりますが、やはり基本的にはファンダメンタルズを反映して市場において決定されるものでありますけれども、急激な動きはよろしくない、安定的に推移することが望ましい、こういったことが我々の基本的な立場でありまして、そういった思いの中で日々の為替の変動をしっかりと注意を払いながら見ているというのが我々の基本的なスタンスであります。
- 問)
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先週セブン&アイ・ホールディングスの投資審査の分類が、これまでの非コア業種からコア業種へと分類が変更となりました。これは国の安全を損なうなどのおそれが大きいといった位置付けだと思うのですが、今回コンビニ事業を主要事業として営む当該企業がこうした分類になることについての受け止めであるとか、大臣のお考えについて聞かせていただければと思います。
- 答)
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コア業種に変更となったことでどのような影響を与えるのかというご質問であると理解をいたしましたが、コア業種となることで買収が難しくなるのではないかということについて申し上げますと、投資先企業の経営権の取得を目指す場合には、コア業種かどうかにかかわらず事前届出が必要となり、その場合、国の安全等が損なわれるおそれがあるかどうかという観点から、投資先企業が営む事業の実態に照らして審査をすることとしておりますので、コア業種であるかどうかによって買収が難しくなるということは言えないということであります。
(以上)