鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要
(令和6年9月24日(火曜)10時51分~10時57分)
【質疑応答】
- 問)
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日銀の金融政策決定会合が20日に行われまして、政策金利の維持が決定されました。欧州や米国では利下げの動きも見られておりますが、国内の物価動向や金融政策についての大臣の見解をお伺いします。
- 答)
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今ご指摘がありましたとおり、先日の金融政策決定会合におきまして、日銀が政策金利の維持を決定いたしました。一方で、ECBやFRBは利下げを行っております。こうした金融政策の動向が国内物価を含む日本の実体経済に与える影響につきましては、これは金融市場のセンチメント、内外金利差、外需、海外物価の動向など、様々な経路を通じたものがありますので、一概に申し上げることは難しいと思っておりますが、政府としてその影響はしっかりと注視してまいります。
日銀の植田総裁におかれましても、会合後の記者会見において、各国の金融政策はそれぞれ自国の経済・物価を安定化させることを目的としており、結果として金融政策のサイクルが違ってくることはあり得ると述べておられます。そしてその上で、米国の金融政策や海外経済の動向が日本の物価・経済見通しに与える影響を丁寧に分析し、日本の金融政策を考えていきたいと、そういった説明をされたと承知をしております。
日銀には引き続き政府と密接に連携を図りながら、経済・物価・金融情勢を踏まえながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行っていただくことを期待しているところです。
- 問)
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自民党の総裁選に関して伺いたいのですが、高市早苗候補から日本の財政状況について、債務と資産を合わせたネットの対GDP比で見ると、G7でカナダに次いで2番目にいいという主張がなされています。見方を変えれば全く問題ないという主張がなされていますが、財政をどのように見るかで今後の財政政策がかなり変わってくると思いますけれども、この見方に関して大臣のご所見をお願いいたします。
- 答)
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資産と債務を合わせたネットの資産残高の数値で見ますと、確かにG7の中では日本は2番目に高い水準であるということでありますけれども、ネットの資産残高で財政の健全性を測る際には、所有する資産を債務の返済に活用できるかどうか、すなわち資産の市場性・流動性を考慮する必要があると考えております。
ご指摘の純資産対GDP比に含まれる資産には、法律で政府が保有を義務づけられている政府保有株式でありますとか、地方自治体が所有する道路やダムなど、そういった市場では売却できないものが多く含まれておりまして、日本の財政状況を判断するにあたり、純資産対GDP比を用いることは適切ではないと、そのように考えております。
道路やダムなどの非金融資産等を考慮しない、日本の純債務残高対GDP比は世界最悪の水準となっておりまして、こうした状況を踏まえれば、引き続き財政健全化に向けた取組は不可欠であると、そのように考えます。
- 問)
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日本郵便に関する報道についてお伺いします。日本郵便がゆうちょ銀行の顧客情報をかんぽ生命の営業に利用していたという報道がありまして、これについて日本郵便とかんぽ生命は、20日付で金融庁と総務省へ報告を出しているという報道がありました。
こちらについての事実確認と、累次の案件が以前にもありましたけれども、金融庁としてどのように対応を検討されているかお聞かせください。 - 答)
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ご指摘の報道があったということは承知をしておりまして、金融庁にも報告を受けております。
保険業法におきましては、保険代理店、この場合は郵便局でありますけれども、これは顧客の口座残高や金融取引等の非公開金融情報を顧客の事前同意なしに保険募集に係る業務に利用することは禁止をされており、今回のような事案が発生したことは大変遺憾であると思います。
金融庁といたしましては、まずはかんぽ生命を通じて、事実関係を確認するとともに、法令等遵守や保険契約者保護の観点から適切に対応してまいりたいと考えています。
(以上)