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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣初閣議後記者会見の概要

(令和6年10月2日(水曜)17時12分~17時52分)

【冒頭発言】

このたび財務大臣、金融担当大臣、デフレ脱却担当大臣を務めることとなりました加藤勝信でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  
昨日、総理からは経済、財政、金融全般にわたりまして指示をいただきました。
主なものについて申し上げたいと思います。まず経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行い、成長分野への官民挙げての思い切った投資により、賃上げと投資が牽引する成長型経済の実現を図ること、経済・財政新生計画に基づき、歳入・歳出両面からの改革を推進するほか、単年度主義の弊害是正に取り組むこと、デジタルを活用したEBPMを推進し、効果的な予算配分・予算執行につなげること、投資大国の実現に向けて、人的投資やインパクト投資を含めた全ての投資を促進すること、そのために、貯蓄から投資への移行を更に進めるとともに、企業統治の強化や資産運用の高度化などに取り組むこと、地方創生・地域活性化の観点から、地域金融機関による金融仲介機能の一層の発揮と健全性の確保を後押しすること、公平・公正・透明な金融市場への適正化を図り、金融商品に対する信頼確保に努めること、などについて指示を受けたところであります。
こうした総理からの指示も踏まえつつ、財政運営については既に前政権で閣議決定されております、いわゆる骨太方針2024に基づき、潜在成長率の引上げを図るとともに、真に必要な事業への予算の重点化など、メリハリの効いた予算編成を行うことで経済成長と財政健全化の両立を図る、こうした骨太の方針に基づいて対応していくことが重要と考えております。  
また、金融行政につきましては、資産運用立国と投資大国の実現、地域の活力を引き出すための金融仲介機能の強化、金融システムの安定と信頼の確保に力を入れていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)

石破総理からのご指示を受けて、大臣の抱負を改めてお聞かせいただきたいと思います。

答)

我が国の経済は、ご承知のように回復に向けての兆しが見られるところでありますから、これを一層強化していく、そういった意味でデフレから脱却し、成長型の経済を実現するチャンスでもありますし、まさにそれを実現しなければならない時期にあるというように思っております。
総理のご指示を踏まえて、これまで内閣官房長官としてコロナ対応などにも当たってまいりました。また、党の税制調査会の小委員長なども務める中で、あるべき税制改正の議論も昨年行ってきたところでございますので、こうしたこれまでの経験を踏まえながら、様々な課題に前向きに取り組み、やはり賃上げと投資が牽引する経済成長、これをぜひ実現していきたいと考えております。

問)

よく財政再建か積極財政かという大まかな議論がされます。大臣はそういった議論の中で、どういった方針をお持ちなのか、お聞かせ願います。

答)

今言ったことと重複いたしますけれども、これまでの政府の財政運営、また骨太方針があって、経済あっての財政との基本的な考え方のもとで、民需主導の持続的な成長を実現するため、真に効果的な財政需要については機動的に対応すること、また財政健全化の旗を下ろさず、財政に対する市場の信認を確保し、将来世代への責任を果たすため歳出改革努力などに取り組んでいくことで、経済再生と財政健全化の両立を進めていく。こうした前政権あるいは前大臣も進めてこられた流れはしっかりと継承させていただきたいと思っております。その中で先程申し上げた、いろいろな回復の兆しが出てきている、これを力強い流れにしていきたいと考えています。

問)

午前中の幹部の皆さんへの訓示の中で、鈴木前大臣が、25年度のPB黒字化について、いよいよ手を伸ばせばつかみ取れるところまで来た、ぜひ実現をしていただきたい、補正予算もあるけれども、工夫してしっかりやってほしいということをおっしゃっていましたが、一方で今大臣は経済あっての財政だということをおっしゃいました。鈴木前大臣からの宿題、25年度のPB黒字化についてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

それは既に骨太方針の中にもそういった記載があるので、そのことをおっしゃられたのだと思いますが、骨太方針に基づいて対応していくという姿勢は何ら変わるものではありません。ただ、今大事なことは、先程申し上げた経済あっての財政という基本的考え方に立って、今回復の兆しが見えるこの流れをより一層強いものにしていく、このことが非常に大事だと考えています。

問)

アベノミクスの関連なんですけれども、大臣は総裁選の出馬会見で、私は安倍総理と一緒にアベノミクスを推進してきた、私の中にその精神が染み込んでいるというご発言がありました。一方、石破総理はテレビ討論の中でアベノミクスの功罪について検証するのは当たり前だと発言されております。
石破政権ではアベノミクスとは違った経済財政運営を求められることもあると思うのですが、冒頭おっしゃられたこともありますが、その点、どのように運営されていく考えでしょうか。

答)

2012年に政権交代がありまして、アベノミクス、3本の矢のもとでデフレのない状況をつくっていこうと。当時は失業問題もありましたが、そうしたものを1つ1つ解決して、今は失業というよりは、それは大幅に改善をされてきた、それからGDPも上昇してきた。また先ほど言った、改善どころではなくて働く人の数も大きく増えてきたといった流れ、そしてさらに岸田政権の中で、成長と分配の好循環という取組の中で、GDPは600兆、そして春闘では33年ぶりの5%を超える賃上げ、さらには今実質賃金も2か月連続でプラス、あるいは設備投資も100兆を超える、こういった状況になってきている、いい回復の兆しが見えてきたわけですから、この政権においてはこれまでのそうした政策、そして成果をしっかりと受け継いで、それをより確実なもの、足取りの強いものにしていくということ、これに私は尽きると思っています。
もちろん政策を進める以上、常に検証しながら次の政策を決めていく。毎年度毎年度の予算編成も、これまでの予算の執行状況を検証し次の予算を決めていく、これは当然のことだと思っていますけれども、冒頭や前半に申し上げたように、これまでの流れ、そしてこれまでその流れの中でつくり上げてきた成果をしっかりと受け継いで、さらにより確実なものにしていきたいというように考えています。

問)

金融政策の考え方についてお尋ねします。石破首相のこれまでの発言を伺いますと、金融緩和の基本的な基調は維持されるべきという発言をされていますが、石破内閣の方向性として、また加藤大臣ご自身のお考えとしても、金融緩和という状況が維持されるべきだとお考えでしょうか。

答)

まず石破政権では、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行うということ、また、昨日の会見でも総理からは、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねるべきと考えるが、デフレ脱却に向けての期待感を持っているとおっしゃっておられたと思います。また私としても先程から申し上げているように、デフレ脱却を確実なものにしていく。私は今デフレ脱却担当大臣というのを受けているわけでありますが、早くこの肩書きを返上できる、そうした状況をつくり上げていきたいと思っています。
一方で、日銀においても政府と密接に連携を図り、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切に金融政策運営を行うこと、また市場と丁寧なコミュニケーションをとっていくこと、これを期待しているところであります。
そうした意味で、まさに足元の経済、物価、あるいは金融情勢を踏まえながら、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策が行われることを強く期待しています。

問)

経済対策について伺います。昨日首相が会見で、低所得者向けの給付金を実施する方向性について言及されました。
足元の経済状況というのは、デフレ状態ではないがデフレ脱却とは言えないという状態がこれまでの政権の経済認識だったと思うのですが、まさに賃上げと投資の好循環が達成するまでの期間に足元で起こっている物価高への対策というのが経済対策の文脈だったと思います。
そこでお伺いしたいのですが、まず給付金についての考え方と、現状は年内で段階的に終了するとされているガソリンへの補助金、このあたりは骨太でも時期を見て終了するという方向性が書かれていますけれども、大臣の方向性、お考えをお聞かせください。

答)

それは岸田前総理がおっしゃった低所得者向けに対する支援のことをおっしゃっておられるんですか。

問)

そうですね。昨日、石破首相もおっしゃっています。

答)

これを実施する、それに向けての対応についての考えは石破総理からお話があったことに尽きると思います。  
それから、電気・ガスの話であると思いますけれども、電気・ガス料金については8月から10月の使用分に限って支援を実施していくということであります。それからガソリンの関係については、燃料油の激変緩和対策については年内に限って実施をするということであります。それらを含めて、物価対策については岸田前総理が既に表明した、今申し上げた低所得者向けの給付金、あるいは重点支援交付金を含めて、今後経済対策について議論していく中で、総合的に検討するということだと思っております。
また、経済対策そのものについては今まだ出ているわけではありませんので、そこでの指示等も踏まえながら政府内でよく検討していきたいと考えています。

問)

ガソリンについては、総裁選でも年明け以降の延長を主張する人もいましたし、トラック業界などで既にその延長を求めるという声があるのですが、既にトータルで電気・ガスを含めて11兆円を使っているという中での大臣としてのお考え、延長は望ましいのかどうかというのはどのようにお考えなのでしょうか。

答)

1つはこうした物価高騰に対する対策そのものは、本来であれば賃金が上がること、あるいは企業においては収益が上がること、そういったことで飲み込んでいく姿が望ましいと思っておりますから、そういった経済情勢にしていくということ、これは冒頭から申し上げていることであります。
ただその上において、先程の給付金もそうですけれども、それに対応できない方々に対する対策をきめ細かくやっていく必要があると思いますし、この話についても、前政権では骨太方針2024を踏まえて早期の段階的終了に着手するべく取り組むと表明はされているわけでありますけれども、そうしたことも含めて今後検討していきたいと思っています。

問)

昨今の金利の上昇について伺いたいと思いますが、既に日銀の金融政策変更に伴って金利が上昇しておりまして、経済の好循環が進めば更なる利上げも想定されていると思うのですが、金利ある世界になったときの巨額の債務残高を抱える日本の財政運営に与える影響について、どのようにお考えなのかをお聞かせ願えればと思います。

答)

今のお話については2つあると思います。
1つは、当面の金融政策をどのように考えるかというご質問に関しては、先程お話をしたのが基本であります。したがって、今のご質問は上がることを前提にご議論をされていると思うので、それは、先ほど申し上げたように上がることを前提に申し上げているわけではなく、適切な金融政策を期待するということを申し上げているわけですから、その中でこれから日銀も対応されていると思いますし、日銀ともよく連携をとっていきたいという、これが基本方針であります。

問)

そういう意味ですと、今既に金利が上昇している影響が、国債の利払い費などにも若干のインターバルがあるかと思いますので今後出てくるかと思うのですが、財政運営としてはどのように取り組んでいこうというお考えなのでしょうか。

答)

もちろんこれから年末、予算編成をする中で、基本的に翌年度における利払いがどうなのか、そういったことは検証しながら必要な予算を確保していかなければならないと思っていますが、まだ今の段階でそれがどうなるかということを申し上げる状況ではないと思います。

問)

農業予算について伺います。さきの通常国会では農政の憲法とされる食料・農業・農村基本法が改正されました。6月に閣議決定された骨太の方針の中でも今後5年間、集中的に農業の構造転換を進める方針というのが盛り込まれたかと思います。そういった中で農業界では農業予算の増額が期待されているところですが、その予算を増額すべきか否かを含めて、農業予算に対する大臣のお考えをお聞かせください。

答)

政府として、今お話がありましたように食料安全保障の確保等に向けた政策を進めていくという方針は、前政権でありますけれども既に出しておられるわけで、それは当然しっかりと継承していく中で、では具体的にどういった予算、必要な予算があるのか、これは既に農水省からも予算要求がなされておりますし、一部は事項要求になっているとも承知をしておりますので、それを含めてよく農林水産省と予算編成過程の中でしっかり議論をして、そして冒頭申し上げた食料安全保障の確保等に向けた施策がしっかり進められていけるようにしていきたいと考えています。

問)

関連してなのですが、さきの自民党総裁選の中でアンケートを行っておりまして、農業予算について選択肢を選ぶ形で考えを聞いたところですが、加藤大臣はその中で、農業予算について増額という考えを示されているのですが、その考えは財務大臣になられた今でもお変わりないかお聞かせください。

答)

総裁選の流れの中で、私の地元にも農林水産業がいろいろありますけれども、そうしたことをしっかり支援していく必要があるというように考えておりますから、そういった意味においての増額が必要だという認識は示させていただきました。
ただ、予算編成の中ということになれば、既に申し上げたように農林水産省から出されている要求、あるいは事項要求も含めて、これからしっかり議論をしていく中で、先程申し上げた必要な予算はしっかり確保していかなければならないと考えています。

問)

今月27日に総選挙があります。それに先だって23、24日とアメリカのワシントンでG20が予定されていますけれども、ご出張されて会議に参加されるご予定があるのかどうかというのを確認させてください。 それと、今日銀は中立金利までの緩やかな利上げを模索して、実際進めている状況だと思います。この動きそのものは政府が目指しているデフレ脱却への取組と整合的なのかどうか、ここに係るお考えを併せてお願いできればと思います。

答)

まず10月後半にワシントンD.C.でIMF・世銀年次総会、G7・G20財務大臣・中央銀行総裁会議等が開催をされ、世界経済の諸課題などについて議論されると承知をしております。この会議への出席の可否については、今後いろいろな事情を踏まえながら適切に判断をしていきたいというのが今の状況であります。
それから金融政策については、先程申し上げたことと全く同じ答えになってしまうのですが、日銀についても、先程申し上げた政府と密接に連携を図って経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策運営を行うことなどを期待していきたいと思っております。
また日銀は今後の金融政策の方向性について、金融政策は極めて緩和的であり、我が国経済をしっかりと支えていくこと、政策判断にあたっては、内外の金融市場や経済の状況を見極める必要があり、そうした時間的余裕があること、こうしたことを説明されていると承知をしているところでありますので、先程申し上げたように持続的・安定的な2%の物価目標の実現に向けて適切な金融政策の運営が図られること、これを強く期待したいと考えています。

問)

自動車安全特別会計から一般会計への繰入金についてお尋ねします。四半世紀に及ぶ長い間、巨額の約5,800億円というお金が繰り入れられているのですが、このことについてのご所見と、過去の話ですが、5年、10年と返済が行われていなかったことについてのご所見も併せてお願いします。
それから、繰戻しについては大臣間合意に基づくものです。大臣が代わりましたけれども、今後どうなっていくことが望ましいとお考えになっているか、お願いいたします。

答)

自動車安全特別会計から一般会計に繰り入れた額のうち、これまでも繰戻しが行われてきた結果、現在5,806億円が繰り入れられたままの状況であります。
先程ありました5年、10年ということでありますが、平成16年から29年度においては、一般会計から同特別会計への繰戻しが行われなかった時期がある。ただ、これも当時の一般会計の財政状況、あるいは自動車安全特別会計の収支状況などを見て、財務省と国交省との間の協議の結果として合意したものと承知はしております。
現在、令和3年12月に財務大臣と国交大臣の協議の結果として、令和4年度の繰戻し額約54億円の水準を踏まえること、また繰戻しに継続的に取り組むことなどが合意されていると承知をしておりますので、令和7年度の予算編成において、この大臣間合意に基づいて適切に対応していきたいと考えています。

問)

過去に財務省で発生した森友問題についてです。2020年当時になるのですけれども、石破総理が当時の自民党総裁選で、森友問題のことについて、必要ならば再調査すべき、国民が納得したというのが過半数にならなればならないとおっしゃっていました。この問題について加藤大臣はどのようにお考えですか。

答)

森友学園の案件については、第三者による調査として、会計検査院による検査、さらには検察当局による捜査、そして結果、不起訴処分になっている。財務省としても、文書改ざん等一連の問題行為への説明責任を果たすために調査を行い、平成30年6月に調査結果を取りまとめ、関与した職員に対し処分を行っています。
財務省としては、できる限りの調査を尽くした結果をお示ししたものというように私も聞いておりますので、再調査を行うことは考えてはおりません。ただ、いずれにしても本件については、引き続き、真摯にでき得る限りの説明責任は果たしていきたいと考えています。

問)

大臣は過去、厚労相もお務めになられて、社会保障政策については造詣が深いことと思われます。予算の中では社会保障の占めるウェイトはかなり重いということもありますし、少子化対策等で歳出改革も求められております。
今後予算編成の中で社会保障についてどのように対応していくのか、お考えをお願いします。また、社会保障の中ですと薬価の中間年改定というのがございますが、これについてもどのように対応していくのか、お考えをお願いします。

答)

ご質問は社会保障という大変広い範囲でおっしゃられたのですけれども、少子化、高齢化等が進む中で、社会保障制度の持続可能性をしっかり確保していく、そして我が国の、私は世界に冠たる制度だと思っておりますが、これをしっかり次の世代につなげていく、これがすごく大事だと思っています。その基本的な立場は、別に財務大臣であろうと厚労大臣であろうと何ら変わるものではなく、そのために必要な努力をしていかなければならない、これは骨太方針などにもしっかり書かれておりますし、また昨年末に閣議決定された改革工程の中に示された、全世代型社会保障の構築に向けた改革項目、これらについても関係省庁ともよく連携、調整しながら、着実に取り組むことによって全世代型社会保障改革制度を築き、そして冒頭申し上げたすばらしい社会保障制度を持続可能なものとして次の世代にしっかりと渡していけるよう努力をしていきたいと考えています。  
それから薬価の話ですね。毎年薬価改定は市場実勢価格を適切に薬価に反映して国民負担を抑制するということで、4大臣合意に基づいて令和3年度から実施をしているところでございます。令和7年度の薬価改定についても、ご承知のように骨太方針の中で、イノベーションの推進、安定供給確保の必要性、物価上昇など、取り巻く環境の変化を踏まえ、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、その在り方について検討するとされているわけでありますから、これを踏まえて所管の厚生労働省と議論を深めていきたいと考えています。

問)

金融所得課税についてお伺いします。石破首相は総裁選を通して、この課税の強化について主張してこられました。また、株式市場ではこの政策への懸念も指摘されておりますが、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

総理は昨日の会見で、経済あっての財政との考え方に立ち、デフレ脱却最優先の経済財政運営を行う、それから貯蓄から投資へという流れが確実なものになるよう努力をする、また賃上げと投資が牽引する成長型経済を実現するということをおっしゃられたと思っております。
税制についても、そうした基本的な方針を踏まえて石破内閣においても議論がなされるものと承知をしておりますが、詳細に関してはもちろん党の税調があり、私もついこの間までメンバーでありましたが、そこで議論されるということになるわけでありますけれど、ただ、政権としての姿勢は昨日おっしゃられた、そこに凝縮されているというように思います。

問)

冒頭でも地域金融機関についてご発言がございましたが、改めて今地域金融機関が置かれております環境であったり役割について、大臣のご認識をお聞かせください。併せまして、今後金融当局として諸課題に対応していく中で、大臣ご自身、特に注視していきたいテーマ、ポイントなどございますでしょうか。

答)

まず地域の金融機関のお話に関してでありますが、ゼロゼロ融資の返済が今本格化をしております。また物価高騰、人手不足等の影響で厳しい状況に置かれている事業者もおられます。こうした状況のもとで、事業者に対して資金繰り支援にとどまらず、経営改善や事業再生支援、こういったことに取り組むことが重要だと思っております。こういった観点に立って、金融機関に対して事業者の実情に応じた支援を促していきたいというように思っておりますし、またこれから地方創生、地域の活性化を進めるにあたっても、地域の金融機関がその役割を、一番地域をよく知っているのは地域の金融機関、またそこで活動している事業や事業者の状況を知っておられるのも金融機関でありますから、そういった機関がまさにそうした地域のそれぞれの事業者を支援することによって、それが地域の活性化、こういったことにつながることを期待していきたい、また我々としてもそうした状況をつくっていきたいと考えております。

問)

金融当局として、今お話ございましたご認識の中で大臣ご自身が特に注視して見ていきたい課題であったり、テーマはございますでしょうか。

答)

もちろん地域金融行政というのもそうでありますし、それから冒頭申し上げた資産運用立国と投資大国を実現していくという中において、金融機関が担う役割というのも大変重要であります。そうした役割がしっかり担っていただけるように、我々としてもそれを支援していきたいと思っています。

問)

薬価の中間年改定について伺います。製薬業界などから創薬力や安定供給に影響を与えることから、廃止を求める声が上がっています。
今回、中間年改定を導入された菅氏が自民党の副総裁に就任されました。菅氏に配慮せず、例えば4大臣合意であったり、中間年改定の見直しの議論を実施することは可能なのでしょうか。お考えを教えてください。

答)

先程のご質問とほとんど一緒になって恐縮ですけれども、既にそれに対しては骨太方針の中で方向が示されているわけでありますから、それを踏まえてこれから厚労省と具体的な議論を深めていきたいと思っております。
別に誰がどうだからというのではなくて、既に決められた骨太方針、これをしっかり踏まえて対応していきたいと考えています。

問)

電気・ガスの補助について改めて確認させていただきたいのですが、10月の使用分で終わりになるというのは先程ご説明いただいたとおりだと思うのですが、一方で赤澤経済再生担当大臣が、国民が物価高で苦労するのは本位ではないので、できることは最大限やっていくといった趣旨の発言をされていました。
これを踏まえて、加藤大臣としては10月で終わりになるというお考えなのか、あるいは必ずしも延長の可能性を否定しないということなのか、改めてお伺いしてもよろしいでしょうか。

答)

電気・ガス料金についての考え方は先ほど申し上げたところでありますが、これまでの方針はそういうことであるということを申し上げました。ただし足元は先ほど申し上げたように、物価上昇がある中で、賃上げがそこに追いつかずに取り残されている方々に対する支援、先ほどのご質問の中の給付金というのはそれに当たるわけでありますけれども、そういったことも含めて、状況をしっかり見て、きめ細かく対応していくことが必要だと思っています。
ただ現時点で、具体的にどうということを申し上げる状況ではありませんが、基本的姿勢として、やはり今の状況は、賃上げが十分に行われていて、企業は中小企業も含めて収益が十分にあって、全てがうまく回っているというわけではなくて、回復の兆しが見えているのは事実でありますけれども、必ずしもそれが全部行き渡っているわけではありませんから、その状況はしっかり見ながらきめ細かい対応、それは赤澤大臣もおっしゃった姿勢と私は一緒だと思います。

問)

そうしますと、延長の可能性も否定せず、いろいろな支援の形を今後検討していくといった意味合いと受け取っていいのでしょうか。

答)

否定しないということは肯定するということですから、そこまで具体的に今議論を進めているわけではありませんけれど、今申し上げたように、国民の皆さん方の生活実態、あるいはそうした中で取り残されている方々がおられること、そうしたこともよく見ながら、そうした方々に必要な対策、これはしっかりとっていかなければならないと思っています。

問)

少し情緒的な質問になってしまうんですけれども、大蔵省出身ということで、今回財務大臣になり戻られてきたということで、朝の幹部への挨拶の中でも少し触れられていましたけれども、そのあたりの今のお気持ちを伺ってもよろしいでしょうか。

答)

午前中でしたか、職員の皆様方にも申し上げたところでありますけれども、私が入ったときは大蔵省でありまして、辞めたときも大蔵省、今回財務大臣になって初めてこのような形でそのメンバーの1人にさせていただいた、そうしたまさに新たな気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
お昼に久しぶりに3階の食堂に行かせていただいて、風景はあまり変わりませんでしたけれども、随分メニューも変わっていたし、値段もそれは当時と比べれば上がっているのは当たり前かもしれませんけれども、いろいろな状況を聞かせていただきました。
大事なことはやはりこの間、働き方改革を含めていろいろなことをしっかり進めていく、あるいは女性活躍等も含めて皆さんが活躍しやすい、活動しやすい、こうした環境をつくっていく、そしてそれぞれ皆さん方が誇りを持って働いていただける、これをつくるのが私の務めだと思っておりますので、そのような自覚のもとで大臣として仕事をしていきたいと思っています。

問)

駆け出しの頃に退官されて、30有余年経って、私たち民間企業で言えば、いきなり社長になって戻ってきたような感じかとは思いますけれども、ここに初登庁されたときに万雷の拍手で迎えられた率直なお気持ちを最後に聞かせていただけますでしょうか。

答)

私は昭和54年に入省しましたから、今から45年くらい前になります。その頃もこの役所の正門を入ったときに、大変な重圧感と、そしてこうした仕事ができるという希望を持ちながら入ってきた、そのことを改めて思い出しました。もちろんそれから40数年経っているわけでありますけれども、今期待されていることをしっかりと果たしていけるよう、微力ながら全力で取り組んでいきたいと思っています。どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

(以上)

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