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- 加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要(令和6年10月25日)
加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要
(令和6年10月25日(金曜)19時42分~19時49分)
【冒頭発言】
本日イタリア議長国のもとで第5回目となるG7の財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されました。その内容でありますけれども、今回ERAローン、AI、国際課税について議論がなされました。
まずERAローンに関しては、本日公表された財務大臣声明にあるとおり、その原則や技術的な事項について一致し、500億ドルの融資の実現に見通しが立ちました。日本も融資に参加する予定でありますが、各国の貢献額や合意された技術的な事項は議長国から近日中に公表されるとのことであります。ウクライナ支援の議論の一部にはウクライナのマルチェンコ財務大臣も対面で参加をされました。私からはERAローン実現に向けた取組のほか、日本が既にコミットしている世界銀行経由の追加支援について紹介し、今後もG7が結束し、ウクライナ支援継続に努めることの重要性を強調いたしました。
AIに関しては、リスクに適切に対応しつつ、AIが経済・社会にもたらす様々な便益を活用できるよう、政策対応を考えることの重要性を強調いたしました。またこの観点から、イタリア議長国のもとでAIに関する議論が進められることを歓迎し、専門家パネルによる作業に感謝を表明いたしました。
国際課税に関しては「2本の柱」の解決策のうち、「第1の柱」の多数国間条約の迅速な採択・署名に向け、G7として一致団結する必要性が議論されたところであります。
今回のG7の議論の成果は、財務大臣・中央銀行総裁の共同声明文及びERAローンに関する財務大臣の声明文として取りまとめられて公表されました。
また、G7のほか国際通貨金融委員会、いわゆるIMFC、また世銀・IMF合同開発委員会にも出席をいたしました。
最後にバイの面会ですが、昨日アメリカのイエレン長官と面会を実施し、本日はオーストラリアのチャーマーズ大臣、また世界銀行のバンガ総裁、イタリアのジョルジェッティ大臣との面会を行ったところであります。
【質疑応答】
- 問)
-
今アメリカの大統領選というのが皆さんの大きな注目だと思うのですが、どうなるかは分からないですが、今日のG7の議論の中で、その後の何か協力していこうなど、そういった話はあったのでしょうか。
- 答)
-
今日は先程申し上げましたERAローンとAIと国際課税についての議論だけです。
- 問)
-
そのERAローンの話について伺いたいのですが、金額は今日公表されないということですけれど、実行するタイミングは日本も含めて年内にやるということを目指すということでいいのかということと、先ほど話がありましたけれども、今後の実行に向けて、アメリカの大統領選の結果やEUの制裁の制度の問題などの課題が指摘されていますけれども、今回の合意でその辺がクリアできたのかどうか、今後どのように考えていらっしゃるかということを伺います。
- 答)
-
まず融資に関しては、ウクライナとの間で今後融資契約を結ぶことになりますから、それについてまた詳細はこれからということであります。また、ERAローンは、「ロシアは、自らが生じさせた損害に対して支払いを行わなければならない」という考えのもと、ロシアの国有資産の凍結によりEUにおいて発生する「特別な収益」を返済原資として、G7各国が融資を行う仕組みでありますから、このように返済原資をあらかじめ確保されているということで、今回の措置で新たに日本の国民に追加的な負担が生じるものではないと考えております。
その上で、G7はもとより欧州において、ロシアが侵略をやめ、ウクライナに与えた損害に対して支払いを行うまで、資産凍結が続けられるということが首脳レベルで確認が既にされているわけであります。また、欧州自身も融資を行うわけでありますから、欧州自身に、資産凍結をして融資の返済原資である「特別な収益」を確保する必要そのものがあると考えております。
- 問)
-
ERAローンに関してですけれども、これまで議論が続いてきて、ようやく合意に至ったというのと、首脳声明も今日は出ていますけれども、改めて今回ここに至ったということについての受け止めはいかがでしょうか。
- 答)
-
プーリアサミットの中での基本的な合意の中で、それに至るまで、そもそも凍結資産を使えるのか使えないのか等々の議論がずっとあり、プーリアサミットがあり、そして今回のこうした基本的な方向性が立ったということ、これは本当に関係国の、G7で言えばイタリアの議長をはじめ、それぞれ皆さんの努力のたまものでありますし、こうした形のものがこのタイミングで示せるということは、まさにG7が一致してウクライナを断固支援するという姿勢を示すという意味では大変有意義なものであると考えています。
(以上)