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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和6年11月8日(金曜)11時43分~11時57分)

【質疑応答】

問)

1点目ですけれども、アメリカ大統領選でトランプ前大統領が勝利しました。今後日本の経済、財政、家計に及ぶ影響について、財務大臣としてはどのように捉え、どのように対処していくべきとお考えでしょうか。
また、前回トランプ氏が大統領だった当時、加藤大臣は官房長官として内閣の要職に就いていたこともありますが、政治家としてのトランプ氏の印象について、どのような印象を持っていますか、これも併せて教えていただければと思います。
2点目ですけれども、6日に提出された会計検査院の2023年度決算検査報告についてです。この中で、2022年度補正予算についての指摘がなされており、補正で計上した34事業、計1兆4,000億円余りが全額使用されずに翌年度23年度へ繰り越されたとのことで、そのうちの多くは23年度でも使われずに不用になったり、再度24年度へ繰り越されたりしたとのことでした。
財政法上、補正予算は特に緊要となった経費の支出をする場合に作成することができるとされていますけれども、これと照らし合わせたときにどのように考えますでしょうか。
加えて、石破首相が衆院選の際、24年度の補正予算も13兆円超と予算規模ありきの考えを示していましたが、今もこの規模ありきの予算編成のスタンスに変更はありませんでしょうか。規模ありきのままだと22年度補正と同じ事態、つまり緊要でない経費の支出を多く盛り込むことを招くのではないかと懸念しますけれども、財務大臣としてはどのように考えていらっしゃいますか。

答)

米大統領選挙でトランプ候補が勝利をされたこと、お祝いをまず申し上げたいと思います。
その上で、アメリカは我が国最大の投資先でありますし、また主要な貿易相手国、そういったことを踏まえますと、貿易や金融市場といった様々なルートを通じて、日本経済あるいは財政等に及ぼしうる影響、これはしっかりと注視をしていく必要があると考えております。
昨日、石破総理がトランプ次期大統領と電話会談を行い、日米同盟を更により高い次元に引き上げていくという方針を相互で確認したと承知をしております。
日米相互の投資の拡大を含めた経済関係の強化、またインド太平洋地域の持続的かつ包摂的な経済成長の実現、さらには経済安全保障分野などにおける協力等、日米関係を一層強化していきたいと考えております。
トランプ氏との関係でありますけれども、私自身は官房長官というよりは拉致問題担当大臣として、当時トランプ大統領が拉致被害者のご家族とお会いをされたときに立ち会ったことが非常に印象的に残っております。というのは、大統領とお会いするときというのは、事務的にいろいろな段取りが決められているのですけれども、最初拉致被害者ご家族の皆様方がそれぞれの拉致されたご家族の写真を持ってずっと並んでおられて、その前を通り、座ったところから議論、話を始めるということだったのですが、歩きながら1人1人のご家族に、これはあなたの娘さんか、どうなのか、と一言ずつ声をかけていかれた。それによって、非常に何と言いますか、それぞれの方の心をつかんでおられたなという、そんな印象を強く持ったところであります。そういったことが今回の大統領選挙にどのように影響しているか分かりませんけれども、ある意味ではそういった意味でアメリカ国民の皆様の心をつかんでおられる、そういった部分がそこに表れていたのではないかなと私自身は思っているところであります。
 それから、2点目の会計検査院の決算検査報告についてでありますけれども、補正予算については、今ご指摘のあったように財政法上、予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった経費の支出に充てるために策定することが認められております。
ご指摘の令和4年度の補正予算については、予算編成時において、経済対策などに掲げられた施策を速やかに実行するため、特に緊要となった経費の支出について予算計上が行われたものであります。
その上で、検査院の検査報告にあるとおり、令和4年度の補正予算において計上した施策の中には、結果として繰越しや不用になったものがあるということはご指摘のとおりでありますが、例えば、新型コロナ対応のための施策については、感染状況、これは確たる見通しがなかなか持てないわけでありますから、その中で予算を計上したもの、これについて地方自治体や事業者等からの申請が感染状況などにも左右される中で、結果として翌年度に執行を繰り越したもの、また新型コロナ感染症の5類移行に伴い、結果として不用になったものというものがあると思っております。まさに予算を執行する中で、結果としてそのようになったものもあるということで承知をしています。
財政当局としては、これまでもあらゆる機会を捉え、各省庁に対して予算の厳正かつ効率的な執行を行うよう措置をしてきたところであり、今回の検査院の指摘も踏まえて、今後の予算編成等に当たってしっかりとそれを反映していく、また執行に当たってもそうしたことを念頭に対応していくことを求めていきたいと考えています。
 それから、補正予算の規模等のお話がありました。まさにこれまでも申し上げているように、真に必要となる事業を1つ1つ積み上げていくということ、また党派を超えて優れた方策を取り入れ、意義ある経済対策・補正予算にしていくことが大事だというように考えており、そういった姿勢に立って対応していきたいと思っています。

問)

このところ北朝鮮がミサイルの発射実験を繰り返したり、核実験に対しての準備を整え、もう準備が整ったというような報道もございます。
財務省として、この暴挙をこれ以上させないため、止めるために何か制裁の追加、あるいは何か新しい方策などを考えていらっしゃること等はございますでしょうか。

答)

財務省としてというよりは、政府としてということだと思います。
今そうした具体的な検討が進んでいるとは承知をしておりませんけれども、かかる事態に対しては、これまでも外務省を通じて北朝鮮に対して厳しく抗議をするとともに、国連の場等においても様々な対応がなされてきたというように承知をしております。引き続き、そうした対応が取られていくものと承知しています。

問)

野村證券に勤めていた社員が強盗殺人未遂と放火の疑いで逮捕されたことについて伺います。今回逮捕された事案については、容疑者が事前に夫婦に投資話を持ちかけて、多額の現金を準備させていた疑いもあるということなのですが、こうした証券会社の立場を利用した悪質な手口について、大臣としてどのようにお考えかという点と、今後金融庁として会社への対応方針があれば併せてお願いいたします。

答)

これは前回も申し上げたかもしれませんけれど、個々の事案について個別にコメントすることは避けさせていただいておりますが、6日に野村證券がご指摘の事案について会社としての対応を公表されたと承知をしております。その中には、個々具体的な対応策が書かれていたものと認識はしております。
こうしたものがこれからしっかりと実施をされていくということが重要だと思っておりますし、金融庁としてもそうした対応がとられていくこと、これをしっかり注視、確認していきたいと考えています。

問)

為替市場の動向についてお伺いします。アメリカの大統領選でトランプ氏が勝利したことをきっかけに、このところ円安ドル高がやや急ピッチで進みました。こういった状況について、大臣はどのようにご覧になっているのか、どのような姿勢で臨まれるのか、お考えをお伺いします。

答)

従前から申し上げていますように、為替市場の動向などについて具体的に言及することは、市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから、差し控えさせていただいているところでありますが、現状の動きを見ていると足元では一方的な、また急激な動きが見られるというように認識をしています。
その上で、為替相場はファンダメンタルズを反映し、安定的に推移することが重要であります。政府としては投機的な動向も含め、為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとってまいりたいと考えています。

問)

野村證券の件で1点確認なのですが、金融庁として野村証券の方に報告徴求命令はもう出されたということでよかったでしょうか。

答)

個々の事案に対してどのように対応するかについては、これまでも具体的なコメントはしていないと承知をしています。

問)

国民民主党の主張する所得減税の関連で、これから議論が本格化するかと思うのですけれども、政府としてはエビデンスベースでの政策推進が重要だということを主張されていると思うのですが、これを踏まえると、例えば今年実施した定額減税について、果たしてどのくらい経済浮揚の効果があったのか、また税収が増えたのか減ったのか、どういった影響があったのかということを検証した方が、今後所得減税の議論をする上でも、よりよい税制をつくることができるのではないかと個人的には思います。大臣、定額減税について効果を検証するというようなお考えはありますか。

答)

まず前者については自民党税制調査会等が対応していくことになりますので、そこでどういった議論が行われていくのか、引き続き政府としてはよく連携をとっていくということになると思います。
それから2つ目の定額減税等の効果について、これは定額減税だけではなく、様々な税制措置がどのような効果を表しているのか、これについては検証しながら、また次の税制改正につなげていく、これは当然のことだと思います。

(以上)

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