English新しいウィンドウで開きます

加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和6年11月15日(金曜)10時55分~11時07分)

【冒頭発言】

保険監督当局の国際機関であるIAIS(保険監督者国際機構)の執行委員会が、保険分野における初めての国際的な資本基準であるICS(インシュランス・キャピタル・スタンダード)を承認した旨、昨日公表がございました。
今般、IAIS執行委員会議長及び関係者のご尽力により、年末に開催予定のIAIS年次総会における採択に向けて大きく進展したことを歓迎したいと思います。
今後、これにより資本規制枠組みの収れんが進むことで、我が国の国際的に活動する保険会社にとっても公平な競争条件が確保できるほか、時価評価による保険会社の健全性のタイムリーな把握を通じた、契約者保護の強化や保険会社のリスク管理の高度化が期待されるところであります。
我が国としても、2025年度の円滑な導入に向けて、各国の状況も踏まえつつ、着実に準備を進めていきたいと考えております。

【質疑応答】

問)

まず1点目ですけれども、防衛増税についてです。防衛費拡大に伴う増税は、今税制調査会で議論しないといけない重要なテーマだと推測しますが、現在世の中の関心が、いわゆる103万円の壁、所得税減税という、そちらの方向に向かっていると思います。
このような流れがある中で議論することについて、その影響などについて財務大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
続けて2点目ですけれども、これは野党党首の女性スキャンダルに関連することです。プライベートな面はさておいて、スキャンダルについて「財務省がリークした」ですとか、「財務省が潰そうとしている」ですとか、そういったツイートがSNS上に溢れています。過去には財務省を批判する元財務省職員が窃盗容疑で書類送検されたケースでも、財務省にはめられたなどという投稿が見られます。
財務省とは異なる意見を主張している人が、何かスキャンダルや不祥事を起こすたびに、根拠が示されることもなく財務省が潰そうとしているという趣旨の言説がSNS上に湧いてくること、このことについて省全体で7万人余りの職員がいる組織のトップとしてはどのようにお考えでしょうか。

答)

まず第1点目でありますが、前も同じようなご質問を受けたような記憶がございますけれども、防衛財源確保のための税制措置と基礎控除の引上げは、それぞれ政策目的が異なるものだと思います。それに沿ってそれぞれにおいて議論されていく、これが大事だと考えております。
防衛力整備については、将来にわたって維持・強化を進めていく必要があり、これを支える財源は、税制措置をはじめ安定的なものであることが不可欠であるとの考え方でこれまで議論されてきたものであります。今後、これまでの税制改正大綱や所得税法等改正法の附則を踏まえ、与党の税制調査会などにおいて議論されるものと承知をしており、引き続き財務省としても緊密な連携を図っていきたいと考えております。
 2点目でありますけれども、今ご指摘のように根拠が示されない、いわばネット上の噂について、私の立場でコメントを申し上げる考えはございません。
その上で、どういった趣旨でご質問されたのか分かりませんけれども、やはり政策的な課題については、事実とデータに基づいた議論をしっかりしていくということが重要であるというように考えております。
財政や税制などについて様々なご意見を頂いているわけでありますが、こういったご意見を真摯に受け止めた上で、財務省の組織理念には、国の信用を守り、希望ある社会を次世代に引き継ぐ、という目標がございます。その実現に向けて、適切な経済・財政運営を財務省としても引き続き図っていけるように、私としても努力をしていきたいと考えています。

問)

今朝アメリカから為替報告書が公表されました。引き続き日本が監視リストに残っていることへの受け止めをまずお願いいたします。
その上で、足元では再び円安に振れている状況なのかなと思います。今の状況をどのようにご覧になっているのかということと、今後どのように対処されていくのか、この2点をお願いいたします。

答)

まず、監視リストに関しては、今手元に具体的な資料がないので分かりませんが、この間において問題がなかったということが前提になっているというように承知をしております。
その上で、引き続きリストに載っている。リストに載る場合には一定の条件、たしか3つの条件があったと認識をしていますが、それに該当するということによってなっているのだというように認識をしているところでありますが、我が国としては、引き続き適正な対応を図っていきたいというように考えております。
その上で為替についてのご質問がございました。為替市場の動向や為替介入について具体的な言及をすることは、市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから、これまでも差し控えさせていただいておりますが、足元では一方的な、また急激な動きも見られるところであります。
為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であり、政府として投機的な動向も含め為替市場の動向を極めて高い緊張感を持って注視するとともに、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとってまいりたいと考えています。

問)

本日朝、7-9月期のGDPが公表されました。個人消費が一定程度の伸びを見せる一方、輸出が減るなど、差し引きで若干のプラスになった状況なのですが、このGDPの結果に対する評価と、デフレ脱却担当大臣も兼ねておられると思うのですけれども、デフレ脱却に向けての今後の政策運営についてのお考えをお聞かせください。

答)

まず今朝公表された2024年7-9月期のGDP速報については、今お話があったように実質GDP成長率は、前期比プラス0.2%、年率で0.9%、前四半期に連続してのプラス成長となっています。
この期においては、物価高の影響を受けつつも、春闘における高水準の賃上げや夏のボーナスなどにより、雇用・所得環境が改善する中で、個人消費が2四半期連続のプラス成長となった一方、輸入の伸びが輸出の伸びを上回り、外需がマイナスの寄与となったことによって、全体として小幅なプラスになったと承知をしております。
今後について、雇用・所得環境が改善する中で、各種政策の効果もあって緩やかな回復が続くことが期待されているところでありますが、政府としては引き続き、国内外の経済動向をきめ細かく分析し、経済財政運営に万全を期していきたいと考えています。

問)

先日与党・政府側が示された経済対策の原案の中で、2030年までにAI・半導体産業分野について、10兆円規模の支援をする具体的な支援内容が示されました。もともと首相が10兆円という発言をされていましたけれども、中身の部分で言うと、特に財源の部分で、これまで行政事業レビュー等で指摘されてきた積み上がっている未使用金の国庫返納金であるとか、本来ほかに流用されるべきものがあったり、あと首相も赤字国債は発行しないとは言うものの、どのような形で、負担があるのかないのか、こういったところが今後説明をより求められるようになると思いますが、特に財源の部分について、今後どのように説明されていくお考えかというところをお聞かせください。

答)

AI・半導体分野の支援については、昨日与党にお示しをした経済対策の原案において、今後10年間で50兆円を超えるAI・半導体関連産業全体での国内投資を官民協調で実現するため、政府は2030年度までに、補助及び委託等で6兆円程度、出資や債務保証等といった金融支援で4兆円以上、全体として10兆円以上のAI・半導体分野の公的支援を、必要な財源を確保しながら行うとの案が盛り込まれているところであります。
総理からは、支援の原資については赤字国債を発行しないということが示されており、こうした方針のもと、補助・委託などについては、財政投融資特別会計からの繰入れ、既存の基金の活用や不断の見直し、政府保有株式の売却益の活用などによって、必要な財源を確保することとしています。
本件も含めて、経済対策についてはこれから与党においても様々な議論が行われるところであります。政党間での協議など、そうしたことも踏まえながら、引き続き策定に向けた作業を進めていきたいと考えています。

問)

内容についてはそのような発表のとおりだと思うのですけれども、財源の部分は財務省でスキームをつくられています。ただ、その中身についてはいろいろ課題と思われる部分もありますので、そのあたりは今後どのように説明されていくかということだと思うのですけれども、そのあたりいかがですか。

答)

今、申し上げた財源等について、たしか昨日配られた紙の中にも基本的な考え方は出ていたと承知をしておりますので、あとはそれを踏まえながら、これから全体としての作業はもちろん先程申し上げたようにありますけれども、そうしたこともしっかりと把握をしながら、踏まえながら、さらに具体的な作業は進めていきたいと思っています。
別紙AI・半導体産業基盤強化フレームの概要という紙の中に、今申し上げたような一定程度の説明が入っているというように承知はしています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る