加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(令和6年11月22日(金曜)17時31分~17時42分)

【冒頭発言】

本日、国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策が決定をされました。この対策を速やかに実施するため、裏付けとなる令和6年度補正予算の編成作業、これを鋭意進めてまいります。

【質疑応答】

問)

本日、閣議決定された総合経済対策に関連してお伺いします。経済対策には、野党が訴えた103万円の壁の引上げのほか、前政権から続いてきた電気・ガス料金補助、ガソリン補助なども盛り込まれたと思います。今回の経済対策の中で、現石破政権らしさや特徴がどの辺りに現れているとお考えか、大臣のご意見をお聞かせください。

答)

まず、今般の経済対策でありますが、日本経済のデフレからの脱却、そして賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行、これを確実なものにすることを目指して、三本柱で、日本経済・地方経済の成長力の強化、継続する物価高の中で、厳しい状況に置かれている方々を対象に当面の支援措置、さらには、自然災害への対応を含め、安心・安全の確保に万全を期すこと、このために必要な施策が盛り込まれたものであります。
今、お話がございましたが、石破政権として例えば、新しい地方経済・生活環境創生交付金の創設をはじめ、新たな地方創生政策の展開、これは地方創生2.0と称しております。また、防災庁の設置に向けた準備や避難所環境の整備を進めるなど、防災・減災・国土強靱化の推進といった政策が盛り込まれており、石破政権としての特徴がそうしたところに現れているというように考えています。

問)

今回の経済対策の規模についてお聞かせください。国の一般会計で言うと13.9兆円程度など、昨年度を上回る規模となっているかと思います。そして、コロナ禍前の水準と比べても、規模の大きな対策になっているかと思います。
骨太の方針では、歳出構造を平時に戻すというように明記されていると思いますが、今回の経済対策の規模について適切だとお考えでしょうか。また、財政規律の関係について、財務大臣のお考えをお聞かせください。

答)

まず今回の経済対策は、石破政権が掲げるコストカット型経済からの脱却、高付加価値創出型経済への移行、これを確実にすることを目指したものであります。
最重要課題として、先程申し上げましたが、全ての世代の現在及び将来にわたる賃金・所得を増やすため、日本経済・地方経済の成長力の強化、誰一人取り残されない形で成長型経済へ移行することに道筋をつけるため、継続する物価高の中、厳しい状況に置かれている方々を対象とした当面の支援措置、そして成長型経済への移行の前提として、自然災害への対応を含め、安心・安全の確保に万全を期す、こうした柱の中で必要な施策を盛り込んだ結果、事業規模が今お話のあった39兆円、また国の一般会計の追加額は13.9兆円ということになったところであります。
 財政云々という話でありますけれども、もともと経済あっての財政ということでありまして、経済再生をしっかりとした軌道に乗せていく中において財政の健全化を図っていく、そういった基本的な考え方に立って、こうした今回の補正予算をこれから具体的に編成していくということになると思います。

問)

本日、閣僚の資産公開がありました。これについて2つお伺いします。1つは、ご自身の資産に対する評価ですとかご所感についてお聞かせください。もう一つは、資産公開制度そのものに対する考え方、これについてもお聞かせください。

答)

私自身の資産について特段申し上げることはありませんけれども、閣僚の資産公開制度、この背景には行政を司っている長である閣僚に対する国民の信頼を確保していく、ここに理由といいますか、そうしたことを担保するための制度だというように考えておりますので、そうした制度がしっかりと運営されていくことが大事だというように思っています。

問)

経済対策の話ですけれども、大臣が常々おっしゃっています経済あっての財政ということについて、後段については財政ということですが、今回の対策に財政健全化の考え方、もしくは理念のようなものは十分反映されたとお考えでしょうか。

答)

先程とおそらく同じ答えになってしまうと思いますけれども、まずどういった形で今回の経済対策が策定されてきたのか、そうしたプロセスの中で、必要な政策を盛り込むと同時に、財政健全化という観点から立っても、必要な予算をしっかりと精査して盛り込んでいく、こうした観点に立ってこれから最終的な編成に入るわけでありますけれども、よく議論していきたいというように思っています。

問)

25年度のプライマリーバランスの黒字化目標の達成見込みの姿が示されておりましたが、今回、経済対策を閣議決定したわけですけれども、この達成見込みの姿は変わっていないという認識でしょうか。

答)

25年度のプライマリーバランスについては、7月に内閣府が公表した試算のことをおっしゃっているのだろうと思います。その試算は、今般の経済対策で取られる施策、またその執行時期が今年度中か来年度にまたがるのか、それから来年度予算編成における歳出改革の取組や税収動向、そうしたものによって最終的には決まってくると考えていますので、今の段階で2025年度のプライマリーバランスの見通しについて申し上げる状況にはないということであります。
ただ、いずれにしても、財政健全化については、これまでもその旗を下ろさず取り組むこと、また財政健全化の取組を後戻りさせないこと、こうしたことが骨太方針の中にも盛り込まれているわけでありますし、もちろん同時に、現行の目標年度を含めた財政健全化により、状況に応じたマクロ経済政策の選択肢が歪められてはならないということも併せて書かれておりますので、こうした骨太方針も踏まえて、来年度の予算編成においても取り組んでいきたいというように考えています。

問)

アメリカによるロシアへの追加制裁についてお伺いします。アメリカの財務省は、ロシアのガスプロムバンクなど複数の金融機関を新たに制裁対象に加えると発表しました。エネルギー取引で主要な役割を担っており、いまだLNGの一定割合をロシアから購入している欧州各国は影響を受ける可能性があります。
一方で、日本企業が関わっている石油・天然ガス開発事業の「サハリン2」の資金決済については例外と明記されましたが、大臣の受け止めをお聞かせください。

答)

今般米国が発表した、ガスプロムバンクを含むロシア銀行に対する制裁についてということでありますが、この制裁については、サハリン2プロジェクトやサハリン・エナジー社に関するガスプロムバンク経由の取引は適用除外とされており、サハリン2プロジェクトに影響が生じるものではないと認識をしています。
このサハリン2のプロジェクトは、日本のエネルギー安全保障上も大変重要なものであり、日本への供給量の安定的な確保に支障をきたさないよう、政府全体として万全を期していきたいというように考えています。

問)

経済対策の話に戻って恐縮なんですけれども、今回の経済対策の取りまとめにあたっては、かなり早い段階から総理が昨年の補正の規模を超えるといった発言をされていたと思います。こうしたことが規模ありきの議論だったのではないかというような指摘の要因にもなっているかと思うのですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

確かに総理からそのような話があったことは、そのとおりでありますけれども、しかし同時に中身をよく精査していく、特に各党からもいろいろなお話を聞かせていただきながら、それを一つ一つ盛り込んでいく、まさにそうした政策の積み重ね、そして先程ご説明いたしましたけれども、対策全体としての柱立て、こうしたことを踏まえながら最終的な規模感というのは、既に発表されたところでありますし、それを踏まえてこれから個々の予算、補正予算について編成を進めていきたいというように考えています。

(以上)

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