加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣初閣議後記者会見の概要
(令和7年1月7日(火曜)10時57分~11時04分)
【冒頭発言】
明けましておめでとうございます。本年もひとつよろしくお願い申し上げます。
まずは冒頭、ベトナム・カンボジア訪問について申し上げます。今朝の閣議において、本日から11日にかけて政府要人との面会などを行うため、ベトナム及びカンボジアに出張することについてご了解をいただきました。
今回の訪問では、ベトナムにおいてファム・ミン・チン首相を表敬するとともに、グエン・ヴァン・タン財政大臣と会談を行うとともに、カンボジアにおいてはフン・マネット首相を表敬するとともに、オーン・ポンモニラット副首相兼経済財政大臣などと会談を行う予定としております。
日本とベトナム及びカンボジアは、ASEAN+3の枠組みにおいて、域内金融協力を共同して推進するとともに、二国間関係においても、それぞれ包括的戦略的パートナーシップを締結する重要なパートナー国であります。またカンボジアについては、2023年に外交関係樹立70周年を迎え、昨年1月に鈴木前財務大臣が訪問する予定となっておりましたが、能登地震の対応で訪問をキャンセルしたという経緯もあり、今回改めて訪問するという位置づけでもあります。
今回の訪問では、二国間及び多国間の経済・金融協力などに関する率直な意見交換を通じて、両国との協力関係を一層発展させていきたいというように思っております。
【質疑応答】
- 問)
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デフレ脱却についてお尋ねします。
昨日大臣は大発会の式典で、デフレ脱却を確かなものにし、成長型経済への移行を確実なものとしていきたいというように挨拶されました。足元では消費者物価指数が2%を超える水準が続いていますが、原材料価格の高騰などコストプッシュ的に物価が上昇している側面もありますが、デフレ脱却に向けて今日本経済はどのような位置にあるとお考えでしょうか。
また、2025年中にデフレ脱却を宣言できる可能性はあるのでしょうか。そしてその際、宣言に必要な条件について、大臣としてどのようにお考えでしょうか。 - 答)
-
まず足元の消費者物価は上昇しており、現在日本経済はデフレの状況ではないとこれまでも申し上げてきたところでございます。
一方で、賃金上昇、企業の価格転嫁の動向、物価上昇の広がりなど、物価の基調や背景にかかわる経済状況を幅広い角度から総合的に勘案すると、現時点では再びデフレに戻る見込みがないと言える状態には至っていないという認識もお示しさせていただきました。
昨日も申し上げましたけれども、足元の日本経済はGDP、設備投資、それから賃上げ状況、去年の数字を見ても前向きな動きが見られる、これをしっかりした足取りにしていきたいということを申し上げました。
政府としては、このチャンスを逃すことなく、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものとし、再びデフレに戻る見込みがないと言える状態にしていくため、11月にまとめました経済対策、そして昨年末成立をしていだたいた補正予算、これを迅速かつ着実に執行・実行していくとともに、令和7年度予算の国会提出、そして成立、そして執行、こうしたことをしっかりとはかっていきたいと考えております。
いつかと言われても、なかなか予測することは難しいと思いますが、デフレ脱却の判断については、これまでも申し上げておりますが、消費者物価だけではなくGDPデフレーター、GDPギャップ、ユニット・レーバー・コストといった指標に加えて、賃金上昇や企業の価格転嫁の動向、物価上昇の広がり、予想物価上昇率など、幅広い角度から総合的に経済物価動向、これを判断していきたいというように考えておりますので、引き続きそうした動向もしっかり丁寧に見ながら、冒頭申し上げた1つ1つの施策をしっかり政府として進めていきたいというように考えています。
- 問)
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為替についてお尋ねします。足元で1ドル158円台前半と昨年7月以来の円安水準をつけていますけれども、改めて現状認識について教えてください。
- 答)
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従前のお答えと同じになりますけれども、そもそも為替動向、市場の動向については言及を差し控えさせていただいておりますが、ただ足元では一方的な、急激な動向も見られるわけでありますし、年末の水準も今ご指摘のような水準になっております。
為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要だと考えております。政府としては、投機的な動向も含め、為替市場の動向を憂慮しており、行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとってまいりたいと、このような考えで引き続き対応していきたいと考えています。
- 問)
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カナダのトルドー首相の辞任に対する受け止めがあれば、まずお願いします。それと、カナダはG7の議長国ということですが、今後の国際的な議論に影響が出ないか、もし懸念があれば、そちらも併せてお願いいたします。
- 答)
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カナダに関しては、実は私がワシントンにG7・G20で訪問したときのメンバーが、フリーランド副首相兼財務大臣で、その後辞任されたという話を聞きました。その後どのような状況がカナダ政府の中であったかを私は承知しておりませんが、いずれにしましても我が国と同様、カナダもG7メンバーの一国でありますし、今お話にあったように今年はG7のサミットの議長国ということでもあります。これからいろいろな意味で難しい、国際的にも経済・金融の対応が難しい状況だと思いますし、引き続きよく連携をとっていけるよう努力をしていきたいというように思います。
(以上)