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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和7年5月5日(月曜)17時32分~17時44分)

【冒頭発言】

本日は日・太平洋島嶼国財務大臣会議を共同議長として開催したほか、ADB年次総会のオープニングセッション及びビジネスセッションに出席をいたしました。
それぞれ会議の概要でありますが、まず日・太平洋島嶼国財務大臣会議であります。昨年初めて開催した会議ですが、本年も開催し、12か国の参加を得ました。私がトンガのアイサケ・エケ首相兼財務大臣とともに共同議長を務めたところであります。
同会議においては、コルレス銀行関係の維持、災害リスクファイナンスの推進、国内資金動員の強化の3つの開発課題を中心に、各国のこれまでの取組及び今後の協力方針について、率直な意見交換が行われました。こうした意見交換の意義に鑑み、今後同会議をADB総会の機会に毎年定期的に実施することを各国間で合意したところであります。この点を含めて会議の成果は共同議長総括という形で取りまとめ、公表いたしております。
また、ADB総会でありますが、欧州でのADB総会開催は2016年のフランクフルト総会以来9年ぶりであります。神田新総裁とともに、アジア・太平洋地域に関する諸課題について、特に欧州諸国の参加も得て議論を行う良い機会となったと考えております。
また、今回の総会では、2027年の第60回総会について日本が推薦をいたしました、愛知・名古屋での開催が正式に決定されたところであります。
バイ面談でありますけれども、本日は総会の主催国であるイタリアのジョルジェッティ経済財政大臣、インドのシタラマン財務大臣、マレーシアのアミール第二財務大臣とバイの面会を行ったところであります。

【質疑応答】

問)

今回、先程大臣もおっしゃいましたけれども、欧州での開催が9年ぶりということで、いろいろ会議でも不確実性が高まっているとの発言が、神田総裁を中心にありましたけれども、こうやって今の経済情勢の中でアジア開発銀行の総会を欧州で開いた意義をどのように感じていらっしゃるかという点と、あと、いろいろとバイでも面会されたと思いますけれども、全体として皆さん、今の経済情勢についてどのような捉え方をされているのか、印象みたいなものがあれば教えてください。

答)

今アメリカの関税措置をはじめとして国際情勢が大きく変化する中で、自由で開かれた多国間貿易体制のもとで開発アジェンダを推進する重要性が高まっています。
今回のADB総会では、日本がADBとともに多国間主義に協力していく決意を示し、プレゼンスを高める良い機会となったところでありますし、先程も申し上げましたけれども、ヨーロッパで開催されたということでありますから、ヨーロッパ各国からも参加いただいておりますので、そういったアジアの動きというものをヨーロッパの国々にとっても直接受け取っていただける良い機会になったというように思っております。
それと今回、先程申し上げた米国における関税措置、またロシアのウクライナに対する侵略をはじめとした地政学的課題の中で、不確実性が高まってきている、またそれぞれの地域の経済、産業などに影響が出てきている、そういった中で逆にそうした環境の中だからこそ、ASEANについては潜在的な成長力も高いし、この間、私も申し上げましたけれども、成長を着実に進めてきている、こうした流れがさらに今回の総会を通じて、より一層確かな歩みにしていけるということを強く期待をするところであります。

問)

演説の内容についてお伺いしたいのですけれども、現状認識の部分でアジア経済について、停滞の部分の指摘と、あと民間投資の重要性を訴えられたと思うのですが、それぞれこの点を触れられた狙いといいますか、どういったところにあったのでしょうか。

答)

現下の情勢、これはこの間のワシントンでも同じような議論がありましたけれども、不確実性が高まる中で、これをどう乗り越えていくのか。そういった意味で日本としては自由で開かれた多国的な貿易関係、これを非常に重視している。そういった意味からも今回のASEAN+3をはじめ、こうした中での議論、これは非常にプラスになっているというように思っております。それからもう一つは。

問)

民間投資の重要性に触れられたと思うのですけれども、まさに関税など不確実性が高まる中でアジア経済を強くする方法として重要だとお考えになっているということなのでしょうか。

答)

戦略2030というものがありまして、その中間見直しが2024年に行われました。
その中では、今後取組を加速させる重点戦略分野として、気候変動対策、民間部門支援、地域協力・地域統合、デジタル化、強靱化・エンパワメントの5分野が設定されているところでございます。
それぞれの分野の取組が大事ではありますが、特に2番目の民間部門をしっかり支援をしていく、そして民間部門の力をしっかり発揮していただく、そのための環境を整えていく必要性、これを強く主張したところであります。

問)

中でも日本が先駆けて投資を表明した、この狙いについてはアジア経済、各国の中で存在をいかに示すかということか。

答)

今回、おっしゃるようにADBに設立された新たな信託基金、AMAPに2,000万ドルの貢献を行うことを表明させていただきました。こうした取組を我が国が先駆けることによって、さらに多くのドナーにこれに参加をしていただく流れを作っていく。そして、特に投資環境整備、あるいは民間企業への働きかけ、こういったものがAMAPを通じて重点的に行われていく。こうしたことをさらに推進していきたいというように考えております。

問)

日本と太平洋諸国の財務相会合でお伺いしたいのですけれども、コルレス銀行の議論やお話が今日出たかと思います。日本に対して太平洋諸国からどういった期待の声が寄せられたのでしょうか。

答)

先程中身としては3つの課題について議論をさせていただきました。コルレス銀行関係の維持、災害リスクファイナンスの推進、国内資金動員の強化ということであります。この間、前回やらせていただきましたので1年たちました。その間の取組についてお話をいただきました。
特にコルレス銀行については、各国それぞれ事情が違いますけれども、経済の鉱脈として非常に大事な機能であり、これをどれだけ維持していくのか、そういった面で、これまでも日本は技術的な支援も行ってまいりましたけれども、引き続きそうした支援に対する期待ということが強く主張されたところであります。
また、災害リスクについても、特に気候変動の中で様々な災害が生じてきている、それへの対応。
また、国内資金動員については、少し分かりにくい言葉でありますけれども、各国において、特に例えば関税収入というのは高い税収項目になっています。そういった中で、関税等々の制度的な対応と、それから運用面の対応、こういったもの対する支援、期待もなされたところでありますし、それぞれの国々間の対話について、ぜひこういった対話は非常に有意義なので、また来年もやりましょうというご要望をいただいた。それが結果として定期的に開催しましょうという合意につながったというところであります。

問)

先程の民間投資の部分、狙いの部分で、先駆けて投資という部分で言うと、先陣を切ってやりたい、アジアの中で日本がこの点においてリードしていきたい、プレゼンスを高めていきたいなど、そういった狙いというのはあるのでしょうか。

答)

先程言ったAMAPに関しては、これは信託基金ということで、まず日本が先駆けて拠出を行い、ほかの国もその後に続いていただくことで、基盤がより強化されていく。それによって、先程申し上げました投資環境の整備等々の支援がこの基金を通じてしっかり進められていく。こうしたことが、今ここまでアジアが成長して、これからさらにステップアップしていくための一つの後押しになる。こうした取組を日本が先導することの意義が非常に大きいかと思いますし、今回の流れの中で、やはりASEANの中の域内経済をより強化していくこと、そしてそれと我が国が連携していく、このことが非常に大事だというように思います。

(以上)

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