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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣ぶら下がり記者会見の概要

(令和7年5月21日(水曜)17時21分~17時32分)

【冒頭発言】

先程行われました、G7財務大臣・中央銀行総裁会議の初日の議論、及び各国とのバイ面会の概要についてご報告をさせていただきます。
まず、G7では本日、世界経済、経済安全保障、成長政策、ウクライナ、開発課題について議論を行いました。
世界経済のセッションでは、私の方から、米国による一連の関税措置がもたらす不確実性を減らしていく必要があり、日本としては、関税措置の早期見直しに向け、米国との協議を継続していくこと、貿易収支の不均衡の背景には、持続不可能な各国のマクロ経済の不均衡があり、こうした問題には、関税措置ではなく、各国がそれぞれ内需拡大や財政赤字の削減などにより対処していく必要があること、などを指摘いたしました。
次に、経済安全保障のセッションでは、過剰生産能力の存在と、その構築につながる不公正・不透明な産業政策を特定していく方法について議論をいたしました。また、少額貨物の国際輸送がもたらす課題について、意見交換を行いました。
成長政策については、各国がそれぞれの取組を紹介する中で、私から、我が国の「三位一体の労働市場改革」の取組や、官民を挙げたデジタル化等の取組を紹介いたしました。
ウクライナ支援については、マルチェンコ財務大臣の参加を得て議論が行われ、私からは、日本のERAローンの取組を紹介するとともに、ウクライナの復興に際しては、ロシアに加担した国の企業が関連の事業を担うことは避けるべき旨を主張いたしました。
開発課題については、2年前の日本議長の下で開始したRISEの対象地域や活動範囲の更なる拡充や、債務問題などを議論したところであります。
次に、各国とのバイ面会ですが、本日は、米国のベッセント財務長官、ドイツのクリングバイル大臣との間でバイ面会を行いました。
ベッセント長官とは、本日10時40分から約30分間、4月のワシントンD.C.における前回会談に続いて議論を行いました。
冒頭、私からは、米国による一連の関税措置がもたらす不確実性が、経済や金融・資本市場に与える影響を懸念している旨を、また、貿易収支の不均衡の背景にあるマクロ経済の不均衡を是正していく上で、関税措置は必ずしも適切な手段ではない旨を発言いたしました。
更に、日本として、米国による一連の関税措置は極めて遺憾であり、日米貿易協定との整合性に深刻な懸念があると考えていると述べ、一連の関税措置の見直しを強く申し入れたところであります。
その上で、為替については、為替レートは市場において決定されるべきこと、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対し、悪影響を与えることなどについての認識を改めて再確認いたしました。
更に、現在進行中の日米の貿易協議に関連して、これまでの為替に関する共通認識の上に、為替政策の基本的考え方について議論を更に深めることができました。
なお、前回同様、為替の水準についての議論は行っておりません。ベッセント財務長官とは、引き続き二国間の諸問題について、緊密かつ建設的に協議をすることで一致をしました。

【質疑応答】

問)

USトレジャリーの方のステートメントで、現在の為替レートはファンダメンタルズを反映しているとの文言があったと思うのですけれども、こちらはどういう背景で入ったのでしょうか。

答)

まず先方の発表について、我々としてはコメントする立場ではありませんけれども、少なくとも会談においては先程申し上げましたように、為替の水準については全く議論をしていないということ、また、為替相場については先程申し上げたように、市場において決定されるべきこと、この認識を再確認したところであります。
なお、為替相場そのものについては、これまでも申し上げておりますように、具体的にコメントすることが市場に不測の影響を及ぼすおそれがあることから、差し控えさせていただいているところであります。

問)

日米のバイ交渉について2点伺いたいと思います。
先程お話が出ましたけれども、アメリカの発表で世界の安全保障や関税保障をめぐる日米交渉について協議したという内容がありまして、もう少し具体的に何かありましたらお願いします。
続いて為替の方の交渉なのですけれども、今回も市場で決定されることなどの原理原則などを確認されたと思うのですけれども、今後も為替の協議は続けていかれるのか、それとも今回の2回目の交渉で、ある程度まとまりがついたのか、今後の見通しについてもお願いします。

答)

まず、先程申し上げましたアメリカの発表について、我々コメントする立場ではありませんけれども、もちろん日米交渉等については、先程申し上げましたように我々の考え方を申し上げたわけでありますから、そうした議論をさせていただいた。また、それが世界経済等に及ぼす懸念を、我々としては申し上げさせていただいたということはあると思います。
その上で、今後でありますけれども、先程申し上げたようにこの考え方については、これまで確認したことを前提とした上で議論を深める、あるいは認識を深めることができたというようには考えております。今後について今、更に断定的なことを申し上げるというのは差し控えたいというように思います。

問)

バイ会談のことで2点お伺いをしたいのですけれども、米国債の格下げもありましたけれども、そういった米国債についての話題というのは出たのでしょうかというのが1点目です。2点目が、これまでの会談の中で、もともと関税交渉の中に為替の話というのが米国側から持ち込まれたわけですけれども、加藤大臣ご自身の中で米国の為替についての問題意識というのはどういったところにあるというように感じていらっしゃるのでしょうか。

答)

まず米国債の話でありますけれども、直接米国債云々という話は出ていないということでございます。
それから米国の為替は、もともとこの場というよりもアメリカ側、特にトランプ大統領が為替については言及をされていたところでありますが、この場においては、そもそも為替水準について、あるいはその管理について全く言及はないということと、先程申し上げましたけれども、これまでの為替に関する考え方、それを前回も今回も改めて確認し、その確認の上で為替の考え方について更に深い議論を互いに深め合ったということで、それ以上のものでも全くないということであります。

問)

今回ベッセント財務長官との会談で、日本銀行の金融政策についての議論はあったのかどうかというのがまず1点と、あと今回G7のコミュニケというのが出そうなのかどうなのかというところ、大臣のご見解をお願いします。

答)

まず金融政策については、まさに日銀の専管事項でありますから、それをお互い前提としているということであります。
それからコミュニケの話ですが、G7の声明に関しては、今日は初日で、また明日も会合がございますから、いずれにしても一連の会議を踏まえた上でコミュニケというものは作られていくわけなので、まだ今の段階でそれについて言及するというのは時期尚早ではないかなというように思います。

問)

今回のバイ会談は、日本側から米国の関税措置への懸念表明と為替に関してで、日米関税交渉自体はされていないということでよろしいのでしょうか。

答)

もちろん日米の関税交渉そのものは、赤澤大臣と別途ベッセント長官ほか米国側で行われるということでありますし、そもそも前回申し上げましたけれども、広い意味では一連ということなのかもしれませんが、為替に関しては、そもそも石破総理とトランプ大統領の間においても、専門性を有する財務長官と財務大臣の間で議論するという仕切りのもとで、前回、今回も議論させていただいているという認識です。

(以上)

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