加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和7年5月27日(火曜)9時35分~9時43分)
【冒頭発言】
2点申し上げさせていただきます。
1つは本日、米国関税措置を受けた緊急対応パッケージの一環として、総額3,881億円の予備費の使用を閣議決定いたしました。
具体的には、暑くなる夏への対応として、7月から9月の電気・ガス価格の料金支援を行うために2,881億円、地域の実情に応じて、特別高圧やLPガスを使用する中小企業や病院なども支援できるよう、重点支援地方交付金の積み増しのために1,000億円の使用決定を行いました。
政府としては、今回措置した予備費措置を含め、パッケージの施策を着実に遂行することで、必要な支援に万全を期してまいります。
2点目でありますが、本日の閣議において、令和6年末の対外資産負債残高などについて報告を行いました。
令和6年末の対外純資産は、前年末に比べ61兆円増加し、533兆円となっております。ドイツに続き世界第2位であります。
【質疑応答】
- 問)
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今の対外純資産額についてですけれども、過去最高を更新した一方で、ドイツに抜かれて34年ぶりに世界1位ではなくなりました。これについての受け止めをお願いします。
- 答)
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先程申し上げましたように、令和6年末の対外純資産については、ドイツが貿易収支黒字を背景として近年多額の経常収支黒字を計上しておられ、世界第1位となりました。他方で、日本の純資産も前年から61兆円の増加であります。
対外純資産は、経常収支のほか、為替変動、証券投資や直接投資といった金融資産・負債の価格変動を含め、様々な要因の累積であり、例えば海外投資家が保有する日本国内の証券、あるいは株式の価格上昇は、対外純資産の減少となるところであります。
日本の対外純資産も着実に増えていることも踏まえますと、順位のみをもって日本の立ち位置等が大きく変わったと捉えるようなものではないというように受け止めております。
- 問)
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今週28日に40年国債の入札が行われます。最近債券市場では、超長期を中心に金利が上がっています。国債の安定消化、あるいは将来の未払いの増加による財政余力の圧迫などに対する懸念もありますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
- 答)
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国債金利は、様々な要因を背景に市場において決まるものと考えており、その動向等について政府として逐一コメントするのは差し控えておりますが、市場関係者の見方について申し上げると、足元、超長期金利が他の年限に比べ大きく上昇する動きについて、その背景には現下の金融環境における投資家の動向、また我が国の財政を取り巻く状況などを反映しているのではないかという見方があるものと承知をしております。
足元の金利上昇により国債の安定消化に支障が生じているわけではございません。ただし、我が国は大変厳しい財政事情でもあります。我が国において金利が上昇し利払い費が増加すると、政策費の経費を圧迫するなどのおそれがあるところであります。
引き続き、国債に対する市場の信認を維持すべく、適切な財政運営に努めるとともに、超長期債市場を含めた市場の動向をよく注視し、市場参加者や投資家と丁寧な対話を行いながら、適切な国債管理政策に努めてまいります。
- 問)
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森友文書の件で1点伺いたいと思います。赤木さんへの開示文書で欠落した資料と見られるものの一部が、別のNPO法人の情報開示請求に対する開示文書に含まれているという指摘がありました。
NPO法人が指摘しているのですけれども、この指摘ということの事実関係といいますか、これが事実かどうかということと、もし事実であればなぜそういうことが起こってしまったのかということを教えてください。 - 答)
-
個別の開示請求への対応については、これまでもお答えしてはいないわけですが、森友学園事案に関するご遺族からの開示請求については、4月に開示した文書、これはあくまでも検察に任意提出した文書を出してほしいということで、お出しさせていただいたということであります。
現在、開示の作業を進めている段階であり、今後について何が含まれているかということについて、現時点で申し上げる状況にはないということでございます。
- 問)
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開示請求するときの文言の書きぶりが違うということなのでしょうか。赤木さんの開示請求の書き方は、検察に任意提出したものであって、NPO法人の方は違う文言で書いているから、そういった食い違いが生じるのでしょうか。
- 答)
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NPO法人についてコメントは差し控えますけれども、赤木さんからいただいている文書自体、これは、裁判の結果で我々が最終的に裁判結果を受諾して現在開示作業を努めておりますが、これは赤木さんの方から検察に提出した文書を出してほしいということで出させていただいているということであります。
それについて現状、逐次出しておりますから、まだ現在第1回を出させていただいて、先般欠落文書にかかるところの経緯の分は別途説明してほしいとお話がありましたから、それについて出しておりますが、第2弾については6月上旬を目途に現在作業を進めているところでございます。
- 問)
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フィナンシャル・タイムズの報道で、ソフトバンクグループの孫正義会長は、日米による政府系ファンドを創設するという構想を提唱しているという報道がありました。この構想によると、ファンドを運営するのは日米の財務省ということなのですけれども、事実関係を教えていただけますでしょうか。
- 答)
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報道は承知をしておりますけれども、具体的な内容は全く承知しておりません。
- 問)
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それは大臣の耳には、事実関係として入っていないということなのでしょうか。
- 答)
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少なくとも、私ども財務省としては全く承知しておりません。
(以上)