加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和7年5月30日(金曜)8時35分~8時39分)
【質疑応答】
- 問)
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いわき信用組合の件でお伺いします。昨日、金融庁が業務改善命令を出されました。長年にわたる不正融資や隠蔽体質が明らかになっていますが、大臣はこのいわき信組の悪質性についてどのようにお考えかお聞かせください。
関連して、大臣は先日、新しい資本主義実現会議の中で、地域金融力強化プランを年内に策定する方針を示されましたが、いわき信組に限らず最近地域金融機関の不祥事が相次いでいますけれども、政府のこうした方針に対して影響する可能性についてどうお考えか、併せてお願いします。 - 答)
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まず、いわき信用組合では、長期にわたり名義人に無断で開設した預金口座を介した業況不芳の大口与信先への迂回融資とその隠蔽が行われていたこと、元職員による横領事件が発生した事実の隠蔽が行われていたこと、これらの行為が経営陣の主導で行われていたことなどが確認され、経営管理態勢・法令等遵守態勢等に重大な問題が認められたことから、昨日29日、同組合に対し、協同組合による金融事業に関する法律に基づく業務改善命令を発出いたしました。
経営陣による迂回融資が行われた上に、長期間にわたり隠蔽が図られていたこと自体、大変遺憾でありますが、東日本大震災の被災地域の復興に貢献するために国からの資本参加を受けながら、それを奇貨として架空融資の償却を行っていたことは極めて遺憾であり、金融庁としても、非常に重く受け止めております。
今回の業務改善命令は、経営責任の明確化を含めて組合の経営体制の抜本的な見直しを求めており、当該命令に基づき、同組合の業務改善を強く指導するとともに、改善に向けた取組を厳しく確認、また検証していきたいと考えております。
地域金融力強化プランに関してでありますが、地域金融機関等が地域経済に貢献する力、いわゆる地域金融力の更なる発揮を期待されるという状況には変わりはないと考えております。引き続き、当該プランの策定に向けた取組を進めていく必要があります。
当該プランには、地域金融機関が地域経済の活性化のために求められる役割を十分に発揮できるための環境整備として、資本参加制度の見直しを含んでおり、内容の検討に当たっては、国の資本参加が資本参加先の地域金融機関の地域金融力向上に確実につながるよう、今回のいわき信組の不正融資事案も踏まえて、対象地域金融機関の適切な経営管理と業務運営をいかに確保していくかについても、しっかりと検討する必要があると考えております。
(以上)