加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要
(令和7年6月20日(金曜)9時35分~9時41分)
【質疑応答】
- 問)
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今日予定されている国債市場特別参加者会合についてお伺いします。最近は国債の入札が低調に終わることも多いのですけれども、大臣は民間金融機関の国債の需要動向について、どのようにご覧になっていますか。
それから、市場では政府が年限によって国債の発行を見直したり、国債の買取り償却をするとの見方も出ていますが、今日の意見交換を踏まえて、政策にどう反映させていきたいかお聞かせください。 - 答)
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まず国債については、安定的な発行に支障が生じているわけではないという認識は、従前から申し上げているとおりでございます。
その上で、国債の入札結果、また各市場参加者がそれぞれどのような相場勘に基づいているのか等々については、政府から逐一コメントは差し控えさせていただいておりますが、4月以降、超長期の国債について、他の年限に比して大きく金利上昇する動きが見られてきているところでありまして、その背景には、現下の金融情勢の中における投資家の動向等が指摘されているものと承知をしております。
本日、国債市場特別参加者会合、いわゆるプライマリー・ディーラー会合が、また23日には国債投資家懇談会を開催予定であり、最近の国債市場の状況と今後の見通し等についてご意見をいただくこととしております。その中においては、今年度の国債発行計画への意見なども出るものと考えております。
いずれにしても、ご議論いただく前に私から予断を持って何か申し上げることは差し控えたいと思っております。
- 問)
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日銀ですけれども、今週の金融政策決定会合で国債の買入れの減額ペースを、26年4月から現在の毎四半期4,000億円から2,000億円にペースを緩めるということを決めました。会見で植田総裁は、国債市場の安定に配慮したと説明されていますけれども、国債発行当局として安定消化の観点から今回の日銀の決定をどう評価されているのか伺えないでしょうか。
- 答)
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まず先日17日の金融政策決定会合で、今お話のあるように2026年4月から2027年3月までの長期国債の買入れ額について、決定がなされたものと承知をしています。
植田総裁の記者会見におかれては、長期金利は金融市場においての形成が基本で、安定的に配慮するため柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切であり、また機能回復と安定性のバランスを取ったと説明をされておりました。まさに、今回の減額計画というのは同様の考え方が決定されたものと承知をしております。まず先日17日の金融政策決定会合で、今お話のあるように2026年4月から2027年3月までの長期国債の買入れ額について、決定がなされたものと承知をしています。
政府としては、これは前から申し上げているとおり、日銀には引き続き政府と密接に連携を図り、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に向けて、適切な金融政策が行われることを期待しているところでございます。政府としては、そうした日銀の買入れの方針といいますか、それらを念頭に置きながら、引き続き国債の安定的な消化に努めていきたいと考えております。
- 問)
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今、アメリカの上院議会で、不公平な税制を持つ国の企業や投資家に対して課税を強化するという案が審議されています。これについて、日本も対象となる可能性があるのかどうかと、また政府として本件についてどのような対応をとられているのか教えてください。
- 答)
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まずご指摘の内容は、米国が不公平な税制を有すると考える外国に関し、その対抗措置として、その外国の居住者や企業等が、米国内で稼得する所得に対する課税につき、その税率を段階的に引き上げる措置を指しておられるものと承知をしています。
仮に当該措置が日本に適用されることになる場合には、日本から米国への投資に対して悪影響を与えかねないと、日本企業の皆さまからも、不安や懸念の声が上がっているところでありますし、財務省としても、日米租税条約との整合性を含め、深刻な懸念があるものと考えております。
既に米国政府及び連邦議会関係者に対しては、当該条項に対する我が国の懸念を伝えてきているところでございます。引き続き、米国連邦議会上における審議を含め、今後の法案の動向、またそれが我が国経済や企業へ与える影響、また諸外国における対応等をしっかり注視していきたいと思います。
また、米国が不公平な税制と指摘をしている、グローバル・ミニマム課税については、G20、OECDの主導による国際課税を議論する枠組みであって、米国も参加する、IFと呼んでおります包摂的枠組みにおいて、現行の米国の制度との共存についても議論が行われていると承知をしております。日本としてもIFにおける早期合意に向け、引き続き主導的な役割を果たしていきたいと考えています。
- 問)
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ガソリン税の暫定税率を廃止するための法案が野党側から提出され、今日審議が行われています。この法案に対して、大臣のご所見をお願いします。
- 答)
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ご指摘の法案は現在、国会において審議がなされているものでありますので、政府としてはまさに国会でのご議論をしっかり注視しながら、またその結果を踏まえて対応していくということになるかと思います。
(以上)