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加藤財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要

(令和7年10月3日(金曜)10時51分~11時00分)

【質疑応答】

問)

アメリカの連邦政府の予算が失効し、政府機関の一部が閉鎖されることになりました。経済統計の発表が遅れる可能性も指摘され、日本との関係では小泉農相と米農務長官の面会が中止となっています。今後の経済活動や金融市場への影響についてどのように見ておられるか、考えをお聞かせください。また政府としてはどのように対応していくのかも併せてお願いいたします。

答)

米国時間の10月1日に米国の継続予算が失効し、政府機関の一部が閉鎖される状況に至ったと承知しています。他国の内政でありますから具体的にコメントするのは差し控えますが、我が国への影響については金融市場、また企業の経済活動への影響を含め、引き続き高い関心を持って注視していきたいと考えています。

問)

日本時間の10月1日の夜に行われましたG7財務大臣会議後に議長国のカナダが発出した声明があったかと思います。その中でロシア制裁の一環としてG7諸国はロシア産原油を輸入している国々を標的とするような制裁を検討しているといった内容、その上で関税や金融を含む貿易措置の重要性についても合意したというようなことがありまして、認識を共有したようなことがうかがえるかと思います。先日のぶら下がり会見の後で、大臣は改めてロシア産原油の輸入国への関税措置は困難というような見方を日本として示されていたかと思いますが、この声明を踏まえますと今後こういった措置についてG7として検討の余地があるということでしょうか。

答)

今回の会合では9月12日の前回会合に引き続いて、ウクライナの侵略を続けるロシアへの圧力強化について議論を行い、昨日の朝、議論の結果をまとめた共同声明、これがカナダから発出されたところであります。今お話がありました関税措置の話と凍結資産の話でありますが、ロシアの収入を断つための取組の一環として、関税や輸出入禁止を含め、貿易措置の重要性については合意をしたところであります。他方、関税措置については従来から申し上げておりますが、我が国は国際法に則り対応すべきであり、特定の国がロシア産原油を輸入しているという点のみを根拠として、当該国に対して大幅な関税引上げを実施することは困難と考えているところであります。その上でロシアの収入を削減する取組、この重要性は我々も共有をしております。日本としてもこれまでもロシアからの輸入禁止を含む措置を講じてきたところであり、引き続き、具体的にどういう措置がとり得るのかについては検討していきたいと考えております。
また、凍結資産に関してであります。これはG7がウクライナの資金需要、これからもいろいろ出てくるわけでありますが、これに対処するために広範な選択肢を策定中である旨記載されており、その一例として今お話があったロシアの凍結資産全額の価値の、協調的な方法による活用が挙げられております。併せて、G7の取組は、各自の法的枠組と整合的であり続ける旨を確認されております。日本としても国際法を遵守し、引き続きウクライナの資金ニーズに対応することは重要と考えており、国際法を遵守する中で様々な政策オプションについて幅広く検討し、適切な支援方法を見極めていきたいと考えています。

問)

確認で恐縮ですが、そういった第三国への貿易措置の重要性については認めていらっしゃるんですけれども、それを日本として検討するのは難しいというお立場ですか。

答)

申し上げたのは、ロシアの収入を削減する取組の重要性、これは認識をしております。ただ、そのやり方については今申し上げた大幅な関税引上げ措置については我が国においては困難であるけれども、そうした収入を削減する取組としてどういうことがとり得るのか、これについては検討していきたいということであります。

問)

先ほどのロシア産原油の関税措置についてですが、ロシア産原油を輸入していることのみを理由にということで、「のみを」というふうに限定的な表現を必ずされていますが、それに加えてどのような条件があれば可能になるというお考えなのか、そして具体的にどういったことが条件になれば、そういった関税措置が可能になるとお考えなのか、そこについてお考えをお聞かせください。

答)

我が国のいわば対抗措置等も含めて、我が国の関税措置、また我が国が加入している国際法を遵守するということで、具体的なことというのはいろいろな措置の対応の仕方があると思います。向こうからダンピングして入ってきたものに対してどう対応するかや、これまでも色々な対応をとっておりますが、我が国が対応し得る枠組みと対応し得ない枠組みがあるわけでありますので、今のものについては対応し得ない枠組みとして申し上げているので、したがって我が国が加入している国際法をしっかり守っていく、その中でどういう方法があり得るのか、これをしっかりやっていくということで、ロシア産原油の輸入禁止を含む措置というのはこれまでも我が国は講じてはきているわけであります。

問)

つまり関税については、今回アメリカが新しく求めているようなものについて条件が足りないということではなく、従来の国際法理、国際条約の条件に合わない限りは関税措置は難しいという意味でしょうか。

答)

おっしゃるとおりです。ですから先ほど申し上げた国際法に則った対応が求められている。まさに我々自身が国際法をしっかり守っていないじゃないかと言ってロシアをいろいろな意味で批判をし対応しているわけですから、我々はやはり国際法をしっかり守っていくということが前提だということは従前から申し上げているところであります。

問)

私の理解が十分ではないのですが、今の大臣のご発言ですと、例えばロシア産原油を輸入している国、アメリカが言っているような国々に対して日本としては関税措置という対応はとり得ない、関税で対応するということはないという理解でいいんでしょうか。

答)

今申し上げたような、アメリカがどういう対応をとっているかというと、大幅な関税を課しているわけであります。そういったスキームは我々は持っていませんし、それが国際法に則っていると我々は理解をしているわけではないです。国際法の中でそういった措置がとり得ると我々は理解しているわけではないということでありまして、ただ、先ほど申し上げているように、それは手段ですから、最終目的はウクライナの公正な平和の実現ではありますけれども、それに向けてロシアの収入、経済的に侵略行為ができない状況をつくっていく、そのためには収入をいかに減らしていくのか、そこは我々はしっかり認識をしているので、アメリカ等からは関税措置を大幅に上げる、これは既にとっていますし、それはそれなりに効果があるとアメリカ側からは聞いていますが、ただ、我々は今申し上げたような枠組みの中で対応していかなければならないと考えていますから、その中でロシアの収入をいかに減らすことができるのか、これはしっかり検討を深めていきたいと考えています。

(以上)

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