田村内閣府大臣政務官記者会見の概要

(平成21年12月25日(金)18時00分~18時17分 場所:金融庁会見室)

【政務官より発言】

それでは、お配りしたPDF資料(PDF:69K)にほとんど書いてあるのですけれども、「共済事業の規制のあり方に係る検討について」、ご報告というか、今後の方針をお話しさせていただきます。

まず背景ですけれども、共済事業につきまして、平成17年の保険業法改正において、このマル1マル2の2点あります。保険業の定義を見直して、特定の者を相手方として保険の引受けを行う事業についても、原則として保険業法の規定を適用する。

そして、2点目としては、保険業法上の新たな枠組みとして、一定の規模の範囲内で少額・短期の引受けのみを行う者について「少額短期保険業者」の制度を創設する。

この2つを柱とする措置が講じられたわけでありますけれども、この改正法の附則に「施行後5年以内」と。具体的には、平成23年3月までになりますけれども、施行後5年以内に、状況の変化等を勘案して、改正法に規定する保険業に係る制度について検討を加える旨の規定が設けられております。

また、一方で、公益法人につきましては、平成17年の保険業法改正において、「当分の間」共済事業を行うことができるといった経過措置が設けられていたわけでありますけれども、20年12月に、公益法人制度改革三法が施行されまして、各公益法人は、25年11月までに、新法人、一般社団ですとか財団法人に移行することになりまして、新法人移行後は、制度共済化といった措置を講じなければ、共済事業を行うことができないということになりました。

続きまして、今後、どういった検討を進めていくかということでありますけれども、政務三役を中心として、共済事業に関する規制のあり方を検討すると。今後、半年程度をめどとしております。

より具体的には、まずは(1)にありますように、公益法人等が行う共済事業についての実態調査、具体的にどのような者が行っているのかということを幅広く実態調査いたします。それと併せまして、関係団体・各省庁からのヒアリングを行います。

そして、(2)ですけれども、その実態調査、ヒアリングの結果に基づいて、共済事業に関する規制のあり方についての論点整理をまとめまして、公表させていただきます。

そして、最後に(3)、この論点整理について、もう一度、関係団体・各省庁等から再度ヒアリングを行ったうえで、具体的対応策をとりまとめるといった手続を、約半年をめどに進めていくということであります。

以上です。

【質疑応答】

問)

この大きな方向性なのですけれども、文科省の所管であるPTA共済は、独自に見直しをかけるような動きというのもあったりすると思うのですけれども、それ以外にも、いろいろなところで「存続できなくなって困る」といった話というのは出ていると思うのですが、保険業法を改正して、そういうところが存続できるようにするという方向性を考えられているという理解でよろしいのでしょうか。

答)

PTA共済については先行しているわけですけれども、もともと与野党問わず議員の関心も高くて、議員立法、法案も出されていた経緯もあって、文部科学省の政務三役で、「では、それは文部科学省でやりましょう」と。もうそれは1か月以上前ですかね。文科省の政務三役で話がついていますので、そういう意味では先行していますけれども、ほかはまさに、個別に、ですから全部を残そうという方針が決まったわけでは全くありません。すべてを把握しておりませんので、そこはまさにどういったものを存続させるかという、そこはいろいろ判断もあります。まさにそういったことも含めて実態調査をした上で、どういったものを残すのかと…、「残す」という言い方はおかしいですね。存続できるような制度にするのかというのを判断するとともに、その枠組みも考えるということですので、それはやはり個別判断がまず最初にはあると思います。まずは実態調査ですから。

問)

追加なのですけれども、先の衆院選前に、この問題というのは、結構、与野党というか、民主党と自公のほうでいろいろ、基本的に見直す方向の話はあった中で、「全体の業法自体を見直してしまおう」というような意見というのもあったと思うのですが、今回は、それに縛られるわけではなくて、まずは実態を把握した上でどう対応するか、ということを改めて検討していくということですか。

答)

そうです。それは、そういう意味ではゼロベースであります。

ただ、私も大塚副大臣も、与野党、ちょっと国民新党の案というのは…、そういうのはありましたか。

事務方)

出ていないと思います。出ていません。

答)

あれは民主党案ですよね。民主党の案というのはありましたし、それは私も、直接的に私自身は関わっていませんけれども、もちろん承知はしています。民主党議員の中で、当時の法案に賛同する議員が多かったというのは念頭にはありますけれども、別にそれに沿って進めていくというわけではなくて、その民主党の法案自体は、業法全体を見直そうという話ではありませんので、そこは基本的にはゼロベースで考えるということですね。

問)

実際にヒアリングを行う中で、その関係団体・各省庁とは、具体的にどういうところをお考えでしょうか。

答)

いわゆる共済をやっている団体の所管省庁ですから、それは非常に多岐にわたって、基本的には、そういう所管省庁は全部ヒアリング、意見交換はすると思います。ですから、相当広い範囲になると思いますね。

問)

論点としては、やはり無認可共済の問題があって、きちんと網をかけたのだけれども、やはり、まっとうと言うか、小規模で適正なところもかかってしまったのを何とかうまく調整できないか、という問題意識があるのですか。

答)

そういう問題意識もあります。ただ、それは結局、何が適正かというのも、現時点で、明確に金融庁の考えがあるわけではありませんので、まさにそれは線引きの話になりますけれども、そこは実態の全体を把握した上で、どこまでの存在を認めるのかという、そこら辺もこれからの議論ですね。

問)

附則の、この見直し規定、「検討する」というのは、何か、当初から方向性を考えて入っているものではないですよね。

答)

当時は、恐らく担当者が…、担当者も当時いませんでしたから、補足してくれるかもしれませんけれども、当時は、とりあえず棚上げしたというだけだと思いますけれども。当時の考えは、それ以上に何かありましたか。

事務方)

いえ。特段の補足があるわけではないです。

問)

何か貸金業法みたいに、施行も踏まえて検討するというものではないですから…。

答)

このときは、やはり漏れるものがあるというのは分かっていましたから、何らかのその措置というか、何かをしなければいけないという漠然とした考えだけですよね。

問)

この検討は、いつごろから始める形なのですか。

答)

まさに実態調査、ヒアリングは、年明け、まだ日付まで決まっていませんけれども、それは1月にはやりますよね。1月に始めます。

問)

そうすると、この「半年程度を目途として」ということは、6月ぐらいまでに…。

答)

「半年」と言うと、一般社会通念的にはそんなイメージですね。6月末が期限ということではありませんけれども、大体それぐらい…。

問)

そのぐらいまでに…。

答)

はい、そうですね。来年半ばということですね。

問)

そのスケジュール感ですけれども、「6月めどに取りまとめ」ということなので、途中の論点整理とか、そういうものは適宜出てくるというイメージなのですか。いつぐらいに出てきそうだというのは…。

答)

そこは、論点整理をした上で公表して、パブリックコメントをするかどうか、あまりそういう性格ではないかもしれませんが…、分かりませんけれども、論点整理をした上で、また更にヒアリングをするわけですので、今、ちょうど金融市場整備のヒアリングを今日も昨日もやりましたけれども、まあ、同じ形式か分かりませんが、論点整理をして、また意見を聞いた上で、最終的な案をまとめるということですので、それは当然、論点整理自体はそれより前ですね。ただ、明確に何月とまでは、まだ決めていないです。

問)

PTAは文科省で、閣法(内閣提出法律案)でやられるのでしたよね。それ以外で漏れている、かつ、救うと言いますか、対象としたい共済というのは、具体的にどんなものを想定していらっしゃるのでしょうか。大きいところ、小さいところ、いろいろあるかと思うのですけれども。

答)

そこは、金融庁としてどこを残すべきというのは、まさにまだ決めていませんので、今、明確に、これと、これと、これはと…、というか、そもそも数がたくさんありますから、まだそこは白紙です。

ただ、例えば、PTAのように、PTAですと文部科学省になりますけれども、各省庁、例えば、今の各省庁の所管という意味での例えで言うと、厚生労働省に医師会とか歯科医師会があったりしますし、あるいは国土交通省ですと、建設業福祉共済会も多分そうですよね。もう各省庁にあるのですね。それぞれいろいろありまして、それぞれの省庁が、「自分たちのところで面倒を見る」と、要は、そこでまさに制度共済の法律を作るということであれば、それは金融庁としては、別に何ら反対するところはありません。

ただ、結局、なかなかPTA以外で、今のところほかの省庁で積極的に動いているというのはないですよね。どこかありますか。

事務方)

いや、聞いていません。

答)

我々、金融庁としては歓迎しています。ただ、今のところ、そういう動きは全くありません。

問)

それは、金融庁単独でできるものを考えていくということなのですか。

答)

いやいや。ですから、まさにPTAのように、ほかの省庁所管のものは、もし、やってくれるということになるのであれば、もうかなりそれで救われるところというのは非常に多いと。全省庁が全部やってくれればですが。ただ、それは多分、到底不可能だろうと。そういう中で、要は、一般的に救わなければいけないというか、存続を認めるような枠組みを作らなければいけないかもしれないということですね。

問)

新しい法律を作るということですよね。

答)

新しい法律ではなくて、もしやるなら法改正になるのですかね。

問)

保険業法の法改正ですか。

答)

新規立法というのはあり得ますか。あり得なくはないですかね。

事務方)

あり得なくはないです。

答)

公益法人とか、いろいろ絡むので、確かにあり得なくはないですね。ただ、そこはまだ、すみません、決まっていないですね。

問)

その辺は、他省庁への働きかけもされていかれるのでしょうか。

答)

そうですね。まさに各省庁へのヒアリングというのは、まずは、そこら辺の各省庁の意向を聞いた上で、「とにかくやってくれ」と全部にお願いして回るかどうか分かりませんけれども、やってくれそうなところにはどんどんやってもらうというのはあると思います。ただ、それでどれぐらい拾えるかというのは、全然分からないです。

例えば、PTAの場合は、やはり、かなり議員の圧力というか、もともとそういうものがあったから、文科省もやらなければいけないだろうと、すぐ、というか、まさに政務三役の中でも、もともと熱心だった議員もいるわけです。それが、そういう、議員があまり知らないところですと、各省庁の政務三役がどう捉えるかもあるかもしれませんけれども、基本的に、各省庁は新たな仕事が増えるわけですので、喜んでやるという話には、なかなかならないですね。

問)

事務方の方でも結構なのですが、現在の業者の数とか、把握してある数字というのはございますか。

事務方)

正確な数字は把握しておりません。恐らく、数百単位で共済をされている方がいらっしゃるものと思います。

問)

きちんと数字が分かるのは、いわゆる無認可から少額(短期)保険業者に変わった数とか…。

事務方)

全く法律の網がかかっていない世界でございますので、最終的な数字が、きちんと固まることはないのではないかと思います。

問)

何か変わったのは百何十業者とか、現時点での数字というのはあるのではなかったでしたか。

答)

少額短期保険業になった者という団体もあるでしょうね。

事務方)

これは、特定保険業者の届出をした者というのは、431(社)でございます。

問)

これは、現時点で少額短期保険業者…。

事務方)

特定保険業者につきましては、18年4月の保険業法の施行から2年間の移行期間がございまして、20年3月までに何らかの対応をとる必要がありまして、保険会社になるなり、少額短期保険業者になるなり、適用除外に適合するように中身を変えるなり、あるいは廃業するなりと。この方々は、一応の対応はとられていると。

ただ、それ以外で、公益法人につきましては、配付した紙にも書いてございますように、まだ現在でも継続することが可能でございます。これ以外に数百単位で、公益法人で共済事業をされている方があるであろうと思っております。

問)

進め方としては、これは貸金みたいにPT(プロジェクトチーム)をつくって、また事務局でヒアリングをやっていくような形になるのですか。

答)

いや、今のところ、貸金のPTは、各省にまたがっているのでPTにしたというのがありますから、金融庁の中で済む場合は、(大塚)副大臣と私で、という形になりますし、ヒアリングのやり方も、事務方だけでやるヒアリングもあるでしょうし、(大塚)副大臣、私も一緒にという場合もあります。まだそこは固まっていないです。特に、PTという名前を付けるということは、今のところは考えていないです。PTとかワーキングチームというのは、特には考えていません。

(以上)

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