田村大臣政務官記者会見の概要

(平成22年7月29日(木)14時58分~15時18分 場所:金融庁会見室)

【政務官より発言】

どうもお疲れさまです。お集まりいただきましてありがとうございます。

金融税制について、簡単に。

まず1点目は、金融税制研究会をやりますという話は以前させていただきましたけれども、5月31日に第1回を開催いたしまして、7月13日まで計6回、開催いたしました。私が座長の下で、さまざまな幅広い議論を行いまして、論点整理をいたしましたので、それが今日お配りしたものであります。PDF論点整理でありますので、委員の中で、当然、対立する意見もあるわけでありまして、それは併記してあります。ご覧いただければ、大体どういったところが議論されていたかというのはお分かりいただけるのではないかと思っています。

例えば、2ページ目の証券税制の軽減税率をどうするかとか、あるいはそもそも配当の二重課税調整をどうするかというのが次の3ページです。そして、金融所得一体課税、損益通算の範囲ですとか、さらに6ページの損失の繰越控除、そういったところがもっとも議論されたところであります。ほかにもいろいろな課題、問題提起が委員からされておりまして、それは7ページ以降に箇条書きにしてありますけれども、そういった意見を踏まえながら、今後議論を進めていくということであります。

そして、2点目でありますが、税制改正要望に係る意見募集を行いました。これは、意見の公募期間は6月22日から7月12日まででありまして、個人や団体など合わせて49の者から、合計201件の意見提出をいただきました。そして、その中で主な団体につきましては、政務、副大臣と私がヒアリングをしようと考えています。今のところ11団体を―大体、業界団体が多いと思いますが、業界団体をはじめとする団体からヒアリングを8月2日と3日に行います。

それで、今申し上げた金融税制研究会の論点整理、さらに公募した各種のご意見、そして団体からのヒアリングをもとに、金融税制調査会というものを立ち上げて議論を進めてまいります。それが、お配りしている最後の資料ですけれども、第1回は7月30日に開催いたします。今のところ、3回を予定しています。あくまで予定ですので変更もあり得ますけれども、7月30日、8月4日、8月10日の3回を予定しています。メンバーは、この「「金融税制調査会」の開催について」というPDFの次のページがメンバー表でありまして、座長が大塚副大臣、そして、私が座長代理をいたしまして、有識者は11人です。この11人中6名は、私が座長で開催した金融税制研究会からメンバーが重複しております。

それで、この金融税制調査会は、今のところ3回の議論を予定していますけれども、そこで有識者からのご意見を伺って、その上で金融庁としての方針を決めるということでありまして、ですから、金融税制調査会の報告書というものをつくって、要は、調査会は合意機関ではないということであります。基本的に、政策は大体そうですけれども、金融庁の三役で決める。その金融税制調査会での議論を大いに参考にさせていただくということであります。

【質疑応答】

問)

これは、議論の最中に、国税の人間というか、国税当局の誰かが絡んで、実際、現実性があるかどうかとか、そういう話あたりはどうなりますか。

答)

国税当局の人からの意見というのは、現時点では聞いていないのですけれども、ただ、この税制研究会にも、そして税制調査会にも、税理士の方はいらっしゃいますので、かなりそういう実務的なことは、実際、この研究会においても議論は出ております。国税庁の人から意見を聞くということは、今のところは考えていません。といいますのは、本当に必要があれば考えますけれども、財務省、国税庁というのは要望先になりますので、まずは我々の考えを固めてから相談するのかなと、今のところは考えています。

問)

ヒアリングされる11団体に、保険は入っていますでしょうか。それと、確定拠出年金に係る拠出制限の見直しで21件あったということなのですけれども、今までの議論されてきたものと何か少し違っているようなことはあるのかということと、今、問題になっている保険の二重課税の問題についてなどは、金融庁はかかわらないのかどうかというのを。

答)

保険の二重課税が何ですか。

問)

すみません。今、国税庁で議論されているものです。

答)

国税庁内部で(議論されている)ということですか。

問)

はい。最高裁の判決が出た……。

答)

あ、そういう事ですか。最初の団体ヒアリングの中では、生保協会、損保協会は当然入っています。

それから2点目の、ご意見、実際に来た要望の内容ですか。

問)

はい。

答)

傾向は、別に従来と変わっていないですよね。特に変わりはありません。今回、目新しい内容があるわけではありません。

3点目に関しましては、例えばこの金融税制研究会、あるいは(金融税制)調査会では、相当大きなテーマについて取り扱っていますので、金融税制で何でも取り上げるというわけではまずなくて、今の件に関しても、金融庁も当然、金融税制も関係はしてまいりますので意識はしておりますけれども、部内で検討というか、議論はしていくと思いますが、この金融税制調査会で取り上げるということは、今のところは予定していません。基本的には、8月末の金融庁としての税制要望に向けて金融庁の方針を決めていくということでありますので、それに向けて、そのために金融税制調査会のご議論も大いに参考にしていくということです。

問)

この調査会なのですけれども、方向性を出すような決定はしないということなのですが、この3回目の調査会の終了後に、政務三役の方から何らかの方向性について、発表なりをなさる予定というのはあるのでしょうか。

答)

今のところ、ちゃんともう予定を決めているわけではありませんが、大きな方針については決め次第、それを発表することも考えると思います。

問)

それは、3回目の会合の後ということではなくて。

答)

そうですね。3回目の最終回で「これでいきます」とやるか、今のところそこまでは考えていないです。むしろ、3回目が終わった後、いろいろ意見を出していただいて、その後で三役を中心に金融庁内で議論を詰めて、あとは、日にちはあまりないですけれども、金融税制調査会の最終回以降、できるだけ早く方向性を金融庁内で決めて、それを皆様に発表する場を設けるかどうか、それはまだこれから相談しますけれども、という感じになると思います。

問)

金融税制調査会のメンバーについてなのですが、有識者を中心とする構成とか、(金融税制)研究会と重複しているのが6人いるというところを考えると、こういうメンバー構成というか、形にしたという意味、(金融税制)研究会との仕分けというか意味合いの違いとか、ちょっと何か不明瞭な気がするのですが、その辺はどういう認識をすればよいのでしょうか。

答)

まずは、私が中心の(金融税制)研究会で議論して、それを副大臣トップの金融税調(金融税制調査会)で論点整理をバトンタッチして詰めていく、全体のイメージはそういうイメージなのですけれども、メンバーについては、私は金融税制研究会をこの場で皆さんにお話ししたときに、たしかかなり若手の人を探してお願いしたということを申し上げましたが、今回、この金融税調(金融税制調査会)においても大塚副大臣が、もちろん今までもいろいろ政府においても活躍していただいている人を全く排除するわけではありませんが、基本的にはまだあまり関わったことがないような方をどんどん見つけていこうではないかということで、できるだけ重ならない方が、当然また、さらに新たにという視点も持ちながら探してはみたのですけれども、かなり日程的な制約もあって、この8月の時期が忙しくてそもそも出席できないとか、そういう方も何人かいらっしゃいましたので、そうしますと、例えば若手の学者とかになると、なかなかほかに選択肢が見つからず、別に消去法的というか、私のこの研究会のメンバーは、大変若手としては立派な人だと、第一線でやっていらっしゃる人だと私は評価して選んでいまして、実際、研究会でのご意見を聞いても、その思いは変わりませんでしたので、新たに見つからない場合には、研究会と同じメンバーを引き継ぐというような形も部分的にはあるということです。

問)

民主党で政策調査会ができたり、コアメンバー会議ができたりと聞いておりますが、税制要望に向けて党側との調整というのはあるのでしょうか。

答)

調整というか、党内のいろいろな議員のご意見を聞く機会を設けたいというのは前から考えておりまして、そのために、ですから前体制の下では政策会議を開こうかなと思っていたのですけれども、今回、政調(政策調査会)がようやく形になってきて、ですので、場合によってはその意見を聞くような場を政調(政策調査会)において―そうするとどうなるのですかね、財金部門会議になるのですかね。そういった場で意見を聞くということは考えたいと思っています。

問)

以前、民主党の方で、軽減税率の適用期限の終了については経済情勢を鑑みてというお話だったのですけれども、日本版ISA(少額投資非課税制度)の導入については、あくまでも軽減税率の適用期限が終了したのを見越して、終了した後に導入するというのが前提なのかどうかということが1点。それから研究会で、ISA(少額投資非課税制度)以外に日本版IRA(個人型年金非課税制度)についての研究・発表もあったかと思うのですけれども、そういったところまで広げて検討事項として議論なさるのかどうなのかということを教えていただけますでしょうか。

答)

ISA(少額投資非課税制度)については、まさに去年の年末の政府税調(税制調査会)で決定していただいたわけですけれども、その際に、まさにこの軽減税率とか、いわゆる臨時の優遇措置とは切り離してお認めいただきました。といいますのは、前回もこの金融税制研究会の発表のときに簡単にお話をいたしましたけれども、自民党政権の下で来年末に軽減税率というものは切れると法律ではなっておりますが、当時の野党・民主党においては、まだリーマンショックの前の時点では、譲渡益に関しては20%に戻して、配当に関しては10%を維持するという方針を決定しておりまして、ただ、それがリーマンショックになって以降、経済状況を見て、軽減税率についても延長するとなった経緯があります。ですので、まさに税率などをどうするかという議論はまたしっかりしなければいけないということは、政府税調、それこそ当時の民主党の税調会長でもありました峰崎現副大臣からも指摘されて、それは今年、ですから去年12月の時点で、「来年しっかりと議論させていただきます」と。それとはまた別に、ISA(少額投資非課税制度)はまさに投資家をより育成していく、増やしていくという観点から認めていただきたいということで、認めていただいたという経緯があります。

あと、IRA(個人型年金非課税制度)に関しては、まだ提案をいただいただけでありますので、来年度要望でということは全く考えておりません。検討材料としては、私は大変意義深いと思いますけれども、ただ、IRA(個人型年金非課税制度)ぐらいになると、もう金融庁だけでは議論できない話になってしまいますので、そこは関係省庁を交えてなのかもしれないです。まだ具体的にどう議論していくかというのは考えていません。

問)

金融庁としての意見を取りまとめるに当たって、今回の(金融税制)研究会では、例えば軽減税率のところなどを見ると、軽減税率を維持すべきという意見と戻すべきという意見と、ある意味、両論出ているという感じがするのですが、これは調査会では、同じように意見を列記していくという形でまとめていくのか、それとも調査会の時点では、ある程度もうちょっと政務の方のハンドリングによってちょっと収斂させていこうという、同じようにばらばらと並べた形で(金融税制)調査会でまとめるところにとどまるのか、ある程度、方向性に少し道筋をつけるような内容になるのか、それというのはどういう感じなのでしょうか。

答)

先ほども申し上げましたけれども、金融税調(金融税制調査会)の「こう決めます」という報告書をつくるということはイメージしておりません。議事録以外にプラスで何かつくるかというと、金融税調(金融税制調査会)のというよりは、恐らくもう日もあまりありませんので、「金融庁としてこういう方針でいきます。金融税調(金融税制調査会)での議論も参考にしながらこう決めました」というような紙になるのではないかというのが今のところのイメージでして、特に金融税調(金融税制調査会)で何か決定するとか意見を収斂させるということは考えておりません。

(以上)

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