大串内閣府大臣政務官記者会見の概要

(平成23年9月30日(金)14時46分~15時01分 場所:金融庁会見室)

【政務官より発言】

よろしくお願いします。政務官の大串です。

概算要求、機構定員要求、税制改正要望等、金融庁の部分に関してご報告させていただきたいというふうに思います。

資料、概算要求、これは機構定員も入っていますけれども、それと税制改正要望項目をここに出しております。私の方から冒頭ご報告させていただきまして、大枠に関してご質問等を受けた後、私は途中で失礼しなければならないものですから、個別の項目に関しては事務方に聞いていただけたらというふうに思います。

概算要求ですけれども、PDF資料の1ページ目を見ていただきますと、金融庁が目の前で対応しなければならない課題として、3.のところですけれども、具体的な課題として、一つ目に「急激な円高等内外の金融環境の変化に係る対応の強化」、あるいは、二つ目として「強靱な金融システムの構築に向けた取組みの強化」、三つ目として「金融資本市場における不公正取引等に対する対応の強化」と、こういった課題が喫緊の課題としてあります。これらに重点を置いて要求・要望するということで、総額244億円、要求としては236億円で、要望としては8億円になっております。この8億円は再生重点化措置になるものであります。

2ページ目を見ていただきますと、金融庁の予算はご案内のように、ほとんどが人件費と物件費なものですから、そういう目で見ていただきますと、人件費については対前年度からして0.9%増の159億円、更にここにいわゆる先ほどの特枠に基づく要望ということで8億円が盛り込まれております。物件費については対前年度比20.7%の増、78億円。これは増加しておりますけれども、主なものとしては情報システムの開発経費、これは年度において波があります。今回、金融庁の行政情報化経費が、今申し上げた各年度の波といいますか、開発の年度の中で、増額になりますものですから、その反映分です。

そのほか、喫緊の金融情勢に対応するという意味で、国際会議の出張経費については増額要望しておりますが、その他の経費は厳しく精査もし、前年度費マイナスという要求にしています。

さらに、今回別枠で要求できることになっている、いわゆる震災復旧・復興対策ですけれども、これに関してはいわゆる二重ローン対策ということで積極的に取組むという観点のもと、私的整理ガイドラインの運用支援等のために11億円を要求することにしています。

次の次をおめくりいただきまして、機構定員ですけれども、先ほど申しました目の前の課題に沿って機構定員の要求・要望をしています。

一つが、「急激な円高等内外の金融環境の変化に係る対応の強化」、それから2番目が「強靱な金融システムの構築(に向けた取組みの強化)」、3番目が「金融資本市場における不公正取引等に対する対応の強化」、こういった柱で要求・要望していまして、新規としては159名の要求・要望をしています。そのうち136名については、先ほど申しました特枠に基づいて要求させていただいている次第であります。

5ページ目、最後の一番下のところになりますけれども、機構(要求)ですけれども、国際交渉、(すなわち)バーセルの場、もしくはG8、G20の場等々、かなりハイプロファイルな交渉が続く状況になっています。そういう中で、プレゼンスを高めていくという観点から、金融庁における国際部門のトップ、これを今、金融国際政策審議官が総括審議官級になっているわけでありますけれども、局長級に格上げするということで、国際政策統括官ということを求めていきたいと。

更に、管理職、なかなか私たちのところは手薄でございます。それに対応するために、総務企画局の総合政策担当ということで参事官、それから総務企画局の財務会計制度担当の参事官、この二つ。更には、公認会計士監査審査会の事務局長、これは当て職になっていましたので、実員化を求めてまいりたいというふうに思っています。

それから、税制改正要望でありますけれども、PDF次のぺーパーを見ていただきますと、具体的な要望項目としては、東日本大震災からの復興支援、更には金融資本市場の基盤整備という観点から、急ぎ措置しなければならない分、この二つの枠組みで考えていまして、2ページを開いていただきますと、具体的には一つは東日本大震災からの復興という枠内で、地方公共団体が委託者になる土地信託に係る登録免許税等の非課税措置というのを一つ、更には2番目で、3ページを開いていただきますと、日本版レベニュー債の非課税債券化の2点を要望しています。こういったことを通じて、地方公共団体が復旧・復興を行っていく際に、民間資金を活用していくことを支援していきたいというふうに思っております。

そして、大きな2番目の柱の金融資本市場の基盤整備についてですけれども、4ページを見ていただきますと、これは例年立てている要求ですけれども、金融商品に係る損益通算範囲の拡大ということで、公社債等をまだまだ広げていかなければならないところが残っておりますので、そこをお願いしていきたいというのが一つ。

あと、それをもう少し開いていただいて7ページですけれども、日本版ISA、これはご案内のように、今までの税調(税制調査会)の議論の中では、今後検討していくことになっているわけですけれども、この使い勝手を良くするというのが既に色々と言われています。そういう中で、利便性の向上、事務手続きの簡素化に向けた所要の措置をお願いするということをやっていきたいというふうに思っています。

最後に、国際課税です。国際課税原則に関して見直しということで、総合主義から帰属主義への変更ということで、今、日本におけるPE(恒久的施設)が存在する場合に、幅広く申告対象になってしまっていますので、それをPEに属するもの(所得)についてのみ申告対象とするといった形での適正化を図っていただきたいということをお願いしているということです。

更に、技術的な項目ではありますけれども、12ページ、最後に、日切れの関連要望も含めて、全部で13項目を要求・要望することにしています。

私の方からの説明は以上でございます。詳細については、この後、事務方からきちんとブリーフィングをさせていただきますので、大枠、全体像で何か質問等ありましたら、いただければと思います。

【質疑応答】

問)

人件費についてなんですが、昨日の財金部門会議の方で見直しして欲しいという要請とか指摘があったと思うのですが、それを受けられて検討されたような内容と、あとそれを見直す幅があるのかというところについてお願いいたします。

答)

昨日の財金部門会議において、現下の厳しい財政状況や、あるいは復興・復旧に多大な財源がかかっていくことも踏まえて、機構定員の要求・要望に関しても厳しく見直していくべきではないかと、こういった人件費というよりも機構定員の要求・要望に関して、しっかり目線を当てるべきではないかという声がありました。

これを受けて、私たちもこれは真摯に受け止めていかなければならないというふうに思います。さはさりながら、金融庁の場合は、ご案内のように、各省庁の中でもこれまで新しい省庁として、最初、非常に小さい母体から始めて、その後機構定員要求を重ねさせていただいて、人員を強化させてきていただいているという、他の省庁の中では、ある意味、機構定員を伸ばさせてもらっているという立場にある役所であります。引き続き、国際的な比較において見ても、金融行政当局として、更に体制の強化を図っていかなければならないという状況にあるのは明白でありまして、この点も部門会議の皆さんには重々説明させていただいて、ご理解をいただいた上で、要求・要望としては、オリジナルに考えていたものを要求・要望させていただきながら、更に今後予算編成過程で、財務金融委員会の役員の皆さんともよく相談しながら、適正な機構定員になるように成案を得ていこうということにさせていただいております。

問)

震災の復興の部分ですけれども、二重ローン絡みとか、もう少し考え方みたいなものを話していただけますか。

答)

震災に関しては、今予算面では、先ほど申しましたように、二重ローンの関係の中で、個人に関する私的整理ガイドラインを充てていこうということを新しい取組みとしましたので、これを円滑にやっていく、その際には、私的整理ガイドラインを使っていこうにも、よく分からないと言われる個人の方がどうしても多いです。ですから、やはりそこは法的に弁護士の皆さんの支援を得ていくという形にならざるを得ません。

そういったときに、私もそうですけれども、地方の皆さんになってみると、弁護士に(相談に)行くにはどうしたらいいのだと、費用もかかるしと、これは二の足を踏まれたりするといけないなということで、弁護士費用の助成を中心にこの11億円は考えていきたい。それによって二重ローン対策が進むような後押しをしていきたい、こういう考え方です。

問)

ほとんど弁護士費用ということですね。

答)

そうです。

問)

先ほど国際部門で総括審議官級を局長級にということで、新しい局を増やすのは大変だと思うのですけれども、ほぼ局並みみたいな形でやっていこうというようなお考えなのでしょうか。

答)

今、国際的な金融行政に関する意見交換、あるいは協議の場、皆さんもよくフォローされていらっしゃって、かなり激しいものがあるのは、以前からですけれども、見て取っていただけると思います。そういう中で、今まで小所帯から段々少しずつ増やしていく中で、何とかやりくりしてきてはいるのですが、やはりプレゼンスを高めるということの必要性がいや増しに高まっているのは否めない事実でありますので、局長級に格上げした上で、それを支えるサポート部隊も少しずつ人員を強化させてきていただいております。局並みというところまで行けるかどうか分かりませんが、少なくとも国際的なプレゼンスを局長級レベルで高められるようなところまでは持っていきたいという思いでのまずはトップということで、局長級の機構定員要求をしています。

問)

今後、更に充実させていく段取りといいますか、どういうご計画なんですか。

答)

国際局をつくるみたいなことが今視野にあるわけではないですけれども、そこまで行っているわけではないですが、ただやはり国際的なインターフェースが重要になっているのは間違いないので、やはり陣容は強化しなければならないという必要性は痛切に感じています。

問)

定員のところなのですけれども、去年の要望人員が176人で、今年159人と。そのうち136人が日本再生重点化措置に基づき要望とあるのですけれども、実質的にはこの136人を除いた23人ぐらいの増員を考えていたということなのか、そうでないとすれば、136人多くこれに基づいて要望することによって何かメリットがあるのかというのをまず一つ教えてください。

答)

要するに、特枠ですから、特枠はご案内のように四つぐらいのクライテリアがあります。経済の再生、日本の再生に大きく結び付くというクライテリアがあるわけです。この159人の増員要求の中で、特に特枠の要件に該当するであろうと思われる136名分をここに書かせていただいております。残りの差分の20数名分というのは、内容的にいうと、官房系のスタッフということになります。(官房系のスタッフの要求だと)どうしても再生との関係で物が言いにくかろうと、より現場に近いところは、日本再生との関係で要求内容も説明しやすかろうということで136(名の増員要求)の方に今、分類しているということです。

問)

そちらの方が通りやすいということなのでしょうか。

答)

いわゆる特枠の4つの枠組みの中で説明がつきやすいということで分類してください。

問)

あと、ちょっと細かい話かもしれませんけれども、その他の要望事項、税制改正の方なのですけれども、自動発注サーバーにかかわる非課税措置の創設というのがあるのですが、これはいわゆるハイ・フリークエンシー・トレーディング(以下HFTという)についてのものなのかということで、もしそうであるとすれば、金融庁としては、それをできるだけ普及させたいという狙いがあるのかということなんですが。というのは、今、欧州の方でそれを規制した方がいいのではないかという議論が出ていると思うのですけれども、そことの整合性を教えてください。

答)

それは後ほど事務方から説明していただければと思います。

事務方)

アジア諸国との並びから要望はしていますけれども、税制を優遇するという要望ではなくて、PEとして認定されてしまうことで、他のアジア諸国に比べて不利な取扱いに置かれているので、その分をキャッチアップするための要望であって、金融庁としてHFTを推進するということを考えている訳ではありません。寧ろIOSCO(証券監督者国際機構)などで、HFTに関する議論が進んでいるので、規制は規制で、一方で税については競争相手の国に比べて不利な状況に置かれているのであればそれは取除くということです。

(以上)

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