大塚内閣府副大臣記者会見の概要

(平成21年12月8日(火)16時00分~16時26分 場所:金融庁記者会見室)

【副大臣より発言】

それでは、皆さんのお手元にPDF資料(PDF:101K)があると思いますので、冒頭はちょっと、この政務三役名のペーパーに沿って、正確にご報告をさせていただきます。

今日は、「公認会計士制度に関する懇談会」を、今後、開催するという内容でございますが、趣旨は、公認会計士については、監査業界のみならず経済社会の幅広い分野で活躍することが期待されているとの考え方に基づき、社会人を含めた多様な人材にとっても受験しやすい試験制度となるよう、平成15年に公認会計士法が改正され、平成18年より新しい試験制度のもとで公認会計士試験が実施されてきた。

しかし、現状においては、合格者の経済界等への就職は進んでおらず、社会人の受験者・合格者についても十分増加していないなど、現行制度の狙いは道半ばの状況にある。また、現状のまま推移した場合、公認会計士になるために必要な実務経験を満たすことができないことも懸念され、試験に合格しても公認会計士の資格を取得できないというおそれが高まることとなる。これは、試験制度の魅力を低下させる可能性もある。

こうした状況を踏まえ、公認会計士試験・資格制度等についての検討を開始するため、「公認会計士制度に関する懇談会」を開催すると。

検討事項については、その下にありますように、「試験制度のあり方」、それから「資格取得要件のあり方」など、また、「その他」というのは、公認会計士の資格を取られた方々が、しっかりと就職をできるような、経済界の協力態勢等々もどのように構築していくか、ということも、検討課題の一つです。

第1回の会合は、その下にありますように、10日の木曜日からでございますので、ご案内を申し上げます。メンバーについては、その後ろについている内容です。

それから、皆さんの手元に、PDF「公認会計士試験合格者と公認会計士の活動領域の拡大に向けて」(PDF:367K)という分厚い冊子が行っていると思いますので、こちらについては少し事務方の担当のほうから説明をさせていただきます。

懇談会は公開でやりますので、また事後に議事録は公表します。

以上です。

[※以下、事務方より資料に沿って説明(事務方の説明は中略)]

副大臣)お詳しい方もいらっしゃると思いますが、りそな(銀行)が、かつて破綻(はたん)をしたり、いろいろな経緯から、公認会計士というものが大変重要性を増してきた中で、徐々に、会計士の人数も増やそうということでこの数年間来ていたのですけれども、人数は増えたものの、実際に増える過程では、財界も経済界も「そういう人たちのニーズはある」というふうに言っていたわりに、意外に受け入れてもらえないというようなこともあって、せっかく資格を取ったけれども就職できないという、高い能力を持った方々ですから、大変もったいないですよね。だから、そういう方々が、より活躍できるような態勢をどう整えていくのか、ということや、改めて、試験制度のあり方について検討を行うための懇談会だということでありますので、ぜひオープンな懇談会ですから、取材にも来ていただければというふうに思います。

【質疑応答】

問)

まずこれは、もう再来年の試験から変えるおつもりがあるのか、ということと、大体、何回ぐらいの会の開催を予定されているのでしょうか。

答)

「何回」ということは決めていませんけれども、来年の半ばぐらいまでには一定の結論を導きたいな、とは思っていますので、一月に一回やったとしても5、6回。しかし、それは正規の懇談会で、実務レベルでのいろいろな検討もやりますから、作業は、その5、6回ということにとどまらないと思いますけれども、懇談会そのものは5、6回ぐらいかなという気はしますけれども。

それから、その検討の結果として、法律改正が必要になるのかどうか等も決まってきますので、「いつから」ということについては、現状では決まっていませんけれども、何しろ課題があるからこういう懇談会をやるわけですから、今は、できるだけ早く対処するようにしたいということだけ決まっています。

問)

方向性として、試験の受け方ですとか、合格者ですとか、あとは就職環境の改善ですとか、そういったところも視野に入れるのか。それとも、もっと大きなところで、会計士を5万人体制にする、幅広い人材を増やして、幅広い領域で活躍していただいて、5万人ぐらいをめどにするという、そういったところまで、方向性として変えていくことを念頭に置いていられるのかというのはいかがですか。

答)

検討は、短期的な課題と、今、ご質問にあったような中長期的な、もっと大きなゴール設定という、両方を検討することになると思います。それは、今、結論をあらかじめ想定しているわけではないですけれども、当然、両方が検討されないと十分な答えは出てこないと。

問)

これは、基本的には、会計士の人数を増やすという方向は変えないのですか。

答)

それそのものが重要な検討課題ですよね。それは、会計士さんというのは多い方が良いと思って、今回、こうやって増やしてきたのですけれども、ところが、需給バランスが崩れてしまったわけですから、本当に今のペースで人数が増えていって良いのか、ということも検討課題ですし、逆に、数年前に想定していたように、会計士さんの活動領域が、活躍できる分野が広がっていくと、企業も受け入れたいという環境が整うのだったら、やや今までより人数は増えて良い、という結論になるかもしれないし。だから、まさしくそういうことの議論というか、検討をするわけですよね。なぜ企業は、そういう財務や会計の専門家が欲しいと、J-SOX法ができた後は、「そういう人たちのニーズが高い」と言っていたわりに、なかなか受け入れていただけないわけですから。そういうことを検討した結果として、あるべき会計士さんの人数というものも、おのずと決まっていくということだと思っています。

問)

司法試験を通って、弁護士等は「法の番人」、会計士は「会計の番人」と言われますけれども、いまひとつ会計士の魅力が薄いのは、監査における権限が、監査の仕組みに伴ってそれほど強くないと、要は、先ほど、りそな(銀行)の話が出ましたけれども、駄目な企業を、結構、スルーできてしまう、させてしまうというような仕組みもあると思うのですが、これは監査の仕組みそのものは議論していかないのですか。

答)

いや、それは、今回の懇談会の直接的な課題ではないですが、周辺の重要なアジェンダ(論点)としてはありますよね。そもそも、この試験制度は、ここ(合同庁舎第7号館)の18階の公認会計士・監査審査会が担っているわけですが、今の名前からも分かるように、「公認会計士・監査審査会」ですからね。これは、切っても切り離せないことだと思います。

だから、おっしゃるように、日本の企業監査のあり方が今のままで良いのかどうか。そこから付随する問題としては、では公認会計士さん、監査人が、誰からフィー(料金)を貰っているのかと言えば、監査すべき企業そのものからフィーを貰っているということになると、当然、ものも言いにくくなりますよね。だから、本当にそういう契約関係の中で十分な監査ができるのか、ということも、周辺領域の重要なアジェンダとしてはあります。ただ、今回の懇談会は、あくまで公認会計士制度に関する懇談会なので、直接的な課題ということではないと思っています。

問)

専門職大学院のほうとかは、その辺も検討課題に入ってくるのですか。

答)

それは、課題に入ってくる可能性はありますね。当然、どういうふうに有資格者を供給していくか、というプロセスの問題なので、試験制度の中身そのものと同時に、専門職大学院の現状もよく精査して、検討材料の一つにはなると思います。

(以上)

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