大塚内閣府副大臣記者会見の概要

(平成21年12月17日(木)16時14分~16時51分 場所:金融庁会見室)

【副大臣より発言】

それでは、「金融・資本市場に係る制度整備についての骨子(案)」を公表させていただきますので、経緯と今後の取扱い、若干の概要について私からご説明させていただきます。

まず、今回のこの検討は、以前に皆さんにご説明をしたとおり、金融審が、今、基本問題懇談会を除いては中断をしておりますので、11月13日に、お手元にありますけれども、政務三役名で、今後、来年、通常国会に向けて、金融・資本市場に係る制度整備についてどのようなことを検討しなければならないか、ということを指示し、その作業を約1か月かけて行った結果が、本日の「金融・資本市場に係る制度整備についての骨子(案)」というものだとご認識ください。

したがって、PDF11月13日のペーパー(PDF:78K)の2枚目に検討項目ということで、5項目明記してありますが、その5項目についての、それぞれのヒアリングをした内容を踏まえての検討結果であるということであります。ヒアリングは、市場課長を中心に市場関係者から、かなり濃厚なヒアリングを多数させていただいて、この内容にまとまっているということであります。

「骨子(案)についてのポイント」という4枚紙のほうをちょっとご覧いただきたいのですが、まず第1は「店頭デリバティブ取引の決済の安定性・透明性の向上」ということであります。これは、「背景」のところに書いてありますが、国際的には店頭デリバティブ取引の清算機関の利用義務付け(清算集中)や市場の透明性の向上に向けた取組みが進展している中、我が国でも、やはり清算集中の対象及び清算機関制度、あるいはそれらに関わる取引情報の保存・報告の態勢等を確立しなければならないという話であります。グロスで大変大きなリスクを抱える金融・証券マーケットですから、リスクをできる限りネットアウトして極小化を図る、という意味においても清算機関は重要ですし、また清算機関は欧米のほうが少し先行している部分もありますので、我が国金融・証券市場としても、この清算機関の整備に努めたいという意味であります。

それから、次のページでありますが、「国債取引・貸株取引等の証券決済・清算態勢の強化」というふうになっておりますけれども、これは国債取引や貸株取引の安全性確保の観点から、決済リスクの削減や貸株取引の決済・清算のルール、あるいは制度の整備について骨子を示しているものであります。特に、「特に」と言うか、どれも大事なのですけれども、貸株取引に関しては、清算集中またはDVP(証券の引渡しと資金の支払いを同時に履行する仕組み)の決済ルール化の時期を含む工程表を早急に作成してほしいというご要望もありますので、しっかり対応していきたいということであります。

3番目は「証券会社の連結規制・監督等の導入」と。これは、一連の金融危機等を受けて、金融機関の健全な経営を確保する観点から、証券会社に対しても連結規制、あるいは監督の仕組みを導入していくことが必要だということで、このような内容をまとめたということであります。また、保険会社についても同様であります。

それから、次のページに行っていただきまして、「ヘッジ・ファンド規制」であります。ヘッジ・ファンドについては、これも金融危機に端を発した対応でありますけれども、やはり我が国の金融マーケットの安定性を確保する観点からも、我が国においてヘッジ・ファンドを運用する運用者に対して、様々な規制をどのように行っていくか、ということでありますが、そもそもヘッジ・ファンドが、どのぐらいの規模のものがどのぐらいあるか、ということも含めて調査をしつつ、今回のこの骨子になっておりますが、今後は、それらに対して、この骨子のところに書いてありますが、登録対象をどうするか、ということとか、リスク管理状況についての報告事項をどのようにするか、という詳細を詰めていくことになります。

それから4ページでありますが、「投資家保護・取引の公正の確保」ということで、大きくは、地方公共団体に係る特定投資家制度の見直し、地方公共団体というのは、現在、「アマ」へも移行可能な「プロ」という位置付けになっているのですが、そうであるがゆえに、サブプライム・ローン商品に投資したりとか、いろいろなことがあったわけでありますが、やはり、ちょっとこの位置付けを変えたほうが良いのではないか、ということで、「プロ」へ移行可能な「アマ」ということで、言ってみれば、大リーグから少しマイナーに降りていただくということだと思います。

それから、デリバティブに関する不招請勧誘規制のあり方についても検討を進めていきます。その他、空売り報告制度の整備等もありますが、非常に専門的な分野ですので、私が不正確なことをお答えすると間違った記事になりますから、後ほど事務方からも補足をさせていただきます。

今般、公表した骨子(案)については、来週24日と25日の2日間、私の主催するヒアリングを行います。市場関係者や投資家の皆さんから、再度、意見を聴取する会合を行う予定にしております。これは、もちろんこの骨子をまとめる過程でヒアリングをさせていただいた方々が再度いらっしゃって、この骨子に対して、また意見をおっしゃるという意味なので、パブリックコメントのような、そういう役割も果たす会合だと思っております。もちろん一般にも、金融庁のウェブサイトを通じた意見募集を広く行う予定であります。この意見交換会は、皆さんにも公開をさせていただきますので、傍聴をしていただければと思います。

とりあえず、私のほうからは以上です。

【質疑応答】

問)

今回の発表なのですけれども、これはまさに、これまでの金融サミットの声明なんかに盛り込まれていた内容を日本でも実施していく、ということだと思うのですけれども、国際的な合意との関係で、どの部分がサミットの声明に対応されているのかとか、そこら辺をお願いできますか。

答)

これは、基本的には、もちろんサミットの声明はこの骨子に書いてあるような細かいことは書いてありませんよ。ただ、例えば、世界的なマーケットもリスクの軽減をしなければならないとか、あるいは国際的な金融機関の財務状況の実態を把握するためには連結ベースの把握が必要であるとか、あるいはヘッジ・ファンドに対する規制が必要であるとか、もろもろ、後ほど金融サミットのステートメント(声明)とかを読んでいただくと書いてありますので。どこの部分がどこという紐付けは、今、ちょっと手元にないのでできませんが、基本的に、すべての項目が、過去1年、行われてきた議論に対応した内容であるとお考えください。

問)

証券会社と保険会社の財務上の規制なのですけれども、それぞれもう少し具体的にお願いできますか。例えば、バーゼルとの関係なんかも。

答)

不足があれば事務方がお話をさせていただきますけれども、お手元の2ページを見ていただくと、これを読んでいただくだけでも随分細かく書いてありますが、例えば、とりあえず骨子のポイントのほうですが、2ページに、証券会社については、「連結規制の対象となる証券会社の確定に当たっては、マル1総資産額といった定量的な基準とともに、業務の質に基づく定性的な判断が必要ではないか」ということを、今後、検討するということですね。それから「マル2銀行系、外資系のグループ等については、他業法や外国当局による規制・監督との重複を排除する措置が必要ではないか」、あるいはマル3として、「親会社が、証券会社と一体的に業務を運営しているとは認められない事業会社等である場合には、必要に応じて、当該証券会社以下の子会社を対象とする連結規制・監督を行うこととすべきではないか」。あるいは、保険会社であれば、その次の3ページを見ていただくと、保険会社に対しては、契約者の保護を図る観点から、これはAIGとか、いろいろな問題がありましたので、「保険会社又は保険持株会社を頂点とするグループ全体を対象とする連結財務健全性基準を導入する」と、これは「すべきと考えられる」と書いてありますから、法律的には、「する」ことに多分なると。だから、そういう内容であります。

さらに詳しいことを申し上げれば、こちらの本体のほうにいろいろ書いてありますので、一回ちょっとご覧ください。今、お配りしたばっかりで、なかなか皆さんも質問が大変かと思いますけれども。

問)

基本的に、金商法の改正で対応できるということですか。新法か何か…。

事務方)

金商法の改正と、保険の部分だけは保険業法の改正になります。

問)

今後の具体的な制度作りと、あと法案改正の今後の具体的なスケジュールですとか、めどを教えていただきたいのですが。

答)

スケジュールは、さっき申し上げたように、24日、25日にヒアリングをやりますよね。それから、一般からの意見の募集は、28日を締切りにしますから、年内にほぼ意見を聞き終えて、年が明けたら、それらの意見も踏まえて最終的な制度整備についての、金融庁としての案を固めますので、固めたところから法制化の作業に入っていくということなります。

毎年の通常国会でご承知のとおり、予算審議が3月ぐらいまで行われますから、3月以降、審議に資するようなタイミングで法案を提出して、通常国会で何とか結論を出したいと、そんなスケジュールになります。

問)

投資家保護のために、「デリバティブの不招請勧誘とかのあり方を検討する」ということなのですが、これは例えば、具体的には、今、上場のFX(外国為替証拠金取引)、例えば、クリック365とか大証(FX)とかいろいろありますけれども、ああいうものも対象に、新しくなるというような考え方があるのですか。

答)

これは対象になり得ると思います。それは背景のところにありますように、現状は、金融商品取引法施行令によって、店頭金融先物取引のみが対象になっているけれども、それ以外もいろいろ問題があるということで、こういう対応になっているわけですから、できるだけ幅広くということを考えています。

問)

背景としては、やはり投資家保護であるとか、その辺りをより重視していこうということがあるのですか。

答)

そうですね。それと、ここにも書いてありますけれども、証券CFD(差金決済取引)なんかは急速に拡大していますから、FXはFXで、最初のころに比べたら、より関心も高まって、透明性に対する要求も厳しくなってきているので、そうすると、この類似するCFDなんかは急に拡大してきたり、これはイタチごっこですからね。できるだけオーバーオールな規制となるように最終案を詰めて、法制化するということだと思います。

問)

2ページ目にあります、 III .の「証券会社の連結規制・監督等」というところで、1.で証券会社が書いてあって、2.では「金融商品取引業者に関する主要株主規制の強化」とありますけれども、ここの「業者」というのは、証券会社以外の金融商品業者なのか。例えば、FX業者であるとか、あるいは投資助言業者、そういったところを指すのか、改めて、その狙いとか、そういうところを教えてください。

答)

これは証券会社以外のことですよね。狙いは、金融商品取引業者というのは、実は、小さなところからまあまあの大きさのところまでいろいろあるのですけれども、それぞれの主要株主というのは、よく分かった人から、「よく分かった」というのは、身元のよく分かった人から身元のよく分からない人までいろいろいらっしゃって、そういう株主に対して、今は、業務改善等の命令が可能な制度とはなっていませんから、その金融商品取引業者を、投資家の保護のために規制したい、ないしは何らかの制御を及ぼしたいと思っても、制御を及ぼすためには株主に対してもしっかり監督権限が及ぶようにしておかないと、なかなか実体的な対応にならないということですから、その下の「考え方及び(対応)骨子(案)」のところに書いてありますけれども、だからといって、株主をやみくもに対象にするわけにいかないので、そのうちの「主要株主のうち議決権の過半数を保有する者」、つまり主たる運営者、主たるオーナーに対して、しっかりと業務改善の措置命令を可能とする制度を作ると。

問)

「仕組みを入れる」と。要は、例えば、反社会的勢力みたいなものの排除とか、そういうものを想定していると…。

答)

反社会的勢力がいるかどうか分からないけれども、やはり主要株主に対して、「いざというときは業務改善命令が及ぶよ」というメッセージが伝わっていることが、業務が適切に運営されることを担保することになるので、そういう枠組みを作るということです。

問)

国際的な枠組みというよりも、国内的なそういう対応という理解でよろしいですか。

答)

もちろん国内的な枠組みです。

問)

証券会社の連結規制のところで言うと、この(1)の対象、これは、例えば、「総資産額といった定量的な基準」とか、あるいはその後では、「銀行系、外資系のグループは重複を排除する措置が必要ではないか」と、もろもろ投げかけしていますけれども、これは当然、法制化に当たっては、実際、具体的な基準みたいなものが設けられると思うのですが、それは、そういうものを提示するタイミングというのは、結局、次のヒアリングを経て、年明けの段階で、もう金融庁としての案を固める段階で具体的に出てくるということなのでしょうか。

答)

これは、投げかけになっていますけれども、投げかけになっているということは、多分、これが疑問形ではなくなるわけですよね。そうすると、おっしゃるように、ベンチマーク(基準)を決めなければいけないのですけれども、ベンチマークは、ヒアリングを経て、金融庁としての案が固まったところで初めて登場するわけですが、政権発足後、例の法案のときにも、皆さんもプロセスは体験していただいたと思いますが、そのベンチマークの案というのは、また政策会議等で与党の皆さんのご意見も伺った上で、最終的な成案となりますので、年明けの、ある程度の段階では、ベンチマークの金融庁としての事務局案というものが出てくるとは思います。ただ、それが確定するかどうかというのは、政策会議がすべて終わるまでは流動的だということだけはご承知おきください。

問)

スケジュール的に確認ですけれども、まず、ヒアリングは今年内に行って、その上で金融庁の案を、一回、事務局案として固めて、その後で政策会議を行って成案になると。

答)

そうですね。今の与党には、「金融ボーイズ」がいっぱいいますので。やはり、実際にいろいろやっていらっしゃった方々も多いので、そういう与党のプロの皆さんのご意見もしっかりお伺いして、最終的な政府案としていきたいと思っています。

問)

今、一般的に規制とか、いろいろ金融セクターに対する圧力のほうが目立っていますけれども、日本の場合、市場の活性化とか、もう少しいろいろな投資家を呼んでくるという試みも必要ではないか、という意見もありますけれども、市場の活性化という観点ではどのように考えていらっしゃいますか。

答)

今、ちょうどここに来る前、成長戦略会議で、今、順番に、各省庁の政務三役がヒアリングを受けていまして、私も「お白州(しらす)」に行ってきたのですけれども、まさしく活性化をどうするか、というときに、金融セクターをどうやったら活性化できるか、ということなのですが、これは規制とは表裏一体でして、これは規制するために規制しているわけではなくて、規制することで、透明性とか安全性とか公正さというものが増すことによって、結局、投資しやすいマーケットを作る、信頼できるマーケットを作るということが、結果として活性化につながっていくという面もあるので、必ずしも、この一連のサミットでの議論を踏まえた対応が、活性化と逆行する対応ではないということは、まずご理解いただきたいと思うのですね。こういう対応をすることも、間接的に活性化につなげていくと。

ただ、今のご質問は、「より直接的に、もっと自由で、いわばあまり監督当局から細かいことを言われないで活動できるようなマーケットにしたらどうだ」ということだと思うのですが、それは税制面での対応であるとか、あるいは、例えば、取引所政策であるとか、いろいろなことをやっていかなくてはいけないということは、ご指摘と認識は一致しています。ただ当面、金融庁もマンパワーにも制約がありますので、この、今の世界的な議論に対応した制度整備は大変な大作業なので、目先は、当座はこれに集中するということとご理解をいただきたいと思います。

問)

またスケジュール的なものになってしまうのですけれども、今後も、来年の通常国会での成立を目指すとして、その後、適用がされるときなのですけれども、例えば、証券会社の連結規制ですとか、デリバティブの不招請勧誘ですとか、影響はある程度大きなものもあるかなと思うのですけれども、実際に適用されるときというのは、いつぐらいをイメージしていらっしゃいますか。

答)

これは、多分、これだけ大きな改正だと、その後、政省(府)令とかいろいろなものも見直し等、これは見直したものに対して、またパブリックコメントももらわなければいけなかったりするわけですから、常識的に考えると、成立してから数か月後だと思いますね。今回の法案のようなスピード施行ということはないと思います。

それと同時に、半年後に、また金融サミットがあるわけですよね。他国の状況もよく見た上で対応しなければならない点もありますので。ちょうど法律が成立するであろうと思われる時期が、また次の金融サミットと時期的には接近していますから、最終的な法の施行というのは、さっき申し上げた政省(府)令にどういうものを落としていくか、というときに、他国の状況なども踏まえながら、ディテールについては検討していくことになるので、そういうことにもスケジュールは若干影響されるかもしれません。

問)

「規制をする」という趣旨はよく分かるのですが、事務方さんはよくお分かりだと思いますけれども、世界では、決済をめぐる競争というのが激しいわけですよね。ユーロではスイフト(SWIFT)を使ってどんどんそれを拡大していこうという動きがあるし、アメリカはアメリカでそれに対抗軸を出していると。そういう中で、CDSの清算機関に関しても、ヨーロッパとアメリカでしのぎを削る競争が始まっていると思うのですけれども、そういう環境の中で、日本は市場の規制を強化するということが主眼で、競争上に何か、どう変わっていくかというような観点の議論は、先ほどの方と共通するような質問になるのですが、今回はあまりないですか。

答)

これは、後で、事務方にも補足してもらいますけれども、これは「規制強化」というふうに言わないでくださいね。「制度整備」についての骨子なので、必ずしも「規制強化」というふうに捉えていただかないほうが良いかなと思います。それが1点。

ただ、決済が大変なビジネスチャンスであり、マーケットのヘゲモニー(支配権)を決める重要なポイントだということは十分認識していますので。したがって、この骨子についても、一番最初に出てくるのは、清算集中及び清算機関制度なのですよね。だから、これはちょっと、マル1のところを読みますと、「取引量が多額な店頭デリバティブ取引については、清算集中により、清算機関に危機の伝播を遮断させ、我が国市場の決済リスクを縮減することが必要と考えられる」と。※印のところも読みますよ。「我が国市場における決済リスクの縮減を確実かつ速やかに行うためには、我が国に設立された清算機関(国内清算機関)による清算集中が本来求められるところ」と。だから、早くこれをやらなければいけないという認識は持っていますので、それはあなたのご指摘と共通の問題意識です。

だから、必ずしも何か規制を強化して、とにかくガチガチのマーケットにするなんていう発想では全くありません。できるだけ日本の金融マーケットが、欧米や、今や、中国も、上海も大変な競争相手なので、そういうところに遅れをとらないように制度整備をする、ということなので、規制強化ではなくて、できたら皆さんの新聞の見出しも「金融庁、市場活性化に向けて制度整備に着手」とか、こういうふうに書いていただけるとありがたいかなと。余計なことを言って申しわけありませんが。

問)

証券会社のところのさっきおっしゃったマル1マル2マル3なのですが、マル3のところで「親会社が…」という文面の中で、「証券会社と一体的に業務を運営しているとは認めない事業会社等」の「等」、「等」って何ですか。

事務方)

特段、念頭に置いているものはないのですけれども、要は、「証券会社と一体的な事業運営を行っていない会社」というものを指す定義がないものですから、「事業会社」というものが想定されるのですけれども、では「事業会社とは何だ」というと、「何でもしている会社」になってしまいますので。簡単に言いますと、銀行とか証券会社とかそういうものではなくて「証券会社と一体的に業務を運営していない会社」と書きたいところを、それだけでは分からないので「事業会社」という言葉を使っているのですが、「事業会社」というものの定義はございませんので、「事業会社等」と使っている、極めて役人的な文学でございます。

答)

あと、だから実態が分からないので、調べてみないと分からないときには、これ(「等」)が入ってくるのですよね(笑)。

問)

金融の規制だと、この中身以外にも、例えば、従業員とか役職員の所得の制限の論点であるとか、株式持合いの透明性を高めるとか、この問題範囲以外の、何か金融の規制というのは、またそれぞれ来年に向けて動き出すものはないのですか。とりあえず当面の金商法みたいな法整備が必要なものは、ある程度これで包括的に含まれていると考えれば良いのですか。

答)

課題はほかにももちろんありますし、またどんどん出てくると思うのですが、当面は、これだけでも盛りだくさんですから、「これ以外にあるか」と言われても、結構大変ですね。ただ、報酬規制とかは、欧米ほど日本の金融機関の報酬はそれほど高くはなかったり、若干の差はありますので、まず我が国は、ここに掲げた骨子の内容に注力をするということであります。

問)

ちょっとここの細かい点とは違うのですけれども、民主党政権になってから、特に、「日本は、マーケットキャピタリズムを嫌っているのではないか」という印象が海外であるようなのですけれども、その辺はどうなのかという認識を、何かお話ししていただけますでしょうか。

答)

それは、そんなことないですよ。マーケットキャピタリズム、大好きですよ。というか、やはり、市場は非常に大事だと思っていますし、日本は、資本主義国家ですし。そういうふうに海外からご懸念されているとすれば、ご懸念を払拭するような対応をこれからしなければならないと思っています。

よくその脈絡で、成長戦略のことが言われるわけですよね。「投資したくても成長戦略もはっきりしない政権の運営している日本に投資できるのか」と、こういうコンテクストなわけでありますが、昨日の、竹中(平蔵)さんと菅(副総理)さんの議論でもお分かりいただけるとおり、成長戦略を定性的に語ることは簡単なのですよ。だけれども、長い間それをやってきて、日本は高度成長が終わって、1980年代から1990年代のバブルが破綻(はたん)して以降は、事実上、ほとんど、その局面局面での成長戦略が所期の成果をあげたことはないわけですよね。だから、「その原因は何だったのだ」ということについて、明確な認識がないまま定性的な成長戦略を掲げることは、かえって市場や資本主義のダイナミズムをまた損ねてしまうという思いがあるからこそ、(菅)副総理が、しっかりと過去を検証した上で、新たなスタートを切りたいということでありますので、私たちは決して市場や資本主義というものを軽視しているわけではなくて、むしろ、これまでの政権よりも、よりマーケットのダイナミズムを発揮させるためにはどうしたら良いか、ということに、今、腐心しているということだと、ぜひご理解ください。

また、そういう観点からも、経済財政担当大臣でもある(菅)副総理も、まさしく「金融・財政が整合的に運営されることが必要だ」という視点から、中央銀行ともしっかりした連携態勢を整えつつあるし、徐々に的確なメッセージが伝わり、かつ行動をとりつつあるというふうに我々自身は思っていますので、前向きに評価をしていただきたいなと思います。

問)

必ずしも専門的な金融の知識に詳しくない一般の投資家、あるいは投資家のビギナーに向けて語るおつもりで、ちょっとお聞きしたいのですけれども、「昨年のリーマン・ショックのような大きな金融危機が、今後も発生する可能性もあるかもしれない」、そういう不安を抱いている一般投資家が、投資に非常に臆病になっているような状況があると思うのですけれども、こうした、今、副大臣がおっしゃられる金融の制度整備をされることで、一般投資家にかかるリスクみたいなものが軽減されるということなのでしょうか。その辺りをできるだけ優しく解説していただけるとありがたいのですが。

答)

基本的には、軽減されるということです。投資家の皆さんに、あるいは国民の皆さんに、より安心して使っていただける市場や仕組みを作るための取組みだということです。そのように伝えていただければ助かります。

問)

バーゼルのやつが今日はあれですけれども、もしご感想があれば。

答)

ご感想、良かったですよね。いやいや、もちろん事務方がしっかり交渉もしてきてくださいましたし、やはり当初言われていた、あるいは皆さんが報道していた内容がそのまま導入されれば、やはりそれなりのインパクトはあったであろうというふうに推測できるので、その認識が、徐々に日本だけではなくて、欧米の関係者の間にも広まっていった結果、現実に配慮した対応となりましたので。これは、だけれども、まだスタート台についただけなので、今後、現実に配慮した、たたき台となった内容をもとに、来年以降、具体的に更にどういうふうに中身が詰まっていくか、ということだと思いますので、良かったなと思いつつ、引き続き、予断なく交渉は見守っていきたいと。

ただ、もう一つお伝えするとすれば、例えば、グランドファザリング(既存の取扱いを一定期間認める措置)がああいう年数で導入されるかもしれないというふうになっているからといって、日本のメガバンクを中心とした民間金融機関の皆さんには、財務体質の改善等に関心が薄れることのないように適切にやっていただきたいし、もともと、こういう緊張感が走る背景にある株式の保有比率の高さ等についても、不断の改善、努力をしていただきたいとは思っています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る