第7回政策会議後大塚内閣府副大臣記者会見の概要

(平成22年2月25日(木)11時15分~11時30分 場所:金融庁共用第1特別会議室)

【副大臣より発言】

今日は、今国会で提出する金商法の改正案の法律に係る部分について、徐々に内容が固まりつつあるので、ご説明をさせていただきました。条文については、来週、また政策会議にかけさせていただいて、それで3月12日に間に合わせるような形になると思います。

出た質問としては、「金利スワップなんかの取引集中だけではなくて、為替のデリバティブ取引とか、そういうことも清算集中したほうが良いのではないか」と。「為替のほうがエクスポージャー(リスクにさらされている額)は大きいのではないか」というようなご質問とか、それから、「連結決算、連結規制を強化するのは良いのですけれども、例えば、証券会社の子会社のほうが、何か証券とは直接関係のない企業を持っていて、そういうケースにおいて物凄いレバレッジを効かせたビジネスなんかをやっている時に、そのこと自身は連結規制してもあまり抑制できなくて、いわばリスク回避にはならないですよね」というようなご質問とかがありました。為替等については、資料編の2ページにOTCのデリバティブのグラフがあるのですけれども、「実はそんなに多くはないので、今後、多くなってくれば、そういうこともおのずと清算集中という話は出てくるのではないか」というようなことは申し上げました。

あとは、そういう証券会社の連結規制をやっても、今、申し上げたようなことを未然に防止するということはできないまでも、実際に連結すれば、B/S(バランスシート)にはエクスポージャーは必ず出てくるわけなので、レバレッジをどのぐらい効かせているのか、とか分かるわけですから、まあまあ一定の情報収集によるリスクの抑止効果というのはあるのではないかというニュアンスの会話が行われました。

あとは、「国内清算機関を中心でやるべきではないか」というご意見もありました。それは、「確かに、清算ビジネスそのものもマーケットの大変な競争力につながる話なので、できればそういう方向で迅速に対応したい」というふうには申し上げました。ただ、従前から皆さんにもお話ししているように、この分野というのは、LCH(クリアネット 英国所在の清算機関)とか、既に、先行して、事実上定着しているものとか、慣行化している部分もありますから、何かそれを無理矢理剥がして国内の清算機関に持ってこれるというわけでもないので。まさしく競争の世界ですから、国内の清算機関の利便性が高くて、プレーヤー側から見てそこに集中するメリットがあればおのずとそうなるので。今回の法整備にしっかり対応して、これからそういう取組みを進めていくということだと思います。

大体、私のほうからは以上です。何かご質問があれば。

【質疑応答】

問)

会議の冒頭で、「共済制度についての法律も今国会で考えている」という趣旨のお話があったのですけれども、前に、亀井(大臣)さんが財務金融委員会の際にも少し話していましたけれども、前に確か、「PTA共済とか、子ども会の共済の法律について文科省で考えている」という話もあったりして、そこら辺との関係性というのはどういうイメージを持っていらっしゃいますか。

答)

PTA(共済)のように、制度共済として文科省が個別に整備できるものは良いですけれども、個別に整備が進まない、例えば、今回の文科省のように所管官庁が考えていないものも含めて、大変多くのものがあるわけですので、それらをどういうふうに包括的に取り扱えるのかということを、今、検討しているわけです。本当にたくさんあるのは皆さんご承知のとおりで、例えば医師会とか歯科医師会とか、そういうところの共済もあります。ただ、その一方で、もともと適用除外制度もある中で、「小規模のものは適用除外」というようなことを言っていたわけですが、大規模なものになればなるほど保険との境界が非常に難しくなるわけですから、その辺の概念整理、それから、意味のある監督及び制度整備ができるかどうかを、今、本格的に検討を始めている最中だということです。

重ねてですが、これは、もちろん行政当局である金融庁としての自発的意思であるという面とともに、やはり自主共済でいろいろな問題が生じているということは、党としても、連立各党としても非常にそのことを強く認識していて、とりわけ民主党幹事長室からも、「これは、国民の皆さんがお困りのことなので、しっかり対応するように」というような要請もあり、さらには、そもそも監督担当である亀井大臣もそういう意識を強くお持ちなので、いわば政府・与党関係者の問題意識がほぼ同じ方向に向いてきたということですので。ちょっと、突貫作業にはなりますけれども、何とかこの国会に間に合わせられるかどうかを、今、検討しているということです。

問)

保険業法の改正になるのですか、それとも新しい新法ですか。

答)

今、方向感としては、どちらかといえば、新しい共済制度を包括的に対応する法案を検討しているということであります。ただ、それに付随して、保険業法を一部手直ししなければいけないとか、そういうことも出てくるかもしれないのですけれども、まだ、そこまで詳細には固まっていません。

問)

(金融商品取引法の一部を改正する法律案の)導入のスケジュールが金商法の資料の13ページに入っているかと思うのですけれども、これで施行スケジュールは分かるのですけれども、公布日が分からないのであれなのですが、逆算すると6月ぐらいかなと思うのですけれども、そういうイメージなのですか。6月予定みたいな…。

答)

この「来年の」ということですか。今、ちょっと公布日までは記憶にないですけれども、公布日はまだ分かりません。

問)

(G20)ピッツバーグサミットに、2012年末まで清算集中云々というのがあって、それは2年半以内というふうにありますので、逆算すると6月なのかなと思うのですけれども…。

答)

それは分からないです。確認しておきます。

問)

常識的に考えると…。

答)

常識的に考えると、6月から9月ぐらいの間ですよね。

問)

戻ってしまってあれなのですが、共済制度で、イメージとして新しい法律ということなのですが、これは、監督も金融庁がやるのですか。

答)

そこも含めて、どうするべきかということを、今、検討しています。金融庁がやるのか、それともそれぞれの、例えば、公益法人なんかがやっているところなんかは公益法人の監督があるわけですから、そういうことも含めて。

もともと、この保険業法改正、前回の保険業法改正の時の「新しい共済制度について(根拠法のない共済への対応について)」という金融審の最終報告書の最後のところに、実際、保険業法を改正してみると、そういういろいろな、自主共済の扱い等々についての問題が表面化するかもしれないので、その時には「5年後ぐらいを目途に適切に見直す」ということが報告書の最後に書いてあるのですよね。だから、年数で言うと、今、4年目なので、1年早い感じはしますけれども、考えているところです。今おっしゃったような、どこが監督するべきかということも含めて議論をしています。

問)

今の共済の話との関連で、先ほど、「概念整理」というお話がありましたけれども、これはある意味、だから、適用除外の範囲をもうちょっと上げるとか、そういうイメージで検討されているということなのですか。

答)

いろいろなやり方はありますよね。だから、さっきおっしゃったように、そもそも保険業法を大きく改正するというやり方とか、今の、適用除外の範囲をどうするかとか、あるいは、そうではなくて共済制度そのものにターゲットを当てたもっと包括的な括り方をするとか、幾つかバリエーションはあるのですけれども、さっき申し上げたように、今は、どちらかというと共済制度そのものをもう少しどうするかという、どういうふうに捉えて、それをどういうふうに管理・監督していくかということの方向で考えています。

ただ、やはり、もともとなぜあの保険業法改正になったのかと言えば、皆さんご承知のとおり、オレンジ共済とかいろいろな問題があってああいうことになったわけですから。ただ、その時も、そうは言いつつ「あまりリジット(固定的)な対応をし過ぎると自主共済とか困るのではないのですか」ということは、委員会で議論になっているわけですよね。加えて、その後、公益法人改革とかが出てきたので、保険業法改正の時には想定していなかった公益法人改革が、やはり自主共済に大きな影響を与えているという事後の新たな要因も出てきているので、今、対応を始めていると。ただ、対応の仕方は、今、質問の時にお答えしたように、バリエーションはいろいろあるので、まだ、別に固まっていません。

問)

「健全な無認可」ということを、冒頭(の挨拶で)言われたのですが…。

答)

「健全な無認可」とは言っていないような気がするけれども。そういう表現は全く使った記憶はないけれども…。改めて質問してください。

問)

健全性を測る基準というのはどういうふうにお考えでしょうか。

答)

それも含めて、今、検討中です。そういうところが、一番概念的に難しいところですよね。一番難しいところです。

問)

PTA(共済)以外で、関心をお持ちの省庁というのは今のところないという感じなのでしょうか。

答)

いえ、関心は持っていると思いますよ。関心は持っているけれども、この国会で具体的に対応しようとしているところはないということですね。

問)

金融にかかるところなので、文科省さんのところでもやり切れない部分があるのではないか、というような見方も成り立つかと思うのですが、その辺り、例えば、共済にするとか、金融庁がほかでおやりになる省庁に対しても協力するとか、一緒にやっていくという方向性はありますでしょうか。

答)

今、各省庁と話をしていると思いますが、最終的にどうするかということを、今、まさしく検討している最中だということですね。

問)

証券(金商法)のところに戻るのですけれども、依然として、「大規模」という意味についての定義がなかなか出てこないのですけれども…。

答)

どこですか。

問)

(証券会社の)連結規制のところなのですけれども、巷間(こうかん)で言われているのは、野村(証券)とか大和(だいわ)(証券)とか、そういったところを想定しているのだろうということで、そこから大きく見直すことないと思うのですけれども、どういった基準になるのかというのは、やはり関心があるので教えていただきたいと思うのですが、まだ決まらないということでしょうか。

答)

そうですね。条文が出てきたところで…、ただ、条文に明記する話ではないと思うのですよね。多分、政省(府)令に落ちるのではないかなという気もします。

そもそも、今回の金融危機のバックグラウンドが、実態的に大きな影響を与えるかどうかということがポイントなわけですから、すごく図体は小さい証券会社でも、さっき申し上げたように、物凄いエクスポージャーにコミットしていて、大きな問題を起こす可能性、リスクを顕現化させる可能性があるとしたら、別に、例えば、資本金が小さくても見なければいけない場合はあるだろうし、その辺は非常に悩ましいところですよね。だから、整備の目的は何かと言えば、市場のリスクの顕現化を未然に防ぐというところが目的なので、その目的に資するような対応にしなければならないとは思っています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る