VII  銀行業への新規参入の取扱い

VII -1 銀行業への新規参入に係る免許審査及び免許付与後の監督上の対応等

VII -1-1 意義

これまで、コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行、インターネット上でのみサービスの提供を行う銀行、主として中小企業向けミドルリスク・ミドルリターンの融資を行う銀行、といった新たな形態の銀行や特色ある銀行が設立されている。また、株主構成面では、事業会社等の異業種による銀行業への参入もみられるところである。

新銀行の免許申請がなされた場合、又は、銀行主要株主認可申請がなされた場合には、当局としては、申請者の財産的基礎や人的構成等、銀行法に規定されている審査基準に合致しているか否かについて厳正に審査する必要がある。

一般的には、新銀行の免許申請がなされた場合には、申請者が銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができるかどうかについては、申請者が行おうとするビジネスモデルに応じて、本監督指針に定める着眼点も参照すべきであるが、以下は、特に、当局が、銀行業への新規参入に関し、免許に係る審査及びその後の監督上の対応を行う際の着眼点を類型化して例示したものである。

なお、具体的な審査手法としては、申請者より申請内容について十分なヒアリングを行うとともに、経営者の適格性や、銀行の業務を的確、公正かつ効率的に遂行できる態勢整備の実態が申請内容と整合的であるかなどを検証するに当たり、必要に応じ、説明内容の裏付けとなるデータ等の追加資料の提出を求めることとする。

また、預金保険法第55条の2第4項及び第58条の3第1項に規定する措置が具体的に講じられるかについても審査するものとする。

(参考)「預金保険法第55条の2第4項及び第58条の3第1項関連チェック項目」(様式・参考資料編 資料1)

VII -1-2 銀行の財務や経営に影響力を有する株主が存在する銀行の免許申請について

銀行の開業後における収支や自己資本の充実状況の見込み(銀行法施行規則第1条の8第3項第2号及び第3号)を検証するに当たっては、それがどのような前提で策定されているかについても留意することとなるが、その際、銀行主要株主及び銀行に対し財務面や経営面でこれと同等の影響力を有する者(以下 VII -1-2において「銀行主要株主等」という。)の銀行の経営悪化時における対応については、銀行の財務の健全性の判断要素となる。

具体的には、銀行主要株主等が銀行の経営悪化時の対応についてどのような検討を行っているか、また、銀行の財務内容が悪化した時に、銀行の財務の健全性維持に向けて銀行主要株主等が行う対応の内容について銀行主要株主等と銀行との間において確認がなされているか、といった点についても把握するものとする。

VII -1-3 限定的な銀行業務を営む免許申請の取扱いについて

  • (1)免許審査の対応

    融資業務を行わない、為替取引を行わない、といったように、必ずしも銀行業務の全てを行わないようなビジネスモデルによる銀行免許の申請がなされた場合には、そのような限定的な銀行業務を適切に遂行できる体制か否か等について法令に定める基準に基づき審査を行うものとする。

    しかしながら、このような銀行の場合には、免許付与後に、免許申請時には想定していなかった業務展開を行おうとする場合には、当局として、そのような業務が適切に遂行できる体制となっているか等について改めて検証を行うことが必要である。

    したがって、銀行業務の全てを行わないようなビジネスモデルによる免許申請に対して免許を付与するときは、免許申請時に想定していなかった新たな銀行の業務を行おうとする場合にはあらかじめ当局の承認を必要とする旨の条件を付することとする。

  • (2)免許後の監督において留意すべき事項

    免許付与後に免許申請時には想定していなかった業務展開が行われるような場合には、免許条件に基づき、当該業務が適切に遂行できる体制となっているか等について改めて検証を行い承認の可否を判断することとする。

    なお、銀行が免許の条件に違反した場合には、法第27条等に基づく行政処分を検討することとする。

VII -1-4 資産構成が国債等の有価証券に偏っている場合のリスク管理や収益性の観点

  • (1)基本的考え方

    銀行の資産構成が貸出ではなく国債等の有価証券に偏っている場合には、現行の信用リスクを中心とした自己資本比率規制の下では、信用リスクはほとんどないことから所要自己資本額は極めて小さくなるが、伝統的な銀行業とは異なる業務形態にかんがみ、金利リスク、事務リスク等のリスク特性に見合った自己資本が必要である。また、伝統的な銀行業に想定される信用リスクを取らない場合には、信用リスクに対応するリターン(収益性)も期待できないことから、将来の収支見通しについては、この点も勘案した審査が必要である。

  • (2)免許審査及び免許付与後の監督上の主な着眼点

    • マル1免許審査において確認すべき事項

      • イ.銀行の資産構成が貸出ではなく国債等の有価証券に偏っている場合には、伝統的な銀行業とは異なる業務形態にかんがみ、金利リスク、事務リスク等のリスク特性に見合った自己資本となっているか、ALM管理(資産負債管理)等のリスク管理が適切に行われるような体制となっているか。

      • ロ.将来の収支見通しの審査に当たっては、収益源をどこに求めるのか、その収益源は確実かつ将来にわたり安定的と見込まれるか、収益の前提となる諸条件について見込みを下回った場合の対応策が講じられており、そのような場合でも経常経費を賄う程度の収益を見込めるか。

      • ハ.なお、全国的に決済業務を営む場合には、確実な決済の確保が見込まれるか。

    • マル2免許後の監督において留意すべき事項

      免許審査時に確認した自己資本が維持されているか、ALM管理等のリスク管理が適切に行われているか等について、検査ないし報告徴求等により確認する。また、免許審査時に確認した収益源については、計画どおりの収益を上げているかどうか、収益の前提となる諸条件に変更はないかどうか、計画どおりの収益を上げていない場合にはその対応策等について、報告徴求等により確認する。

VII -1-5 有人店舗を持たずインターネット・ATM等非対面取引を専門に行う場合の顧客保護等の観点

  • (1)基本的考え方

    インターネット等による電子金融取引は、既存銀行において既に取扱いを開始しており、規制のあり方や監督方法を電子取引の特性に対応したものへと見直すことにより、実効性のある利用者保護を図る必要が生じている。特に有人店舗を持たず、専らインターネットやATM等の非対面取引を専門に行う銀行については、従来有人店舗が果たしてきた機能を、適正なルール及び行内の態勢整備等を行うことにより他の手段で代替する必要がある。また、IT(情報通信技術)を活用した新たなサービスの提供に当たっては、一般の利用者が特別の訓練を経ずに安全かつ簡便に利用できるような仕組みが整えられている必要がある。以上のような観点を踏まえ、当面、インターネットやATM等の非対面取引を専門に行う銀行に対する免許・監督については、以下の点に留意する。なお、電子金融取引に係る規制・監督一般については、関連分野の有識者からなる各種報告書の指摘も踏まえ見直しを行う。

  • (2)免許審査及び免許付与後の監督上の主な着眼点

    • マル1免許審査において確認すべき事項

      • イ.以下に掲げる事項について、無店舗営業であっても適切に対応し得るための態勢が整備されているか。

        • a.顧客からの苦情・相談の対応

        • b.システムダウン等に伴う顧客対応

        • c.法令に基づく顧客への説明義務の履行

        • d.ディスクロージャーの履行

        • e.マネー・ローンダリング防止等の組織犯罪への対応の観点からの取引時確認義務及び疑わしい取引の届出の履行

      • ロ.収支見通しについて、競合者の参入、システムの陳腐化等、環境の悪化に伴う対応方策が確立しており、その場合でも一定の収益を見込めるような計画となっているか。

      • ハ.金利等の条件に敏感である顧客層の特性や、取引の解約・変更が容易になされ得る特性にかんがみ、顧客の一時大量流出に備えた流動性確保のための方策が確立しているか。

      • ニ.システムのセキュリティのレベルが十分な水準に達しているか。システムの安全管理体制(外部委託先の管理を含む。)や障害発生時の危機管理体制等が適切に講じられているか。(外部機関からの評価書類の提出を求めるものとする。)。

    • マル2免許後の監督において留意すべき事項

      免許審査時に確認した対応策の履行状況について、検査ないし報告徴求等により確認する。

VII -1-6 事業親会社等が存在する銀行の免許申請について

VII -1-6-1 子銀行の事業親会社等からの独立性確保の観点

  • (1)基本的考え方

    銀行の経営の健全性を確保するためには、経営の独立性の確保が前提となるが、銀行の経営方針に重要な影響を及ぼし得ると想定される銀行主要株主に事業会社等が存在する場合には、当該事業会社等(以下 VII -1-6において「事業親会社等」という。)の事業戦略上の要請によって、子銀行の健全性が損なわれることのないよう、銀行経営の独立性の確保について、特に留意する必要がある。

  • (2)免許審査及び免許付与後の監督上の主な着眼点

    • マル1免許審査において確認すべき事項

      • イ.子銀行の経営陣が常に銀行経営の健全性を最優先として、独立して経営判断を行う経営体制が確保されているか。例えば、子銀行の役員が事業親会社等の役員又は職員を兼任すること等により、子銀行の経営の独立性が損なわれていないか。

      • ロ.事業親会社等の店舗を共有する場合等において、銀行業務の一部を事業親会社等に委託したり、事業親会社等の職員が銀行員を兼職すること等により、保安上ないしリスク管理上、銀行業務の健全かつ適切な運営が損なわれていないか(なお、この点は、コンビニにATMを設置する等のインストアブランチ(小売店舗内銀行営業所)一般の形態に適用されるべき事項である。)。

    • マル2免許後の監督において留意すべき事項

      免許付与後の子銀行の経営の独立性や、銀行業務の健全かつ適切な運営の確保の状況等について、銀行法に基づき子銀行に対する検査ないし報告徴求等により確認する。

VII -1-6-2 事業親会社等の事業リスクの遮断の観点

  • (1)基本的考え方

    銀行経営の独立性が確保されたとしても、事業親会社等の経営悪化等、子銀行の意図しない事業親会社等のリスクが子銀行に及ぶ可能性がある。特に、子銀行と事業親会社等とが営業基盤を共有しているような場合には、事業親会社等の破綻等に伴い、子銀行の営業基盤が一気に失われるおそれ(共倒れリスク)がある。こうしたリスクに対応するためには、現行の大口信用供与規制及びアームズ・レングス・ルールの遵守は当然のことであるが、以下のような諸点について留意する必要がある。

  • (2)免許審査及び免許付与後の監督上の主な着眼点

    • マル1免許審査において確認すべき事項

      子銀行において、事業親会社等のリスクを遮断するための方策(注)が十分講じられているか。なお、当該方策には、最低限、以下の項目が含まれている必要がある。

      • イ.事業親会社等の業況が悪化した場合、当該事業親会社等に対し、支援、融資等を行わないこと。

      • ロ.事業親会社等の業況悪化や、事業親会社等による子銀行株の売却、預金の引出し等、事業親会社等に起因する種々のリスク(シナジー(相乗)効果の消滅、レピュテーショナルリスク(風評リスク)等に伴う株価の下落・預金の流出、取引先の離反等)をあらかじめ想定し、それによって子銀行の経営の健全性が損なわれないための方策(収益源及び資金調達源の確保、資本の充実等)を講じること。

      • ハ.特に、子銀行が事業親会社等の営業基盤を共有しているような場合には、事業親会社等の破綻等に伴い、営業継続が困難とならないような措置を講じること。

        • (注) なお、事業親会社等の子銀行以外の子会社等についても、子銀行との間で営業基盤を共有する場合等当該子会社等のリスクが子銀行に及ぶ可能性が高い場合があり得ることから、当該子会社等に対する必要なリスク遮断策を併せて求めるものとする。

      • ニ.上記のリスク遮断策によっても、完全に事業親会社等のリスクを遮断することが困難な場合も想定され、事業親会社等の経営リスクに伴う子銀行の経営悪化を早期に把握する観点から、銀行主要株主認可に係る審査の過程において、子銀行の経営に影響を及ぼし得る事業親会社等の業況について確認する。具体的には、免許申請者の収支の見込みや社会的信用等を審査するに当たり、当該事業親会社等の財務状況や社会的信用等についても十分勘案する。

    • マル2免許後の監督において留意すべき事項

      免許付与後のリスク遮断策の履行状況(その確実な履行を免許の条件とする)については、子銀行に対する検査ないし報告徴求等により確認する。なお、リスク遮断策の履行状況に問題がある場合や、当初予定していたリスク遮断策では不十分である場合には、子銀行に対し、法第26条に基づく業務改善命令を発出することもあり得る。

VII -2 銀行主要株主の認可審査及び認可後の対応

VII -2-1 意義

  • (1)事業会社等は、顧客基盤や店舗ネットワークの共有を通じたシナジー効果を得ることを目的とした銀行業への参入がみられる。また、投資目的により銀行株式を保有する者もみられる。このような者のうち、国、地方公共団体等を除き、銀行の経営に影響力を及ぼし得る者については、銀行法に基づき、銀行主要株主としての認可を受けることが必要である。

  • (2)したがって、銀行免許の申請がなされる際、当該申請者に、事業会社等や投資ファンド等、銀行主要株主となろうとする者が存在する場合には、銀行主要株主認可申請が同時になされることが必要であり、当局としては、免許審査と並行して銀行主要株主認可に係る審査を行うことが必要である。

VII -2-2 銀行主要株主認可審査において確認すべき事項

VII -2-2-1 事業会社等による銀行主要株主認可申請

  • (1)事業会社等による、銀行の議決権に係る取得資金に関する事項、保有の目的、その他議決権の保有に関する事項に照らして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1事業会社等の銀行保有に係る方針・目的が銀行の業務の健全性・適切性等を損なうおそれがないか。例えば、短期売買目的による議決権の保有等となっていないか。

    • マル2議決権を取得するための資金原資にかんがみ、銀行の業務の健全性・適切性等を害するおそれがないか。例えば、過度の借入金による議決権の取得等となっていないか。

    • マル3事業会社等を含めたグループ間における取引の適正確保がなされているか。

  • (2)事業会社等の財産及び収支の状況に照らして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1事業会社等の財務の状況、資金調達の状況にかんがみ、銀行の業務の健全性・適切性等を害するおそれがないか。

    • マル2特に、子銀行の50%超の議決権を保有している事業会社等については、子銀行が計画どおりの収益が上げられない場合にも、その経営の健全性確保のための十分なキャッシュフロー等が準備されているか。

    • マル3認可審査に際しては、直近の決算期の財務諸表及び監査報告書等の資料(事業会社等が外国法人等である場合には、財務状況を示す類似の資料)の提出を求め、監査報告書に当該事業会社等の継続企業(ゴーイング・コンサーン)の前提に重要な疑義が認められる旨の追記がないか等について確認することとする。

  • (3)事業会社等が、その人的構成等に照らして、銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であるか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1事業会社等の経営体制、当該事業会社等が主要株主基準値以上の議決権を保有する銀行(以下 VII -2-2及び VII -2-3において「子銀行等」という。)に係る経営管理体制にかんがみ、銀行の公共性について理解を有し、かつ、十分な社会的信用があるか。

    • マル2子銀行等の経営の健全性を確保するためには、子銀行等の経営の独立性が確保されることが前提となるが、銀行主要株主に事業会社等が存在する場合には、当該事業会社等の事業戦略上の要請によって、子銀行等の経営の独立性が損なわれることがないよう、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

      • イ.事業会社等の役員又は職員が子銀行等の役員又は職員を兼任すること等により、子銀行等の経営の独立性が損なわれていないか。

      • ロ.子銀行等が事業会社等の店舗を共有する場合等において、事業会社等が銀行業務の一部を受託したり、事業会社等の職員が銀行員を兼職すること等により、保安上ないしリスク管理上、銀行業務の健全かつ適切な運営が損なわれていないか(なお、この点は、コンビニにATMを設置する等のインストアブランチ(小売店舗内銀行営業所)一般の形態に適用されるべき事項である。)。

  • (4)子銀行等の経営の独立性が確保されたとしても、事業会社等の経営の悪化等、子銀行等が意図しない事業会社等のリスクが子銀行等に及ぶ可能性がある。特に、子銀行等と事業会社等とが営業基盤を共有しているような場合には、事業会社等の破綻等に伴い、子銀行等の営業基盤が一気に失われるおそれ(共倒れリスク)がある。こうしたリスクに対応するためには、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1子銀行等に対する事業会社等のリスクを遮断するための方策が十分講じられているか。なお、当該方策には、最低限、以下の項目が含まれている必要がある。

      • イ.事業会社等の業況が悪化した場合、子銀行等より支援・融資等を受けないこと。

      • ロ.事業会社等の業況悪化、子銀行等株式の売却、預金の引出し等、事業会社等により子銀行等に起因する種々のリスク(シナジー(相乗)効果の消滅、レピュテーショナルリスク(風評リスク)等に伴う子銀行等の株価の下落・預金の流出、取引先の離反等)をあらかじめ想定し、それによって子銀行等の経営の健全性が損なわれないための方策(収益源及び資金調達源の確保、資本の充実等)を講じること。

      • ハ.特に、子銀行等が事業会社等の営業基盤を共有しているような場合には、事業会社等の破綻等に伴い、事業継続が困難とならないような措置を講じること。

    • マル2上記のリスク遮断策によっても、子銀行等に対する事業会社等のリスクを完全に遮断することが困難な場合も想定され、事業会社等の経営リスクに伴う子銀行等の経営悪化を早期に把握する観点から、銀行主要株主認可に係る審査の過程において、子銀行等の経営に影響を及ぼし得る事業会社等の財務状況や社会的信用等について十分検証する。

VII -2-2-2 投資ファンドによる銀行主要株主認可申請

  • (1)投資ファンドによる、銀行の議決権に係る取得資金に関する事項、保有の目的、その他議決権の保有に関する事項に照らして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1投資ファンドの銀行保有に係る投資方針・投資目的が銀行の業務の健全性・適切性等を損なうおそれがないか。例えば、短期売買目的による議決権の保有等となっていないか。

    • マル2議決権を取得するための資金原資にかんがみ、銀行の業務の健全性・適切性等を害するおそれがないか。例えば、過度の借入金による議決権の取得等となっていないか。

    • マル3投資ファンドの運用者や主要な出資者等が子銀行等の役員又は職員を兼任していないか。

    • マル4投資ファンドの運用が悪化した場合、子銀行等より支援・融資等を受けないこととしているか。

    • マル5投資ファンドやその出資者を含めたグループ間における取引の適正確保がなされているか。

  • (2)投資ファンドの財産及び収支の状況に照らして、銀行の業務の健全かつ適切な運営を損なうおそれがないか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1投資ファンドの運用の状況、資金調達の状況にかんがみ、銀行の業務の健全性・適切性等を害するおそれがないか。

    • マル2特に、子銀行の50%超の議決権を保有している投資ファンドについては、子銀行が計画どおりの収益が上げられない場合にも、その経営の健全性確保のための十分なキャッシュフロー等が準備されているか。

    • マル3認可審査に際しては、直近の決算期の財務諸表及び監査報告書等の資料(投資ファンドが外国ファンドである場合には、運用状況を示す類似の資料)の提出を求めることとする。

  • (3)投資ファンドが、その運用体制等に照らして、銀行の業務の公共性に関し十分な理解を有し、かつ、十分な社会的信用を有する者であるか審査する際には、例えば、以下のような点について十分検証するものとする。

    • マル1投資ファンドの運用体制について、銀行の公共性について理解を有し、かつ、十分な社会的信用があるか。

    • マル2投資ファンドの主要な出資者等が、銀行の公共性について理解を有し、かつ、十分な社会的信用があるか。

  • (4)特に、新規免許を受け営業を開始する銀行の経営が軌道に乗るには一定の期間を要することが一般的であることにかんがみ、ある程度長期保有を継続し、株主としてのガバナンスをもって新銀行の経営を安定・成長させる方針であるか、また、それがどういう形で担保し得るか等について確認するものとする。

    その際、株式の公開に関する考え方についても確認するものとする。

VII -2-3 認可後の監督において留意すべき事項

  • (1)銀行主要株主に対しては、法第52条の11に基づき当該銀行主要株主の決算期毎に有価証券報告書等のディスクロージャー資料(資金調達の状況を含む。ディスクロージャー資料がない場合は経営状況・財務状況を示す資料)及び当該銀行主要株主と子銀行等との取引関係(預金、借入等)を記載した書面の提出を求めるものとする。

  • (2)オフサイト・モニタリングや検査結果等に基づき、子銀行等の独立性確保及び子銀行等に対する事業リスク遮断のための方策等に係る実効性等に疑義が生じた場合は、銀行主要株主に対して、必要に応じて法第52条の11に基づく報告を求め、重大な問題があると認められる場合には、法第52条の13に基づく措置命令を発出する等の対応を行うものとする。

VII -3 既存銀行への資本参加等への適用

VII -3-1 既存銀行への資本参加等において留意すべき事項

  • (1)上記 VII -1の観点は、事業会社等及び投資ファンド等が既存の銀行に資本参加し、これに伴いインターネットバンキング業務を本格的に展開する等これまでのビジネスモデルを大きく変更した場合における当該銀行の監督上の着眼点においても、基本的に適用することとし、必要に応じて、法第24条に基づく報告を求め、ビジネスモデルの変更に向けた準備状況、既存顧客の保護の状況等を把握し、業務の適切性を検証することとする。

  • (2)なお、検証の結果、預金者等の保護及びビジネスモデルの変更に向けた円滑かつ適切な準備体制の確保等を図る必要があると認められる場合には、準備に要する期間を勘案した一定の期限を付した上で、法第26条に基づく業務の一部停止命令を発出する等の対応を行う。

VII -3-2 銀行主要株主認可について

  • (1)上記 VII -2の観点は、事業会社等及び投資ファンド等が既存の銀行に資本参加する場合の銀行主要株主認可に係る審査についても、基本的に適用することとし、銀行主要株主認可等の過程において深度あるヒアリングを行い、十分な検証を行うものとする。

  • (2)また、上記 VII -2に掲げた主な着眼点は、事業会社等が銀行持株会社を保有しようとする場合についても適用することとする。

VII -4 新たな形態の銀行等に対する本監督指針の準用

国内銀行には、本監督指針の適用を受ける主要行等、及び「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」の適用を受ける地域銀行のほかにも、新たな形態の銀行やいわゆる子会社信託銀行等が存在するが、これらの銀行の監督に当たっては、当該銀行の形態や業務の実態を踏まえつつ、必要に応じて本監督指針の規定を準用することとする。

(注) 信託兼営銀行における信託勘定に係る業務については、別途「信託会社等に関する総合的な監督指針」によることとなる。

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