参議院財政金融委員会における竹中金融担当大臣発言要旨

(平成14年10月29日)

(はじめに)

このたびの改造で金融担当大臣を拝命いたしました竹中でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。本日は、現下の金融行政について一言申し述べさせていただきたいと思います。

金融担当大臣の就任にあたり、総理から「不良債権処理の加速化について、具体策を早急に取りまとめ、全力で取り組んでもらいたい。金融システムの安定確保に万全を期し、市場の信頼を確保してもらいたい。」とのご指示をいただきました。この総理指示を踏まえ、より一層強固な金融システムを目指して、政策を進化させていきたいと考えております。

(不良債権処理の加速について)

まず第一に、不良債権処理については、「平成十六年度には不良債権問題を終結させる」との総理のご指示を踏まえ、金融庁に「金融分野緊急対応戦略プロジェクトチーム」を設置し、資産査定の厳格化、自己資本及びガバナンスの強化等について幅広い検討を行っております。これを踏まえ、近く不良債権処理の加速について包括的な対策を決定いたします。また、中小企業金融等金融の円滑化に配慮するとともに、不良債権処理と企業再生を一体として取り組む所存です。なお、経済情勢に応じては、柔軟かつ大胆な政策措置を講じ、金融システムと経済の安定の確保に万全を期してまいります。

(ペイオフ問題への対応について)

このように不良債権処理の加速等の政策強化を進める中、ペイオフについては、決済機能の安定確保のための制度面での手当てを行い解禁の準備を整えつつ、その実施は、金融システムの安定確保の観点から、不良債権問題が終結した後の平成十七年四月からといたします。決済機能の安定確保については、金融機関破綻時に全額保護される預金として、決済用預金を制度として用意するとともに、決済途上にある取引を完了させるための措置を講ずることとしております。

(地域金融機関の組織再編促進策について)

次に、地域における経済活性化の観点からは、金融機関の経営基盤の強化を図ることが重要であり、金融機関が合併等により組織再編成を行うことはそのための有力な手段と考えられます。したがって、主として地域金融機関による自主的な組織再編を円滑化するため、合併等の手続の簡素化、合併等による自己資本比率の低下を回復させるための資本増強等の施策を講ずることとしております。

(証券市場の活性化について)

また、我が国証券市場を幅広い投資家の参加する真に厚みのあるものとするため、去る八月六日、「証券市場の改革促進プログラム」を発表しました。

「貯蓄から投資へ」の流れの加速に向け、本プログラムの具体的な施策について、今後ともスピード感をもって着実に実施することにより、抜本的な改革を推進してまいります。

(おわりに)

最後に、先に申し上げた施策に関連して、既に今国会に、「預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」及び「金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案」を提出させていただきました。

法律案の詳しい内容につきましては、今後、改めてご説明させていただきますが、当委員会の委員長及び委員の皆様におかれましては、御審議の程よろしくお願い申し上げます。

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