- ホーム
- 談話等
- 金融庁長官談話 - 協栄生命…
平成12年10月20日
金融庁長官談話
- 協栄生命保険株式会社について -
1. 協栄生命保険株式会社(以下「協栄生命」という。)は、本日午後3時過ぎ、東京地裁に会社更生手続開始の申立てを行い、これを受けて地裁は保全管理人を選任し、保全命令を発出した。
2. 協栄生命は、厳しい財務状況の中、財務基盤の強化のため他社との提携等を追求してきたが、そうした取組が最終的に実を結ばない中で、同社の経営は厳しさを増している。同社はこのような状況の中で、保険契約者等の保護を図りつつ、将来の会社更生を目指す観点から、本日の申立を行ったものと承知している。
3. 今後、裁判所の監督の下で更生計画が策定されることとなり、それまでの間は、新規の契約に関する業務、解約に関する業務等は停止されるが、保険金の支払い、保険料の受領等の業務については、原則として、引き続き行われることとなる。
4. 現在契約されている保険契約の取扱いは、更生計画において定められることとなる。生命保険契約については、生命保険契約者保護機構による資金援助等のセーフティ・ネットが整備されており、更生手続においても、保険業法に基づく保険契約の移転等の場合と同じく、予定利率の変更等の契約条件の変更はありうるものの、少なくとも責任準備金(※)の90%までは確保されることとなる。また、平成13年3月末までの特例期間中に支払事由の生じた死亡保険金等については、その全額が支払われるなどの保護がなされることとなっている。
(※)責任準備金:将来における保険金等の支払いのために積み立てられているべき準備金
5. 先般の千代田生命に続き、「金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(「更生特例法」)」に基づき、比較的早期の段階で申立を行ったことから、当局としては早期に適切な更生計画が策定されることを期待する。
6. また、当庁としては、更生計画の策定に当たって保険業法の趣旨を踏まえつつ、保険契約者等の保護の立場から適切に対応してまいりたい。
保険契約者におかれては、冷静な行動をとられることを強く希望する。
協栄生命保険会社の概要
1.沿革
- 昭和10年12月 「協栄生命再保険株式会社」として発足
- 昭和22年5月 「協栄生命保険株式会社」として再発足
2.本社所在地
- 東京都中央区日本橋本石町4丁目4番1号
3.社長
- 大塚 昭一
4.主要計数
(単位:億円)10年3月期 11年3月期 12年3月期 保有契約高 643,542 615,913 577,301 総資産 52,458 50,802 (注) 46,099 収入保険料 7,465 6,846 5,720 経常利益 270 210 43 当期利益 30 40 ▲ 9 (注) 43社(第百生命、大正生命、千代田生命及びカーディフ生命を除く。)中第11位。
・役員数(監査役含む) : 16名(12年8月末現在) ・職員数 : 11,670名(うち内勤職員数2,221名、営業職員数9,449名、12年8月末現在) ・店舗数(営業所等) : 590(12年8月末現在) ・保有契約件数(個人保険、個人年金合計) : 約600万件(12年3月末現在) 5.ソルベンシー・マージン比率:
210.6%(12年3月期)