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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年7月17日(火)10時31分~10時45分)

【閣議案件等】

お久しぶりです。本日は閣議がございました。平成14年度の科学技術に関する予算,人材等の資源配分の方針というものが決定されました。これについての閣僚のそれぞれ関係筋から話がありました。行政官の旧姓使用が可能となる旨7月11日に決定がされまして、これに関連して所管の法人等においても同じような措置を取るよう奨励の指示がございました。秋篠宮殿下がタイ・ラオスに名誉学位の受賞等でお出かけになられるということでした。2008年のオリンピックは北京市に決定され、大阪が落選したことについて遺憾の意と報告がございました。農林水産大臣の訪米の報告、経済産業大臣のアラブ諸国訪問の報告がありました。田中外相が今もいらっしゃらないんですけれども、引き続いて外に行かれること、及び総理がサミットに行かれる間の臨時代理の指定が福田官房長官ということでご報告がありました。

以上で閣議が終了しまして閣僚懇に移りまして、外務省職員の逮捕の報告があり、これに関連して総理から誠に遺憾という言葉、その他の発言がございました。次回の閣議は23日の午後1時からということでございました。以上です。

【質疑応答】

問)

お話にもありました外務省の職員の逮捕の件ですけれども、柳澤大臣ご自身はどのような感想をお持ちでしょうか。

答)

そうですね、これは大変遺憾ということがまずあるんですけれども、私はですね、やはりシステムにも問題があるんじゃないかという感じを持ってまして、そういう方面からの検討もした方がいいんじゃないかということをちょっと関係筋に、まあ、副大臣にちょっと言っておきました。

というのは、これは非常に難しいことなんですが、支出の権限がある職員がですね、もの凄く多岐に分かれて細かく細分されてしまうんですよね。そういうことが他の役所にはちょっと無いことなんですね。まあ、当然なんだけど在外公館とかそういうのにそれぞれ必要だということで、全部分かれてしまうというシステム、これは非常になかなか難しい問題がそこに伏在しがちだと、そういう感想を持っています。

問)

先週、IMFが日本の金融機関に対して公的資金を再注入した方が良いのではないかというレポートをまとめています。根拠となっているのは、民間アナリストの試算のようですけれども、その内容自体に大臣はどのような感想をお持ちになっているでしょうか。

米国政府ですとかIMFのような国際機関と、金融庁との間に日本の不良債権問題の深刻さに対する認識のギャップがあるように感じるんですけれども、そのギャップを今後どのように埋めていく努力をしていかれるお考えか、その2点についてお願いします。

答)

まあ、今日段階でですね、今のご質問の全てにお答えするということは出来ないというか、そういう準備が無いんですけれども、いずれにせよですね、まあ、これは具体的にはIMFというふうに言うと誤解を招くんですが、調査部の名前が挙がっている個人の方々のリポートという形をとっているんですが、いずれにせよ、いろいろ私も良く読んで、その意のあるところをもうちょっと詳しくまた的確に把握して考えたいと思っています。

問)

ジェノバ・サミットですけれども、金融庁の所管で何か総理に託されたことというのはございますでしょうか。

答)

これは、どっちみち経済政策の話もそこで大きく取り上げられるかとも思いますし、我が国の経済政策ということになると経済再生の第一歩が不良債権処理という位置付けですから、やはり、それはそういうものとしてですね、総理にきちっとお話いただけるようにお願いしたいと思ってます。

問)

経営健全化計画の見直しなんですけれども、11.7兆円ありまして、これを3年間でやっていくということになると、まあ4兆円くらいずつやっていくのかなあと、新規の発生分を除けばですね、まあそうかなあと。ただ大手行の業純がですね、3兆円オーバーというところですから、1兆円くらい何とかしていかなければいけないと。リストラでそれだけ叩き出せるのかどうかというところについてですね、大臣は今のところ、どういう感触を持っていらっしゃるのでしょうか。

答)

まあできるだけですね、まず不良債権処理の、処理財源をですね、業純から出していくということに最大限の努力をする必要があるというように思います。まあ、リストラはすぐ誰もが思いつく一つの方策なんですが、これも思い切ってさらにやってもらいたいということは言うまでもないことでございます。

それからもう一つはですね、収益を上げるということ、この不況の中で収益を上げるというのは一般的に言うと難しいことなんですけれども、いろいろですね、それは有り得るというふうに思います。すぐにそれが我々の今問題になっている指摘をされるような銀行の業務になるかということについては難しいんですけれども、いろいろと、もっと金利が高いノンバンクなどで利益を上げているところもあると言われるし、また、いろいろと外資系を中心に、不良債権そのもので利益を上げるというようなところも出ているようですから、何か、一工夫、二工夫してですね、そういう収益を上げるということにもより注力をして業純の増加を図るということをまず一生懸命やってもらいたいと、こういうように思っております。

その後の処理についてはそれぞれの銀行が、いろいろな努力をしていく、あるいは色んな方策を講じていく、こういうことだろうと思います。

問)

今回、資金総利ざやがどうなるかというのをですね、相当やはりみんな関心持って見ているところだと思うんですけれども、マーケットもですね。実体的にはその優良な新規の貸出先はですね、相当やはり各行の競合が激しくて、むしろその辺の金利というのはですね、クレジットカーブというのはフラットになる、下がっているのではないかと、そういう中で資金総利ざやというのがですね、過去の経営健全化計画で示したような改善計画を示せるのかどうかと、その辺については大臣はどういうふうに御覧になっているのでしょうか。

答)

まあ、これはですね、今指摘になったように、何でもかんでもフラット化していくということは、まあこれは資本主義につきものなんですよね。ですけれども他方ですね、差別化をしていくところにこそ付加価値というか、そういうものが発生するということも資本主義の本質でしてね、やはりその差別化できるところをよく研究をして見つけ出していく、生み出していくと、こういう努力が不断に求められるということですね。今までのように情報が非常に行き渡るのに時間がかかってですね、差別化の、一つの差別を発見したらですね、そこでしばらく飯が食っていけると、こういうような状況ではなくなってきている中でですね、しかし付加価値を生むのは差別であると、他との違いであると、この本質は変わらないわけなので、そういうところでですね、頑張ってもらうしかないというふうに思います。

問)

そういう意欲と言うんですかね、そういうものというのは今のいろいろなその意見交換の中で、十分感じているということなのでしょうか。

答)

まあ十分というその形容詞というか副詞が付くとですね、やや「そうです」と力強く答えられませんけれども、各行、経営責任者は、やはり現在自分達が置かれている状況というものを、かなり厳しくとらえているという感じは私自身、受け取っています。

問)

今日、一部報道でですね、ペイオフ解禁後の破綻金融機関の受け皿を探している間にですね、いわゆるブリッジバンク、つなぎ銀行については破綻後数日間で設立して、滞りの起きないような形で進めたいというような金融庁の方針としての報道があったんですけれども、現時点でですね、どういう考え方に立たれているかということについては、大臣のお考えはいかがでしょうか。

答)

まあ一番望むらくはP&Aを、その週末というか、破綻の申し出でがあった後に、事実上の破綻の申し出があった後に、次の営業日までに探すということが基本ですね、これが。しかしそれがまあ、なかなか難しいということであれば、当然第二番目の選択としてブリッジバンクということで、次の譲り渡し先というか受け先というものを探すというのは、これは常道として当然想定して考えていると、こういうことです。

(以上)

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