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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年9月28日(金)9時59分~10時15分)

【閣議案件等】

今朝は閣議がございました。閣僚の発言を中心に内容を要約してお伝えしますと、司法制度改革推進法案、これは言わば基本法みたいなものですが、提出を決定いたしました。平成12年度郵便事業の損益計算等に関する報告書が国会に報告されました。8月の完全失業率は5.0%、完全失業者数は336万人で、前月横這いです。9月のCPI(東京都区部)は、マイナス0.2%、対前年比マイナス1.2%であるそうです。8月の有効求人倍率は0.59倍で、対前月比マイナスの0.01ポイントであるそうです。

共同募金運動が10月1日から年末まで行われるそうです。

公務員募集の年齢制限については、努力義務というものが除外されていたんだそうですが、これは緩和されるべきであるという発言がありました。緩和されることになると思います。地方公務員も同じです。

これからの閣議は午前9時から、国会開会中の例にならって院内で行われるということです。

閣僚懇に移りまして、原子力災害の防災訓練が行われるということでございます。10月27日の土曜日にオフサイトセンターという新しい施設を活用して行われるということでございます。

加えまして、これは別に閣議で申し上げたことではないのですが、皆さんのお手元に後刻配布されますが、今度、私の私的懇話会という形で、「日本型金融システムと行政の将来ビジョン懇話会」を設置することにいたしました。これは、金融審議会というものがあるわけですが、どちらかと言うと、具体の課題をここでこなしてもらうというようなことがありますので、私としてはもうちょっとフリーに、包括的に将来ビジョンをお話いただく、そういう機関というか懇話会があった方が良いのではないかと、予て申し上げておりましたが、事務方が準備してくれまして今回設置をすることが決まりました。懇話会におきましては、まず足元の不良債権の処理というような問題を始め、喫緊の課題をまずこなしていただきますけれども、元々この懇話会は中長期的、あるいは将来像というようなことが課題でございますので、その足元の問題を固めた後は、こういった問題に本格的に話を展開していただく、このような予定をいたしております。とりあえず10月1日に、これは国会中でもありますのでちょっと大変恐縮なんですが18時から開催をするというようなことにいたします。スタートが10月1日ということです。後で皆さんのもとに資料もお届けしたいと、こんなふうに思っております。以上です。

【質疑応答】

問)

本日、主要行の幹部の方々と意見交換会を行われるということですが、主として、例の不良債権処理の促進や、特別検査とか、それからそういうことについてのいろんなご要請をなされると思われるのですが、具体的にはどういう要請をされるのかということについてお願いします。それと、来年1月に特別検査を実施するということも報じられてまして、金融庁の幹部の方の話では精鋭部隊を送り込むというようなお話もあるようですが、特別検査の体制といいますか、まだ決まってないところもあるかと思いますけれども、お話できる範囲でお願いします。

答)

この前も骨太の方針が出た時、6月の末でしたでしょうか、こういうような会を催させていただいて、私が直接銀行の経営の責任者の方々にお話を申し上げると、こういうことをやって参ったわけですが、今回も、今回のいわゆる工程表の改革先行プログラムとして不良債権問題について新しい制度と言って良いのでしょうか、新しい措置というものを決定をいたしましたので、その説明をし、理解と協力を求めたいと、こういうことで、その趣旨でこの会を開催させていただくということでございます。

それから特別検査について、日程とか、あるいは陣容だとかということについてのお話ですけれども、まだ部内で検討中というふうに承知をいたしておりまして、今この段階で私から直接何か申し上げるというような準備段階というか、そこまで進捗しておりません。

問)

後程詳しい資料が配布されるということなんですが、この懇話会は大臣の私的な勉強会みたいな位置付けでよろしいのでしょうか。

答)

そうですね。金融審議会というのが別途ありまして、制度的にはここで本来こうした問題をやるということも十分可能なんですけれども、現実問題ですね、やはり具体の課題があってそれをいろいろご検討いただくということで、はっきり言って手一杯ということですね。

この問題については、アメリカもイギリスも実は立派な書物になって出ているんですよね。例えばアメリカですと21世紀のアメリカの金融業ということについて、ブルッキングスのライタンが主に担当しているわけですが、そういう書物が出ていましてね、イギリスも同じなんです。

そういうことを習って我々の方も、やはり識者に、ビジョンをですね、21世紀の日本の金融、これは特に国際化がますます進むでしょうし、それからまた公的金融との関係がどうなって行くか、小泉内閣の下では公的金融というのは縮小されるということの方向にありますけれども、そういったものを一体として視野に置いて、どういうビジョンで進んで行くんだと。これは実は足元のいろいろな問題を解決して行く時に、頭に置いておかなければいけない問題なんですね。その場その場の場当たりでやるというのではなくて、そういうものを念頭に置いて、その場でもやはり適切な施策というものを選択して行くということでなくてはいけないんで、本当はもうちょっと早くにしたかったんですけれども、なかなか我がスタッフも忙しいものですから、ややスタートに時間かかりましたけど、いよいよそういうことでスタートしたいということであります。

問)

自民党、与党の方で証券税制についての議論が進んでいますので改めて大臣のお考えをお伺いしたいのですが、申告方式への一本化の時期のあり方と、インセンテイブの付け方としてですね、申告分離の税率のあり方、特に利子課税との関係についてお考えをお聞かせ頂けますでしょうか。

答)

正直言って、我々は一つの案を出しておってですね、党の方もこれは非常に大事だから臨時国会で処理しようというような気運にあることは御案内の通りです。そういう中で具体的にどういうふうにするんだということについては、我々は我々の考え方を今出しているわけですが、これをいろいろ今、揉んでもらっているというか、もめてるという意味では必ずしもないんですけれども、練って頂いていると、こういうことでございまして、その帰趨というのはまだ見えていないと、こういうことでございます。

一本化の時期についてはですね、我々が当初考えていたような15年の1月というか、4月というか、要するに所得税の場合には4月よりは1月の方がいいようですね、そういう意味で月の問題はただそういうことの反映なのですが、15年がいいのではないかというようなことで収斂しているのは有難いというふうに思います。ただそこで何というか、我々の案は申告分離の中でもできるだけ簡易な納税の仕組みというものを考えたいということを強く主張しておりますので、その点について御理解が頂けますことをひたすら期待して、我々もその実現に向けて各般の努力をしていきたいと、このように思っております。

問)

流通の話なのですが、個別の企業名を出すのは控えますが、ある流通企業の株価の急変ということが起こっていると思うのですが、金融庁は前からですね、株式市場の信認が大幅に低下した場合には銀行に対しても何らかの注意をですね、例えばその分類項目の見直し等をしたいとかという考えをお持ちかと思うのですが、こういった今の流通業界の状況を踏まえ、大臣の方から金融業界に対して何らかの見直しをすべきだというふうにお考えでしょうか。それともまだ当面そこまで行くような話ではないとお考えでしょうか。

答)

ちょっと御質問の趣旨が必ずしも判然としないのですけれども、我々は今度のスキームでですね、要するにマーケットの声というものにもっと配慮していくべきだというのが全体としての考え方で、具体的には要注意先の行内格付け等においてそのことに配慮するということと、もう一つはそういう格別なことが起こった、あるいは非常に大きな変化が起こった債務者に着目した特別の検査をするよということが新しいスキームで出てきております。従って、そういうものを的確に運用していくというのがこれからの我々の課題であるし、金融機関においてもそれをしっかりやってもらいたいと、こういうことになるわけであります。

まあ何と言っても、ついこの前に決定したということですから、今度の9月の中間決算にはこれはどう考えても残念なのですけれども間に合わないということで、いずれ3月末決算にそういう効果が、あるいはそれに至るまでの間に今の新しい制度・施策の効果が現れるように適切に運用していきたいと、このように考えています。

具体の問題についてはちょっとコメントしません。

問)

航空業界の問題なのですが、損保会社が航空機事故の場合の補償額を大幅に引き下げたという問題が起きてますが、損保会社の行動という点では大臣としてどういうふうにお考えか、あるいは金融庁としてはどういうふうなお考えをお持ちなのか、そこをちょっとお聞きしたいのですが。

答)

今度の事件でですね、航空業界を巡っては各般の問題が生じていると、金融との絡みでもですね。なかなか厳しい状況が生まれているということであります。これはちょっと今この段階で、私は事務方からそれぞれの問題、これは実はいろいろなところに問題が出ています。例えば今日辺りの新聞でもそこに貸し込んでいるのが多いとか少ないとかですね、あるいは他の国ではもう売却してしまったとか、日本ではまだ持っているとかといういろんな問題があったり、保険会社の経理にどのくらい打撃を与えたとかそういうようなこともあって、保険会社のこれからの営業政策はどういうふうにやるかとか、もう各般の問題がありますのでまとめて私も報告を受けたいと、こう思っていますけれども、今日の時点で今仰ったような点について何かコメントをするというような、問題の所在というものは十分認識してますけれども、今まだ私の立場でコメントを申し上げる準備はございません。

(以上)

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