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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年11月6日(火)9時15分~9時30分)

【閣議案件等】

閣議ですけれども、今日は東チモールへのPKOの派遣の準備に入るというお話がありました。それから7日の朝に、補正予算の概算閣議が行われますとのことです。詳しい時間等は追って通知ということです。

小泉総理の臨時代理は福田官房長官が務めておりますと。川口環境大臣の代理は森山法務大臣が務めておりますというような話で終わりました。

【質疑応答】

問)

閣僚懇はなかったのですか。

答)

閣僚懇はありました。ありましたけれども雑談で特にご報告するようなことはありませんでした。

問)

まずペイオフの件なんですが、麻生政調会長が昨日、記者団に対して「ペイオフを予定通り導入した場合に、地方の金融機関の経営が行き詰まると。解禁したらえらい騒ぎになると。そっちの方がずっと信頼がなくなる。」というような発言をして、また再延期ということを主張したりしているようなんですけれども、与党や財界の一部から、なぜこういう再延期の声が出るというふうに大臣は分析されているのかということをお聞かせください。

答)

う~ん、どういうことですかね。いろいろ制度が変わるということで心配をされていると。まあ、ある種の素朴な心配と言うか、基本的な心配と言うかね、そういうことがあるのだろうと思います。これに対しては、私共は検査であるとか、あるいは早期是正を求めるとかですね、そういうようなことで対応しているということなものですから、その辺りの認識をきちっと持っていただくように説明をしなければいけないというふうに考えます。

問)

ペイオフに対する大臣のお考えというものを改めてお聞かせください。その時期についてなんですけれども。

答)

改めてお伺いされるまでもなく、既定方針通りやらせていただきたいというふうに考えています。

問)

金融機関の体制というのは、先程の大臣のお答えに重なるかもしれませんけれども、本当にペイオフ解禁で大丈夫なのかというのもちょっとあるようなんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

答)

検査をして、そして自己資本等の状況に応じて、早期是正を、必要ならばという大前提ですけれども、そういうことをやっているということでありますから、そういうことであれば、これはもう大丈夫と、こういうことになるわけですね。ですから、非常に素朴な疑問と言うか、素朴な感じというのは、やはり制度が変わるということでいろんな心配があるということだろうと思うので、その辺りはどういう仕組みになっているんだということをきちっとお話することが大事だというように思います。

問)

きちんと話をすれば、与党の一部の方みたいですけれども、理解も得られるはずということですか。

答)

今お聞きしたような限りでは、そこのところの説明というかご理解がちょっといただけていないかなという感じがします。

問)

ペイオフ延期の再燃の背景に、地域金融機関の経営状況がかなり危ないと、もし解禁した後で次々と倒れるという状況になると困るという認識があると思うのですけれども、大臣にはそういう懸念、心配というのはお持ちではないですか。

答)

そうですね、当然と言えば当然のことですけれども、元々ペイオフが延期になった理由というのは、信用組合が移管になったわけですね。地方公共団体の監督というところから、国の監督に移管になりましたので、国による検査というものがきちっと行われ、それに基づいて必要な措置、特に資本増強等が行われる時間的なゆとりと言うか、そういうものを持つべきだと、こういうことで1年間延期になりまして、それを今済ましつつあるわけですね、今度の3月31日までに。ですから、4月の日が明けた時には、みんな健全な金融機関ということで、新しい年度を迎えるという体制を今作りつつあるわけでね。だから、その他いろいろペイオフに備えてのインフラ整備というのも、皆さんご承知の通り相殺規定を預金契約の中に入れるとか、あるいはそうした名寄せをしておくというようなことが行われるということがインフラ整備なんですけれども、そういうものが3月31日までにきちっと行われることが大事なんですね。

問)

経営状況については特に心配もしてないし、心配する筋合いのことではないということですか。

答)

いや、だから、基準に照らしてそうした自己資本不足であるとか、そういうようなことはないように、検査ではっきり確認をしておくということが私共に課された使命だというふうに思っています。

問)

前提には、例えば検査の体制を強化するとか、頻度を上げるということを考えられているのですか。

答)

今年度の検査の業務方針だったかな、あそこをちゃんと読んでいただくと、あれは実は、本当はペイオフに備えた検査というのがトップだったのです、正直言って。ところがその後、緊急経済対策の施策が出て来たので、「緊急」と名を打っているのだからそれをトップにしようよと、順番を入れ替えたのですけれどもね。一番目に緊急経済対策のための検査、それから二番目にペイオフ解禁に備えての検査と。本来は緊急経済対策のものが緊急に入って来なかったら一番なんですね、今年の検査の大方針の。そうやってきちっと対応していると、こういうことですね。

ですから、緊急経済対策絡みの検査以外は、ペイオフ解禁に備えたいろんな検査をしているというふうに皆さんも大体ご理解をしておいていただきたいと、こういうことです。

問)

ペイオフ解禁になりますと、破綻処理で、いわゆるペイオフ方式というものが使えると思うのですけれども、これは今の改正預金保険法では金融審議会でもなるべく使わないようにということが謳われていますけれども、そのペイオフ方式を使わないように、例えばP&Aとか、うまくできる体制というそちらの方の体制作りというのは着実に進んでいるのでしょうか。

答)

まず、早期是正措置が働くわけですね。早期是正措置の働いている間に…ですから、一挙にストンと行ってしまうということではないわけですよね、ちゃんときめ細かくフォローアップをして、あるいはモニタリングをしていればですね。ですから、そういうことで危険な、まだ破綻なんていうことではないけれども危険な状況というような時になってくれば、まさに早急にどういうふうにするんですか、これはどうにかしなければならないのではないですかと言って、注意を促して改善をさせていくわけですね。そういう仕組みがまず働くわけですね。

それで、そういう過程の中で一般に、一般資金援助という方式の方がいいですよねということが書かれているわけですね。実際に保険金の支払いというようなことを個別に起こすのではなくて、P&Aか何かやって、ほとんど預金者の方々は窓口ではそういったことについて、何と言うか今度の場合は知らずにとは言えないけれども、まあスムーズに看板が変わったねというような感じにした方がいいと。これはアメリカなどでもそうですね。そういうことです。

それと、非常に早くにP&Aなり何なりそういう手を打っていくことによって預金者にかける負担というものをできるだけ小さくしていくということが、もしそういうことが起これば、それが私どもの仕事の内容になってくると、こういうふうに理解をしておいていただきたいと思っています。

問)

RCC企業債権ファンドについてですが、4,000~5,000億円の規模という報道がなされていますが、こういうイメージでよろしいのでしょうか。

答)

この前、日本政策投資銀行の出資枠、あるいは金額ですね、一般の資金額が1,000億円ぐらいになったと、こういうことですね。こういうことが決まったということで、まあいろんな推計を立てる人がいるということではないのですか。我々は今、別にそういう明確な規模等の認識を持っているわけではありません。

問)

昨日の森長官の記者会見の中で、例の新生銀行とのやりとりがありまして、個別の貸し出し先の企業名を挙げて経営姿勢の改善を求めるということはあり得るんだというお話がございまして、大臣も国会で同様の答弁をされていると思いますけれども、個別の企業名を挙げた上で貸し出し態度の改善を求められたら、当然その企業のことを言っていると銀行側は受け止めるのが自然なのではないかというのが素朴な感想なのですが。

答)

それはそうでしょうね。それは私も否定しないですよ。例えば、こういうようなところと言って…ただ、それはそれに止まらないというニュアンスを、全般の話なんですよというような話で、まあ話の中でですね、そういう社名を挙げるということは、まあ何と言うか、そういうことをあんまりギリギリ言ってしまうと、現実の行政というものが円滑に働かなくなってしまうということを私は心配するわけですよ。これは言ってはいけないとかということではなくて、まあ人間のすることですから、私としては例を挙げるということは十分話の道行きの中であり得ないことはないですよということですね。

ただ、ニュアンスとして、そこにということではなくて、まあ全体でこういうことを言われていますよというようなことで、その中で話の具体性というか、そういうものを何もただ噂話だけで聞いているわけではないですよというようなことを言うために、そういうことを言うということは十分あり得るのではないかということを私は今、申し上げているわけです。

(以上)

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