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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年11月9日(金)9時47分~10時00分)

【閣議案件等】

本日は補正予算の予算書が出来たので、国会へ提出するということの決定をいたしました。「女性に対する暴力をなくす運動」について報告があり、始まるということです。

補正予算の絡みで、内閣府としての経済見通しの改定と言うのですか、そういうものが述べられて、本年度の見通しはプラス1.7%がマイナス0.9%、それから名目はマイナス2.3%という話がありました。

大臣出張中の臨時代理ですが、武部農水大臣のご出張に伴い片山総務大臣が指名されました。

閣僚懇は別に話がございませんでした。

【質疑応答】

問)

政府経済見通しについて、閣議の中で大臣から何か発言はあったのでしょうか。

答)

私は取り敢えず実質だけ竹中大臣から話がありましたので、名目ではいかがですかということで、名目値を確認いたしました。

問)

名目値を確認された趣旨というのは、おそらく金融の世界ではほとんど名目で見ているということかと思いますけれども、骨太の方針を作った6月頃に比べて大幅な景気認識の下方修正ということで、金融庁の進める政策にどういう影響があるのか。あと、金融庁自身、今後の不良債権の残高の見通し等を示していますけれども、直接マクロの成長率を変数にしていないにしても、その遷移率自体の考え方もこういう景況認識の悪化に伴って、より厳しめに見るべきではないかと思うのですけれども、大臣いかがでしょうか。

答)

当然、景況が影響する度合いが変わって来たということは、これはもう事実としてあるわけですね。しかしそれをどの程度と見るかということは、今現在が2000年度の実績値よりも厳しめに遷移率を見ているということで、それで吸収が可能な状況かそうでないかということを一度検討しなければいけないと、こうはっきり数字が出ましたのでね、そういうことかと思います。そういう課題が持ち上がったということかと思います。ただ、今、結論めいたことは申し上げるという段階ではありませんが。

問)

昨日、あさひ銀行株が一時76円まで売り込まれるなど、銀行株は押しなべて安値圏で、しかも不安定な動きをしていると思いますけれども、大臣はこの原因や市場の見方についてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

この中間決算の見通しを、それぞれの立場でおそらく試算をしたりして考えていらっしゃることを基にしているのかと思います。加えて、特別検査というようなものが行われるとしたら、これはどういうことだろうかというようなこともあろうかと思います。

中間決算については、不良債権の処理ももちろんきちっと進んでいるわけですし、ただそれに加えて株価が3月末に比べて日経平均で1/4くらい落ちているということがありまして、これの新しい時価会計の導入に伴う差損ですね、その計上がありますものですから、なかなか厳しい決算ということに当然なるわけですが、しかし健全性ということについて問題が出るような、そういう銀行はないという見通しを私共は持っていまして、その点はそういうふうに思っています。

それで、そういうことからすると、少しどういうところに着眼しているかということなんですけれども、ちょっと過大に、あるいは厳し過ぎるような見通しを持たれているのではないかと、こういうように思います。もっと正確に銀行のファンダメンタルな体力ということをしっかり見てですね、投資をしてもらいたいということを考えます。

それから、特別検査についてはこれは済々とやりますけれども、要するにきちっとした基準で対象を選定し、そして、金融検査マニュアルに基づいて検査をするということですから、そういうものだということで受け止めてもらうということが私は大事だというふうに思います。

まだ全く結果というか、中間的な状況も出ていないということでして、そんな時にいろいろ思い煩って投資態度を決められるという、そういう状況では全くありません。まだ煙も見えないと、影も見えないと、こういう状況です。

なお付け加えますと、こういう時の不安心理に、ある種これを悪用して、本来禁じられているような投資行動をするということに対しては、我々は監視委員会の活動を通じて、厳正にチェックするということですから、そういう間違いのないようにしてもらいたいということでございます。

問)

あさひ銀行をはじめ、いくつかの主要行に第三者割当増資等で、いわゆる自力で資本を調達する動きというのが出ていると思います。ただ、その内容を見ますとグループ企業であったり、あるいは親密な生命保険会社といった形で必ずしも投信ですとか年金ですとか、いわゆる投資家を対象としたものではないと。大臣のお考えになっている市場の自力調達の理想的な姿に照らして今回のようなやり方はどうなのかと、あるいはこのようなやり方で実際市場の信認は得られるのかどうか、どのようにお考えでしょうか。

答)

全力を挙げてですね、自分たちの持てる力を全力を挙げて増資を頼むという姿勢の中にですね、今言ったような親密先のところが全く入らないという形を想定するというのはなかなか難しいと思います。要するに取り混ぜてですね、増資を成功させるということであれば、別段今、こういうなかなか難しい時期ですから、そういうことがあってこれを全否定するということはなかなか現実的でないというふうに思います。ですから全力を挙げてということの中にそういうものが一部入ってくるということは、これはもう、そうにべに全否定すべきものではないと、このように思っています。

問)

閣議後に、総理と塩川大臣と3人で少しお話になられたようですが、どのような中味だったのでしょうか。

答)

いや、そうではないんですね。総理は別室に行きましたので私は何をなさったのか知りません。官房長官と、塩川さんと私がお会いしたんですけど、何だか連絡が悪くてですね、塩川さんは、もう出てしまったんですね。それで待っていたんですよ、私と官房長官は。

ですから話と言っても、話の内容というのは、これからの答弁をよく打ち合わせていこうという話だったのですが、それにしては待たされる時間が非常に長くてですね、ちょっと何て言うか、おそらくこれでは大変重大な話があったのではないかというふうに誤解をされるね、なんて笑って別れたのですけれども。塩川大臣は一回戻って、それでまた国会に戻られたのだと思いますよ。

(以上)

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