柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成13年11月20日(火)9時22分~9時38分)

【閣議案件等】

今日の閣議の状況ですけれども、国際連合平和維持協力法の一部改正案が閣議決定されまして、国会に提出するにあたって、総理、外務大臣等からのお話がありました。平成13年度公益法人年次報告の提出がございました。国立博物館の理事長の人事異動が了承されました。

閣僚懇に移りまして、もし補正と申しますか、追加的な措置が有りせばという仮定の上で若干の話し合いがありました。私は発言いたしませんでした。以上です。

【質疑応答】

問)

今日、経済財政諮問会議がありますけれども、そこで集中審議で不良債権も取り上げられるということなんですが、大臣としてはどういうふうに説明というか対応するつもりなのかをお聞かせください。

答)

基本的に、私共が改革先行プログラムでご決定をいただいておる施策がございますので、その実施状況というか、そういったものがまだ十分結果という形で公式に出ているものはないのですけれども、まあそういった実施の状況をご報告するということを基本にご審議をお願いすると、こういうことになろうかと思います。

問)

何か新たに出てくるような話というのはあるのでしょうか。

答)

それは私は予定しておりません。

問)

間もなく大手銀行の中間決算が始まると思うのですが、まだ出ていないのであれなんですけれども、どういう見通しを立てられているのか、不良債権の処理をちょっと今年度増やすというような報道もありましてですね、その経営に与える影響ということについてどんな見通しを現時点においてお持ちでしょうか。

答)

まだ確たる見通しというところまでは持ち得ていませんけれども、基本的に今中間期というに止まらずですね、この13年度を通じて、先程申したような改革先行プログラムにおける不良債権処理のいろんな施策に応えていただけるような処理が行われるということが期待されるというふうに思っています。

それがどういうふうな影響を与えるかというのは、まだそこまで数字が姿を表しているというわけではないので、確たることはもちろん申し上げかねるのですけれども、まあしっかりした対応をしてくれるということも同時に期待しております。

問)

しっかりした対応というのをもうちょっと詳しくお願いします。

答)

経営についての、経営が揺らぐようなことのないような対応という意味です。

問)

自己資本への影響等はどうご覧になりますか。

答)

まだそこまであれですけれども、それらを含めて、何か問題があると、あるいは生じるというようなことのないような対応というか、そういうようなそれぞれの、これはスナップショットでそこだけ良ければいいという話でもないし、まあいずれにしても、まだ予断をしているわけではないのですけれども、何か問題が生じるというようなことは聞いておりません。

問)

先程の閣僚懇でも出たということなんですが、2次補正の話で、大臣自身は今の景気の現状というのをどうご覧になっているのかというのと、2次補正について、必要性の有無等と小泉内閣の例の30兆円枠についてどうお考えなのかをお聞かせ願えますでしょうか。

答)

まあ、経済状況が厳しくなっていると、とにかく名目でマイナス2.3%というわけですからね。厳しくなっているということはこの間の内閣府の、まああれは平成14年度予算の前提になる、いわゆる内閣として決定するような、いわゆる実績見込みというものではないのですけれども、しかし、内閣府が見込んだ13年度の姿なんですね。それがマイナスの2.3%ということですから、かなり厳しい状況だということです。私共がいろいろ地元の人たちを含めて、いろいろ聞く話もそういう全体の数字と軌を一にした個別の状況を訴える人も多くなっているということです。

そういうことで、今もし追加をするとしたらという仮定の下での議論があったわけですけれども、私は予て申し上げている通り、私は今、ミクロの金融行政を一つ一つ手仕事のような形で問題を処理して行くというミクロの金融行政に携わっておりますので、それに専心することにしておりまして、マクロ経済政策については発言をしないということをしておりますので、一貫させているので、ご理解をいただきたいと思います。

問)

民族系の破綻信用組合の受け皿でいくつかまだないところがありますが、受け皿作りは進んでいると思うのですが、その進捗状況を教えてください。それと、早期健全化法による資本注入についても、これはそうした新しい受け皿金融機関というのは対象外という理解で良いのか、その点について教えてください。

答)

これは、鋭意今受け皿の問題についても各方面で努力がなされているというふうに認識をしています。まあ何と言うか、それぞれ先程言ったように、それぞれというのは複数ということですけれども、複数の方々が「自分が受け皿になりたい」、あるいは「なっても良い」というようなことで、その意思を表明されていると、こういうような認識です。

それから資本注入については、これはもう法規通りですね、法規の適用は今指摘をされたような業態の人たちには、まだ法律が有効というか、そういうことになっているわけで、そういう法令の実施ということになりますので、その趣旨に沿って適切に判断をして行くということになるというふうに考えています。

問)

昨日発売の雑誌の記事についてですけれども、金融庁の最高幹部の話が出ているのですけれども、それについて大臣ご自身、記事を読まれての受け止め方はいかがでしょうか。

答)

私、ちょっと全部に詳細に目を通していないのです、正直言って。いないのですが、大体の概略は秘書官等を通じてお話を聞いていますけれども、何か事実関係が良く分からないというか、そういう感じを受けていますね。

それにしても古い話のようで、指摘されていることがですね。事実であるかどうかは別になりますけれども、まあ古い話のように聞いています。

問)

閣僚懇では大臣の発言はなかったということなんですけれども、追加的な措置について、どのようなやりとりがあったのか、差し障りのない範囲でお願いします。

答)

これはですね、要するにそういうことが、先程言ったようにあるとすればということで、一番のポイントはやはり消化の関係なんですね。一方は効果というようなことを考えると、やはりやるのだったら消化できるものでなければならないのではないかというのと、そういうことをやると無駄も出るという危険性もあるので、むしろ15ヶ月的な考え方で、あまり今年度内消化みたいなことにこだわらない方が良いのではないかというような意見もあって、しかし最後のところはまだ何もやると決まっていないのに、そんなことを言うこともないではないかということで、まあ日常の心構えということです。日常の心構えというのは「大臣たるもの予算が付くということであれば、どういう仕事を優先的に取り上げるべきかということは常に考えておかなければいけないといって、日常の心構えの問題ですね。」と言って締めておられました。

問)

総理が仰ったのですか。

答)

いや、官房長官です。

問)

「日常の心構え」ということですか。

答)

そういうことでした。

問)

総理は何も仰らなかったのですか。

答)

総理は何か呟いていたようでしたが、ちょっと聞こえませんでした。笑いながら呟いていたのですが。

問)

塩川財務大臣の方からは何か。

答)

塩川財務大臣が、その効果発揮せず、党もそういうことのようだねという感じでしたね。

問)

ペイオフのことについてですが、大臣はかねてより来年4月に予定通り解禁するというご持論なんですが、金融庁のシナリオだと3年後に不良債権問題が正常化するという中で、そういったシナリオに沿って正常化されていない中でペイオフ解禁になることになりますが、そうすると預金者だけにリスクを押し付けているのではないかというような見方をする人もいるのですけれども。

答)

どういう意味ですか。

問)

いや、良く分からないのですけれども。

答)

意味が分からずに質問しないでよ。

問)

要するに、銀行がまだ健全ではないと、健全性がちゃんとしていない時に、ふらふらしている時に解禁して、それは結果として預金者の負担になるのではないかということです。

答)

健全性ということなんですけれども、ここもまた処理と言うか、そういうものについての健全性の問題と、不良債権をバランスシートから落とすという問題とは必ずしも同じではないですね。健全性ということだけであれば、引き当てがまずしっかりしているということであれば、それはそれで確保できるわけですね。それに対して我々は、やはり構造改革の一環として不良債権の処理に取り組むんだということで、不良債権の残高というか比率というか、そういうものに着目した施策を展開しているわけですね。ですから、そのことは私共としては、来年4月までに健全性についてはきちっとしたことをやって行くということですね。だからそこのところはちょっと分けて考えていただければ分かり易いかと思います。

(以上)

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