柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年4月5日(金)8時50分~9時03分)

【閣議案件等】

今朝の閣議ですけれども、都市再生本部の構成員が全閣僚ということに変更になりました。次いで、食品安全行政に関する関係閣僚会議というものが設置されまして、第1回の会合が開かれております。森山法務大臣が、韓国との間の犯罪人引渡し条約締結にいらっしゃるということで、遠山文部科学大臣が臨時代理に指名されました。

閣僚懇に移りまして、昨日の総理発言というふうに伝えられた「総辞職はしない、替わるのは解散で負けた時」という話について、若干の発言がありました。本日の問責決議案について、公明・保守との連立政権、連立与党に参加している党の態度について、若干の御説明がありました。大体、以上でございます。

【質疑応答】

問)

不良債権処理なのですが、大手行で当初6.4兆円と言われていたのが1兆円以上ぐらい積み増す見通しなのですが、近々発表される特別検査に絡む銀行側の方の健全性指標の公表なのですが、健全性への影響というのは大臣はどうお考えでしょうか。

答)

処理損が6.4兆円からどのくらい膨らむかということについては、私もまだ確定的な数字を聞いておりません。従って、今の御質問に対しても明確な答えは当然できないわけですけれども、基準に照らして何と申しますか、それを下回るというような事態は当然ないというふうに見通しを持っています。

問)

みずほ銀行なのですが、1日にATMのトラブルがありまして、その後も送金システムなんかもちょっとトラブルが続いているようなのですが、行政として報告なりを受けていると思うのですが、その対応というか、どうお考えでしょうか。

答)

概略の報告は逐一、監督当局で受けているわけです。両方とも要するにロードの過剰な負荷というものが、違う現象なのですが共通の原因ということですね。向こう側の説明としては、4月1日が新年度ということもあるのですが、その前日、前々日が休日になっているということで、予想以上の負荷がかかったということのようです。

まあしかし、そういうことで済むかどうか、これはやはりちょっと、「仕方がないね」とはなかなか私としても言い難いことでありまして、これはしかるべき報告を、事実上の報告ではなくて銀行としての報告を求めると。当然のことながら改善措置を講じてもらうことになるし、再発防止もきちっとしてもらうと、こういうことになろうと思います。

問)

一部の報道で、岐阜銀行が優先株を無配にするという報告があったのですが、この事実関係と、もしそうならば、過去にも北陸銀行とか、足利銀行とありましたけれども、行政の対応というか、どうお考えかお願いします。

答)

この点は、私聞いていません。今日新聞を見て、随分きちっとした報道がなされていたので、いずれ聞かなくてはいけないとは思いますが、全くまだ私は、聞いておりませんのでコメントをすることはできません。

問)

みずほ銀行についてですが、「きちんとした対応」というのは、業務改善命令みたいなもののことを意味しているのですか。

答)

いや、そういうのではなくて、まず24条報告を求めたいと私は思っています。

問)

業務改善命令を発する場合には、どんなケースになった時、どんな場合になった時とお考えでしょうか。

答)

まあこれは、もちろん報告をまずきちっと頂いて、それをまず見てからということで、その判断というのはちょっとケースバイケースと言わざるを得ないですね。しかし、まあ業務改善命令というのは、通常はコンプライアンス、あるいは健全性といったようなことにかかるのが通常でありますけれども、まあこうしたシステム、これは行内のシステムですけれども、これらについてもやはり必要ならばきちっとしないといけないというふうに思いますが、まず当面はそうした正式な報告をもらうということ、これを考えて行きたいと、このように思います。

問)

特別検査の結果の公表は12日で決まっていると思うのですけれども、現時点でどういう方向で、どういうやり方でやるのかというのを教えて頂きたいのですけれども。例えば、不況業種ごとに公表されるというような報道もありますが、その点について大臣のお考えをお聞かせください。

答)

これはもう間もなくですから、そう何か私として検討中のものを、いちいち申し上げるのはあまり適切でないと私は思います、もうすぐの話ですから。それから、まだ12日も確定ではありませんから、そこだけはちょっと確認しておきます。確定のことだったら確定と言いますから。

問)

確定ではないということは早まる可能性があるということでしょうか。

答)

早まる可能性は少ないかもしれない、遅まる可能性も少ないかもしれない。けれども、ないとは言えない。

問)

それはどうしてですか。遅まる可能性もないし、早まる可能性もないとは言えないということは、何か理由があるのですか。

答)

それはいろんなスケジュールがあるんです、やはり。

問)

それだけですか。

答)

それだけです。

問)

それに関連してなのですけれども、特別検査というのは、例えばマイカルの突然死のように足元の状況を反映させる、しかも市場に信認を得られる検査というのをやったということを内外に結果で示すという意義があるわけですけれども、そういう点で金融庁の発表の仕方と、あと銀行側が検査を受けてどういうふうに発表するか、ここはすごくマーケットから関心が高いと思うのですが、その辺りについてはどういうふうにお考えでしょうか。

答)

ちょっと最後のところの質問の趣旨がよく分からないのだけれども。

問)

公表の仕方によっては信認が得られない可能性もあると思うんですね。例えば工夫を凝らして、何か信認が得られるようなことを…。

答)

別にそういうことはないですよ。それは淡々として、前から言っているようにどういうやった甲斐があったかと、効果とも言えるかもしれませんが、そういうことを発表すると。それと、とにかく風評被害は出したくないと、こういう二本立ての要請できちっと報告するということですね。

各行は、各行にしてみると、まあそれは一般の決算の中の話なんですね、先程の最初の冒頭のご質問にもあったようにですね。ですから、それはもうそういうふうにやってもらっていいと私は思います。行政側が特別検査というものをやったのだから、どういう効果があったのかということは、やはり行政側が発表しなければなりませんが、各行側は決算の一環ですからね、ですからそれは他の検査、通常の検査と渾然一体となった決算への反映ということで私は結構だと思います。あんまりセンセーショナルというか、あんまり外連味(けれんみ)を出したプレゼンテーションは必要ないでしょう。

問)

もう一度、みずほ銀行のことなんですけれども、これから正式に報告徴求されるということですが、現時点での復旧の見通しというのはいつ頃だというふうに聞いていますか。

答)

もう手作業でやっているというわけですね、遅れた分はですね。そういうことですから、もうおそらくマンパワーを最高に使ってできるだけキャッチアップするということではないでしょうか。

問)

まだはっきりとしたことは…。

答)

それは聞いていませんね。

問)

会見の冒頭で、大手行について基準を満たす見通しであるということを示されましたが、これは大手行の全てが自己資本比率で8%を上回るということでよろしいでしょうか。

答)

まあ言った通りのことなんですよ。

問)

そういうことでいいんですね。

答)

言った通りのことなんですよ、私が。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る