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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年4月9日(火)8時59分~9時18分)

【閣議案件等】

おはようございます。閣議ですが、平成13年版原子力安全白書が報告されました。森山法務大臣の訪韓で、犯罪人引渡し条約に署名されたという旨の報告がありました。総理、竹中大臣の外国出張に伴って、竹中大臣の代理に村井国家公安委員長が臨時代理に指名されました。

以上が閣議で、閣僚懇に行きまして、ワールドカップサッカーで訪日される外国人向けのいろいろな施設についての割引の措置等が発表されました。以上でございます。

【質疑応答】

問)

今日、一部報道にありましたけれども、3月に経営統合して持株会社の傘下になっております大和銀行とあさひ銀行の合併という報道がありましたけれども、この点について大臣への報告があったのかも含めまして、コメントをいただけないでしょうか。

答)

全くありません。全くないのでコメントもまだ差し控えたいということですね。

問)

昨日、首相の方から金融システムの安定のための継続策が要請されたということなんですけれども、今後、庁内で詰めて行くのでしょうが、大臣がお考えになっている具体案のイメージみたいなものをお聞かせ願えないでしょうか。

答)

そうですね、一つは当然のことですけれども、特別検査の後の検査体制をどうするのだろうかと、これはまあ一つのテーマだろうと、こういうふうに思いますね。

それから、今度は実態の方で、今度は特別検査もあって、不良債権の処理というか、少なくとも今までの事後チェック型の検査の結果に比べれば、少し前倒しと言うか、本来だったらもうちょっと先になるかもしれなかったようなものが今回処理されるというようなことがありまして、そういう処理の実態の方でどうするのだというようなこともありますし、そういったことを諸々、早く金融システムを安定化させるためにいろんなことを考えなくてはいけないというふうに思って、事務方と話をし始めたところです。

問)

その具体案なんですけれども、時期的にはいつぐらいまでに詰めたいということはあるのでしょうか。

答)

まあ出来るだけ早くということです。

問)

不良債権処理の積み増しで、一部報道で、特別検査を受けて大手行で1.9兆円積み増すという報道があったのですが、そうすると6.4兆円から考えると8兆円を上回る大幅な処理になってしまうのですが、これでも健全性に影響はないということと、まずその前提としての8兆円を超えるかということもあるのですが、大臣はどうご認識ですか。

答)

分からないのですよね。だけれども、ああやって何か一部報道が、そんなのがあったのですか、私は見ていないのですよ。いや、(一部報道が)あったらしきものは見出しのところでちらりと見ましたけれども、まあどうせまた皆さん独特の勉強で、一番の勉強家が展望を示されているのだろうと、こう思いましたので、別にそう見ていないのですけれども。

問)

昨日、総理に報告されたものと、その見出し的なものとは違うのですか、かけ離れているのでしょうか。

答)

そんなところまで話していません、総理に。数字的なことは、昨日も申したように、固まっていないのです。

問)

「みずほ」のトラブルなんですけれども、「みずほ」のシステムそのものに対するというものも、もちろんあるのですが、「みずほ」の組織に対する不安、不信という部分もあると思うのですけれども、今回の問題は「みずほ」の何がいけなかったのかというふうに大臣はお考えになっていますか。

答)

まあ聞いているところでは、根本的にはオーバーキャパシティーというか、当初、ここまでロードがかかるだろうというふうに、かなりゆとりを持って見込んでいたものをオーバーしてしまったということが主であるというふうに聞いているわけです。だから、それを聞いてみますけれども、私としてはやはりきちっとした報告を聞いた上で、その報告内容によって判断すべきものだろうと、こういうように思っているのです。

今、口頭でのいろんな報告も私は少なくともちょっと間接的なものですから。というのは事務方を通じてということですし、また直接的であまり専門的なことを言われても自分は全然判断はつきませんので、ですからやはり報告を聞いて何が問題なのかということは判断しなくてはいけないと、こういうように思います。ただ、今言われた後者の部分が何を意味しているのかということなんですけれども、そこまでは私は考えていません。

問)

加藤紘一元自民党幹事長がお辞めになるということなんですけれども、大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

答)

もちろん、政界の先輩で、かつてはいろいろご指導いただいたということもありますし、非常に心を置かないでお付き合い出来る政治家であったわけです。従って、極めて残念というふうに思っています。

ただ、佐藤氏との関係では、私も早い頃から変な噂を聞いていましたので、ちょっとそういったことも本人に、この場合には、加藤先生と非常に親しいある人が「柳澤さん、それをやはり本人に伝えてくれ」というようなことを言われたものですから、そういうことを伝えたこともあります。ですから、我々はちょっと心配していたことだったのですが、結果はこういうことになって極めて残念だと、そういう感じです。

問)

特別検査に話を戻したいのですけれども、公表の仕方はやはり債務者の業態別に公表されるというようなことをお考えになっていますか。

答)

いや、そこまでは考えていません。

問)

今考えていらっしゃることはどういうことなんでしょうか。

答)

今考えているのは、とにかくいつも言っているように、出来るだけやった甲斐があったというか、やった事の効果がどういうものかということを分かり易くしたいということですね。ただ、いろいろな憶測を呼んで、個別の企業にそうした憶測なり風評なりによる変な障りがないようにしないといけないということを考えているということで、その辺りの均衡をどういうふうに取るかということですね。

問)

それによって市場の信認を再び金融は取り戻すことが出来るとお考えでしょうか。

答)

我々はやるべきことをやるのですね。これしかないですね。何と言うか、着実に成すべき事を成して行くと、これしかないですね。相手のあることでもあって、ルールがあることでもあって、それをオーバーライドしてやって行くということは絶対出来ないのです。ですから我々は、もしルールを変えろということだったら、それはそれでまたいろいろ考えというか、それがどういう意見かということをよく吟味して、必要に応じて考えなくてはならないということでしょうけれども、ルールがあって、それは別にそのままきちっとあってということになったら、これはもうルール通りやるしかないのではないでしょうか。私はそう思っております。

問)

「みずほ」の件なのですが、先程のお話で、報告を聞いた上で内容によって判断すべきものを判断するというお話でしたけれども、それは業務改善命令のような法的な対応というものも念頭に置かれているということで宜しいのですか。

答)

念頭に全くないわけではありません。ただ、あくまでも報告をきちっと受けて、それを検討した上でないと前へ進むのか、それでいいということになるのか、これは全く予断を持っていません。一体、何が起こったんだということが、本当のところ、そういう報告でしかやはり我々は動くべきではない、判断すべきではないと、こう思いますけれども。

問)

報告はいつまでに求めているのですか。

答)

明日ですかね。

問)

明日までの報告ですか。

答)

報告はね。

問)

結論はいつぐらいまでに出されようというおつもりですか。

答)

それを聞いてというか、検討するわけですから、これが何というか、私、事務方がどのくらいそういったことに明るいかもまあ本当にちょっとまだ、今ここでお答えするだけちゃんと掌握していません、正直言って。私自身はほとんどシステムについては何の知識もないです、システムエンジニア的な資格も何も持っていません、SEですね。ですから常識的に判断するしかないですけれども、説明は聞かなければいけないと思っていますから。

問)

「みずほ」の件で、幹部の責任問題にまで発展するのではないかという声が一部出ているようなのですけれども、その辺についてはどうお考えなのでしょうか。

答)

いや、だからそれも含めて、それは銀行内の話ということでの、今お話だったと思うのですけれども、何と言うか我が方としても、一体これにどう対処するのかということですね。我が方は我が方としての立場で、やはり考えてみなければいけないことだというふうに思っています。

問)

次々に新しいトラブルが見つかっているのですけれども、利用者から見ると、いつまで続くのかという不安はあると思うのですが、完全に復旧する見通しなどについてはいかがでしょうか。

答)

結局分からないんですよ。というのは私もそういったことについてのリテラシーがないんですよね、私にもね。だから、リテラシーがないものですから分からないのですけれども、終わったと言ったらまた出たとかという話ですからね。とにかく終わったということが、昨日、長官は「ストレステスト」と言ったのだけれども、ストレステストだけなのか、単純な経路を辿った時に何かプログラムを間違っていて、ちょっと変なところに行ってしまうのかというその両方が起こっているわけですよね。だから、その辺りがきちっと分かるというのは、今まで絶対に通らなかったケースが出てきた場合にどうなのかというようなことまでちょっと私、分からないんですけどね。

とにかく、今日ですか、遅延はできるだけ早く解消するということですけれども、間違いのところですね、二重引き落としとか、そういうところについては、とにかく一刻も早く是正されるということを期待をしています。

問)

「UFJ」に続いて、今回「みずほ」があったと。その一方で今後、まだまだシステム統合が予定されているという中で、いわゆるオペレーショナルリスクを未然に防ぐ際の行政の関与の仕方について、大臣は今、何かお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

答)

これはオペレーショナルリスクというのは、検査マニュアルにも書いてあるし、我々、信用リスク、市場リスクというリスクの他に、特にバーゼルの監督委員会ではオペレーショナルリスクというのは非常に重視していますね。だけど、ここはちょっと過信があったと思うのですけれども、日本人についてはオペレーショナルリスクというのは低いのではないかと、こういうものを何と言うか、大きいウエイトで議論するというのは少なくとも日本の問題ではないのでは・・・ないとまでは言わないけれども、日本にとっては縁の薄い問題だけれども、世の中はこの辺りを大きく取り上げられるのだろうなくらいに、正直言って我々は思っていたというのが今回のことが起こる前のことですね。もっと、真剣にこのオペレーショナルリスクというものにこれから検査等でも取り組まないといけないというふうに考えます。具体論はまだちょっとありませんけれども。

問)

「みずほ」の件についてですが、先程、業務改善命令は全く念頭にないわけではないと仰いましたが、仮に重大なミスが見つかった場合、業務改善命令以上の厳しい処分というのも考えられるのでしょうか。

答)

これはリテラシーのある人がどう言うかですね。何が原因かということがきちっと分かった時に、「そんなことは普通だったら分かりそうなものだ」というようなものなのか、「いや、それはなるほどよく聞いてみれば、通常のシステムの専門家が考える以上のことが起こったんだね。」と、こう仰るのかですね。それは分からないですよ、今私ここでは。少なくとも故意はないですね。過失の程度でしょうね。

(以上)

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