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柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年6月7日(金)9時29分~9時45分)

【閣議案件等】

本日の閣議における閣僚の発言ですが、「平成13年度科学技術の振興に関する年次報告」の報告がありました。それから、「財政制度等審議会・財政制度分科会の建議」、平成15年度予算編成の基本的考え方が出ましたという報告がありました。

それから、川口外務大臣がパレスチナ、イスラエルに行かれるので福田官房長官が臨時代理、大木環境大臣は既に行かれていますがその臨時代理に武部農水大臣が指名されている、あるいは指名されるというお話がありました。

閣僚懇に移りまして、今朝発表されたGDPの速報の話がありまして、若干の発言がありました。以上です。

【質疑応答】

問)

今日は大臣の方からの発言はなかったのですか。

答)

私もGDPのことにつきまして、私の発言は輸出というものが、かつてのような乗数効果、あるいは生産誘発効果というようなものを持っていないのではないかという見地から、ちょっと輸出について中が他の国で作られている度合いが多くなっているのではないかということの影響をどう考えるかというようなことについて話をしておきました。

問)

「みずほ」の検査についてなのですが、結果についてはご報告を受けていらっしゃるのか、それと今後どういうふうな監督としての方針になるのでしょうか。それと併せて、以前、発表方法を検討したいということだったのですが、それについてどうお考えかお願いします。

答)

実はまだ結果を聞いておりません。これは当然でして、立入検査が終わりますと、今度はオフサイトの検査というか、そういう作業があるわけで、検査をまだ終了していないのですね、正式の意味では。立入検査が終わったということでありまして、そういう段階であります。従って、私にそういう報告があるのは、いつもそうですけれども、そうした事が終わって、いわゆる検査のプロセスが全て終わってからということになります。従ってまだ報告は受けていないということです。

今後の段取りはどうなるかと言えば、そういうオフサイトの検査を終えたところで検査結果が相手に通知されるということです。それから検査部局から監督部局に案件がリレーされまして、監督部局としてはどの検査でもそうなのですけれども、24条報告を求めると、こういうことになります。そして、検査で指摘されたことについて、これからどういう事に取り組むかというようなことについて報告を求めるわけでありまして、そうした上で今回の事について再発防止等についてどうするのだというようなことについて監督部局で考えると、こういう段取りで進むわけです。

今回の案件は、いずれにしても非常に国民に迷惑をかけたし、不安を与えたし、関心も高いということですから、どの段階か、まあ何らかの措置が監督部局から行われる時に「こういう事情があったのです。従ってこういう改善措置を命じました」というようなことかなと、今私は個人的には思っているのですけれども、そうしたことで出来るだけ早くに問題の所在というか、そういったことについて報告する機会を持てたらと、こういうように思っていると、こういうことです。

問)

生保の決算発表があったのですが、無配になるところがあったり、かなり厳しい内容なのですけれども、それについてどうお考えかというのと、また予定利率の引下げについての議論というものが出て来ると思うのですけれども、大臣はどうお考えかお願いします。

答)

生保の決算は、一つは、やはり今ご指摘のあったような利回りですね。金利の情勢が全く変わって、ずっとこのところ同じ低レベルで推移しているということで、顧客に対して約束した利率との間でマイナスの乖離があると、こういう逆ざや状況が生まれているわけです。

それともう一つは、やはり有価証券ですね。これの時価と簿価との関係で、これまたマイナスの乖離があるといったようなことを主因に厳しい状況にあるということです。

ただ、解約等は一時、これは各社別のものを見てもらえば分かるように、非常に特殊な状況に立たされたところがありまして、解約が大幅になったところもありますが、全体としては最近では落ち着いているというように見ています。

そういうことで、これから一体生命保険会社はどうするかということで、今のご指摘は、逆ざやの是正の問題、予定利回りの変更というようなことがあり得るのではないかということでございますけれども、まあ金融審議会の方も一応、今はちょっと横に置いてあるという状況なんですね。これはパブリック・コメントの結果、そうするのが良いだろうという判断でそういうふうにしてあるわけでございます。どういうふうな世論の動向になってくるか、結局、横に置いた理由も世論の動向と言うか、そういうことで置いているわけですから、それがどう変わって来るかというようなことを慎重に見守っていくしかないのではないかと、こういうように思っています。

問)

ペイオフの関係なのですけれども、来年、残る決済性預金の解禁について、金融業界の一部からも延期して欲しいというような趣旨の発言も出て来ているような感じなのですけれども、それについて大臣はどうお感じですか。

答)

まあまずもって、まず成すべき事を成すと。ペイオフというのは、やはりこれは通常の状況なので、ペイオフに耐える、つまり預金者の信頼を得られる金融機関になるということが私は大事だというように思っています。国民の信頼を国家の保証に求めるというのではちょっと、そのように安易な話ではないのではないかと。現在のところは、我々もいろいろこれは視野を広めて見守るというか、そういう姿勢は勿論一貫しているわけですね。これは4月以前も同じで、常にじっときちっと見ていますけれども、しかしこの施策の目的が何かということをまず良く理解してもらいたいと思います。「信頼を得るように自分たち自身を改革すべきですよ」というのが私どもの立場で、「改革ではなくて保証で賄ってください」と、これはちょっと話が違うのではないかと、こういうように思いますね。

問)

朝の閣僚懇の時に大臣が仰ったお話なのですけれども、輸出というのが前と状況が違って、その効果が薄れているということなのですが・・・。

答)

(薄れているの)ではないかと、「私はちょっとそういう事を聞いたので」という前置きをして言ったのですけれども、昔のようにほとんど原料とか素材を輸入して、それにたっぷりと製品にするまで日本国内で付加価値を付けて、つまり雇用だとか、そういういろんなものを、利益だとかを上げて製品にして輸出をするという時代と、やはりかなりの物を外で作らせておいて、日本で組み立てをして出来上がりましたら輸出すると、同じ輸出の金額があるとしても、随分国内で付ける付加価値というものの比率というものが下がっているということではないかと、こういう事を言ったのです。

問)

それについて何か議論は。

答)

いやいやそれはだから、ちょっと良く調べようではないかというようなことです。

問)

経済財政諮問会議の方で、金融のビジョンを作るべきではないかという意見があるようですけれども、その中でまだ利益目標と言いますか、その設定が必要だという声もあるのですが、今のお考えをお聞かせください。

答)

そうですね、これはどういうふうになっているのか良く分からないのですけれども、まだ総理の指示はないのですね。またそういう段階になったらそれをどう受け止めるべきかということを考えたいと思います。ちょっと早いのではないですか。

問)

以前のご発言だと、割と今の問題については否定的な見方をされていたと思うのですけれども、利益目標を付けるということ自体についての大臣のお考えというのが変わったということでしょうか。

答)

いや、そういうのではないですよね。前のはレギュレーションと言うか何と言うか、そういう目標と、今も目標と言ったのですけれども、片一方でビジョンということになれば、これは全然違うわけですよね。ビジョンというのはそういうことではないですよね。ビジョンはあくまで中長期的なビジョンなので。本来ビジョンというのと、例えば「不良債権のオフバランス化を1年目に5割やってくれよと、2年目に8割を目処にしてくれ」と、そんな話とはちょっと違うのではないですか。そういうのをビジョンと言いませんからね。

だからといって我々のビジョンが・・・私はビジョンを今やっているのですよね、言われようと言われまいと。これはもう全く談論風発の会でやっているわけでしょ。その事と今度のビジョンというのはどう関係があるかも良く分からないのですね。中身をどうするかなんていう話はちょっと早いのではないかしら。

(以上)

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