柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年6月18日(火)9時28分~9時47分)

【閣議案件等】

本日の閣議でございますが、「男女共同参画社会の形成に関する年次報告書」が報告されました。それから、G8外相会議、G7財務相会議のご報告がありました。政府税制調査会答申の基本方針が提出されました。世界食糧サミットがあったということのご出席のご報告がありました。川口外務大臣の海外出張に伴い、森山法務大臣が臨時代理に指名されました。

閣僚懇に移りまして、昨日の与党3党首会談における「当面の経済活性化策等の推進について」の報告がありました。総理の方から、政と官の在り方を今、官房長官のところで検討しているけれども、一つは、どういう在り方が良いかということで、閣僚それぞれもまた考えてもらいたいし、これらの問題については鈴木議員の逮捕許諾請求の話もあるので、それぞれの閣僚が疑いを持たれないような行動に努めることというご訓示がありました。以上です。

【質疑応答】

問)

今日は大臣からのご発言はございましたか。

答)

ございません。

問)

今の件に関してなのですけれども、鈴木宗男議員の逮捕許諾請求についての大臣のご感想をお願いします。

答)

これは、国会議員がこのようなことになるということについては、極めて遺憾でありますということに尽きますね。

問)

「みずほ」の件なのですけれども、昨日の長官会見でもシステムリスクに対する認識の甘さというところが原因だったという事で、長官の方から概要についてお話があったのですが、これらを受けて、大臣はどういうふうなご認識か改めてお伺いしたいのと、処分について、これらを受けてどのような形になるのかお聞かせください。

答)

今回のシステム障害の一番の原因と言うか、そういう因果関係と、もしこれなかりせばという、事柄というのは連鎖をしていますから、その一番奥のところにあるのは、今、長官が昨日指摘したという、まず経営陣が、システムのリスクというものが起こってしまったらどんなに重大なものになるかということ、これについての認識が甘かったということがあるということです。

それからその次には、やはりそれぞれの担当した部署から管理責任者に上がって行く、あるいは経営責任者に上がって行く、状況の把握のための情報、こういうものが的確・迅速に上がって行くということが必要不可欠なのですけれども、それが、いろんな気持ちが働いたのかもしれませんけれども、うまく行かなかったということ。

こういう背景があって、現実にテストを十分に出来なかったから、事前に問題を把握出来ないとか、そういったような、今度はこれは技術的な面というか、そういうようなものが起こって、それで案じられた通りというか、懸念されたことが起こってしまったと、こういうことだというふうに私は認識しておりまして、何と言うか、本当はシステムの問題というのは金融機関の合併・統合のメリットにしなくてはいけないということが、これがマイナスの要素になってしまったと。

真にもって遺憾千万な事だというふうに思いまして、こうなった以上まず復旧、それから正常化ということに全力を挙げてもらうということが第一段階として必要なことだろうし、それからもう一つは、周到に、ということは時間をかけてということではないのですが、迅速周到というのはなかなか難しいのですが、そういう準備の下で早くシステム統合に向けて全力を挙げてもらいたいと、こういうように思っています。

それから処分の問題ですけれども、これは出来るだけ早くに、今日18日が提出期限ですね。24条報告が来ますので、それを見て、我々の考え方を固めて行きたいというふうに思っています。

問)

その関連なのですけれども、昨日の夕方、月例報告の後で総理とお話になったということなのですが、これはどういった内容だったのかお聞かせ願えますか。

答)

これは総理には、前回の概況説明の時にも起こった若干の事をお話してあったのですけれども、ちょっと、これは技術的な事と言えば技術的なことなのですけれども、その後いろいろ分かって来た事は、当初考えた、例えばリレーコンピュータの不具合なんていうのはそうではなくて、グローバルプロセッサというか外部との接続部分の不具合というようなことで、若干変わったというような事もありまして、そういった事の報告をしたり、まあ率直に言って、これから我々がこの銀行に対してどういう考え方で臨もうとしているかというようなことについて、中間的な報告をしておいたと、こういうことです。

問)

「どういう考え方で臨むか」というのは。

答)

これは、まあ、24条報告をまず聞いて、それから練るのですということを、まあ手続き的な面とかをご披露して、それはやぶから棒にやるわけにはいきませんから、まあ私としても、私の考え方みたいなものを、これは口頭ですけれども、ちょっと話をしたということです。

この内容についてまでは、これはもうきちっと決めてから対外的には発表させていただくということです。

問)

株価なんですが、今日は少し戻しているみたいなのですけれども、下げがちょっと急だったのですが、アメリカの株が下げているというのと、あと市場で指摘されていたのはデフレ対策について若干失望があるのではないかということなのですけれども、大臣はその辺りはどうお考えかお聞かせ願えますか。

答)

そうですね、市場の事は非常に複雑な複合的な力がいろいろかかった結果ですから、あまりコメントはしないということを例にしているわけですが、今マーケットで言われている事は、今指摘をされたようなことだと私も聞いております。デフレ対策についての、まあ何と言うか、ちょっと満足がいかないとか、それ以上にやはりアメリカの株価、それからアメリカの株価自体もアメリカの経済に対する懸念というのですか、そういうようなものが背景になっているようです。

これは、昨日の月例経済報告でアメリカなどの話も聞いたのですが、アメリカも勿論第一四半期の速報ですか、凄い高めに出て、その大半は実は在庫の積み増しの在庫投資だったというようなことで、最終需要の方は非常に少なかったというのでちょっとがっかりしたということがありますけれども、元々そういう最終需要を想定していて、それが段々膨らんで行って3.5%ぐらいまで行くというのがアメリカの政策当局の考え方なので、そのラインには沿っているので、あまりせっかちに自分達の思う通りに数字が出ないからといって失望するというのは、ちょっとどうかなと。これはいずれ調整されてもっとしっかりした経済の見方からアメリカの実態経済というのはちゃんと回復しているのだということになれば、私はこれはいずれ修正されるだろうと、こういうように思っています。

それで日本の方もそういう事を反映し、また日本経済の歩みというものを反映した、そういうものになって調整されるだろう、修正されるだろうと、こういうふうに思っています。

問)

今日、一部報道で、いわゆる朝銀問題について金融庁が日本人の理事長を要請しているとか、新たに公的資金をプラスαとして出すという話が載っているのですが、この事実確認と日本人の理事長を頼むという事についての大臣のお考えをお願いします。

答)

これは前から私どもが言っているのは、「それぞれの組合が決定している定款に照らして役員の人選をしてください」と、こういう事をお願いしているわけでして、そういう中で適任者をどういうふうにするかということで、現在、まだ選考の段階ということでございまして、我々としては利用者の立場もこれあり、やはり出来るだけ早期にそういう定款に合致した人選をしてもらいたいということを強く望んでいるということです。

そういう中に、日本の人もやはり入ってもらって、特に独立性だとか、あるいは適正な業務運営とかということのために働いてもらおうというような動きがあれば、それはそれでまた我々としてご評価をしていくというか、そういうことになっていくだろうと、こういうように思っています。

それから「追加の」と言うのですが、何が追加なのかさっぱり良く分からないのですけれども、そういう言葉を使った整理部の人を別に批判している訳ではないのですけれども、これはもう法律の定めるところによって粛々と、あるいはきちっと計算してやるということに尽きるわけですね。そんな按配するところはないわけですから、そういうことで法律に従って処理をするということであります。

問)

地域金融機関の合併促進に関する具体案を今月中にまとめるということを以前仰いましたけれども、具体的にどういった方向で策をまとめられているのか、あくまでも金融機関の自主性にまかせるのか、どういった考え方に基づいて具体策を考えられているのか教えていただけますでしょうか。

答)

まず、私は確かに「6月中に」ということをここで申したわけですけれども、それは要するに事務年度が頭にあっての話でありまして、それでちっとも構わないわけですけれども、そういう「6月一杯に」というより、皆さんこれはもう、経験の深い記者の方々は皆分かるように、要するに事務年度と、はっきり言えば人事異動が行われる前までには、今の陣容の中でかなり固めてもらいたいと、こういう考え方ですので、6月30日の12時になったらぴしっと出来てと、そういう意味ではありませんので、そこはちょっと私の気持ちを改めて申し上げておきます。

その内容ですけれども、今ちょっと質問が必ずしも聞こえなかったのですが、促進のための施策ということですね。促進のための施策ということで、これはまあ金融庁としてはいろいろ考えるわけですけれども、多分に金融庁だけの判断で決められない分野の事項ということになろうかと思うのです。当然水面上に出て来る時は、ある程度、関係の役所が箸にも棒にもかからないというようなものでないようには、そのぐらいの粗ごなしは相手に小渡りしておくと、そういうことになろうと思うので、今はまだ検討中というか、私にも具体の話は何らまだ上がって来ていないと、こういう段階です。

(以上)

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