柳澤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成14年7月2日(火)9時00分~9時16分)

【閣議案件等】

おはようございます。本日の閣議ですが、情報通信白書が発表になりました。

サミットの報告が外務大臣からありました。これはいつもそうですけれども、総理の海外での会議は、総理自身が報告するのではなくて外務大臣が報告することになっているわけです。

次に閣僚懇に移りまして、今の繋がりで言うとサミットについて総理からちょっと付け加えの発言があったのですが、サミットというのはシェルパが予め準備する話と、その場で本当にぱっと浮かび上がってぱっと決まるという話があって面白かったということなのですが、その一つとして、来年のサミットは本当はフランスの順番ということで、シラク大統領は7月にそれをするということを予め決めて、そういう段取りで動いておったのですが、プーチン大統領が5月にサンクトペテルブルグの建都700年の祭典があるので、是非世界の首脳にそこに来てもらいたいんだという話がありまして、急にそこで、それではフランスのサミットは6月1日にして、5月の末には世界の首脳がサンクトペテルブルグに集まると、だからその流れでフランスサミットの一環としてサンクトペテルブルグに1日先に皆で集まるという機会になったという、非常にハプニング的なんだけれども、機動的に世界の政治が動いているという話の例として、そのような興味深い話をされていました。

その他、女性のためのアジア平和国民基金、村山元首相が最初に会長か何かになられた、アジアの戦争中に、いわゆる慰安婦というような立場に立たされてしまった女性達への募金と申しますか、そういうようなものについて閣僚が寄付をするということの呼び掛けがありまして、全員一致いたして「そうしましょう」となりました。

それから、国と地方の関係について総理から指示があって、地方分権推進委員会の方で10月末までに、いろいろそうした事について固めたいというような話の発言があって、これはしっかりやってもらいたいと言ったのですが、財務大臣からは、これは財務大臣に後から聞いていただければ分かるのですが、概算要求との関係で「10月までというので良いのかな」なんていう話が出まして、それぞれご議論がありました。

沖縄新大学院大学国際顧問会議が先月末に行われたこと、ワールドカップサッカー大会が終了して、事故もなく、かつ成功裡に終わったことについて文部科学大臣から話がありました。以上です。

【質疑応答】

問)

今日は大臣の方からの発言は。

答)

別にいたしませんでした。

問)

明日、ビジョン懇がありまして、そちらの方で中期ビジョンを固めると思うのですけれども、それに当たって大臣の方から何か期待されるようなことがありましたらよろしくお願いします。

答)

まあ、これは結局二段モーションということになったわけですね。明日取りまとめるということですが、どういう事になりますか、少しばかりお時間を頂いて、座長一任で発言をちょっとまた盛り込むとか、そういうようなこともあるかもしれません。ちょっと私は細かいところまで、どのくらい先生方に目を通していただいているかの作業ぶりを知らないので、まあ私としては、まだちょっと10日前後かなあ、そのぐらいは時間があるのではないかと思っていますので、どうなるのか、ちょっとまだ定かでないのですが、明日とにかくほとんど最後の会合があることは確かでございます。

手続き的にはそういうことですが、内容的には非常に先生方には、あんな時間だったのですが、非常に精勤していただいて、良い議論をしていただいたというように思っています。これを更に金融審議会の方にリレーしまして、出来るだけ早期に政府の公式版のビジョンにすると、こういうことでありますが、まあ私的懇話会で議論していただいた事が、政府の今の公式のビジョンに大きな貢献をしてもらえるのではないかと、こういうように非常に有難く思っています。

問)

昨日、日銀の方で発表があった預金の動向で、流動性預金の残高が4ヶ月ぶりに減少したということなんですけれども、ペイオフの解禁を受けた預金者の動きというのは、これでひとまずは落ち着いたというふうに大臣はご覧になっているでしょうか。

答)

どこの解禁の話をしているのですか。

問)

今年の4月のことです。

答)

今年の4月としては、今仰られたような事かなという気がします。まあそう大きく問題化する事もなく、まあ言わば健全な動きというか、我々は正確な知識に基づいて移動をするということについて、別にそれを困った事だとか、ネガティブに受け止めるという事は初めからなかったわけですが、まあ全体として我々のそうした受け止め方はこれで良かったのではないかと、こういうように思っています。

問)

何度も聞いているのですけれども、この関係で与党の方では来年4月に向けて延期論というのがあるのですけれども、やはり大臣の立場は、やはりこういう数字が出て来たということもあって変わらないということでよろしいでしょうか。

答)

そうですね。基本は動いていません。我々は考え方を変えるつもりもないし、また変えなくてはならないという状況にはないというふうに今は判断しています。

問)

7月になって、一応カレンダー上は事務年度が切り替わったということなんですけれども、これも何度も聞いているのですけれども人事の方なんですけれども、そろそろ大臣として金融庁の幹部人事はもう固められたでしょうか。

答)

そうですね、7月1日は確かにカレンダー上は新事務年度なのですが、実質は人事異動が終わった後が新事務年度と、こういうことになりますので、そんなに時間的な余裕はないということでございまして、近々に固めなくてはいけないと、このような腹づもりをしています。

問)

ペイオフの解禁について、基本的にはお考えの方に変化はないということですけれども、その一方で地域銀行の合併を促進するので、その特例を設けようかとかいろんな議論の方もされているみたいですけれども、その辺というのは考え方によっては、一時的には都銀よりもそちらの方が安全という状況を作ってしまうような気もしなくはないのですけれども。

答)

いやいや、そういう事ではなくて、まあペイオフが全く無関係かと言えば関係ないとも言えないのですけれども、ペイオフとかそういう事と、そんな近未来的な事ではなくて、やはり日本の金融システムが全体として安定し、かつ十分に必要なところに資金が流れるようにするには一体どうしたら良いかという課題は依然として我々にはあるわけであります。そういう時にいろんな手法はあるわけです、1個1個独立して自己資本を充実して健全化するとか、あるいは収益力を上げてというのがあるのですけれども、まあ一番分かり易い例で言うと人材ですね。金融機関の経営というのは昔に比べてかなり難しくなって来ていますね。そのような時に十分な人材が、今ある数の金融機関を賄って行くだけあるかという事など、「など」ですが、一番それが分かり易いので申し上げるのですが、やはりそんなにその数がないので、そういう恐れもあるので、それだったらまとめてしっかりした経営者の下でやって行くという考え方、これは十分あり得ると思うのですね。

そういうような時に、何と言うか出来るだけそれがポジティブな物であれば、我々としてもそれを支持して行くと、サポートして行くと、こういう枠組みを作っておく事も悪い事ではないだろうと、こういう考え方ですね、良い事だろうという考え方です。ペイオフとはそんなに関係がないのですよ。

問)

話は変わるのですけれども、ワールドカップサッカーなんですが、日韓で開催しましたけれども、日本にもたらした物、特に経済効果の面なのですけれども、これはどのように感じていらっしゃいますか。

答)

まあね、経済効果と言うと、例えば日本のユニフォームが何枚売れたというような事も新聞で読みますが、私の地元はたまたま開催地であったわけですね。優勝したブラジルとベッカム率いるところのイングランドが対戦するということで非常に盛り上がったゲームが行われた場所なんですけれども、まあ経済効果ということでは、私はそんなに際立ったものはなかったと、今もってまだ耳にもしていないし、私は目ではいろいろ・・・目は瞑っていなければ見えるわけですから分かるわけですけれども、それ程の事はなかったのではないかなあというように思います。

ただ、あの地方の町に、やはり外国の人が凄く居るわけですよね。私はその日地元に帰ったのですね、金曜日だったと思うのですが。ちょっと遅くなって21時の最終電車で帰ったのですが、東京駅にも試合から帰ってきたイングランドのサポーターが一杯いました。だから私は向こうに帰ったらもう人はいないのではないかと思ったらそうではないのですね。向こうは向こうで居るのですよね。やはりそういう事を考えると、何て言うのでしょうか、ああいう地方にも外国の人達、おそらく日本を初めて訪ねたような人が足を踏み入れたということで、日本とはどんな国だというイメージが、東京に来るだけよりも遥かに立体的に植え付けられたのではないかなあと思って、そういう何と言うか、経済的ではない、「日本とはどういう国なんだ」と、あるいは「日本人とはどういう人達なんだ」というようなことについて認識が深まったという事に凄い意味があったのではないかと思っています。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る