- ホーム
- 記者会見
- 平成14年7月~12月
- 竹中大臣記者会見要旨
竹中金融・経済財政担当大臣記者会見録
(平成14年10月11日(金)10時58分~11時10分 於)金融庁会見室)
1.発言要旨
閣議がございました。閣議そのもので、私に関連する案件はございません。
閣僚懇で総理が発言をされまして、最近のマーケットの動向、経済の動向、いろいろな議論はあるが、自分としては政策の王道を行くと。四本柱の改革をしっかりと進めることこそが、日本を再生させる政策の王道であり、それによって、初めて持続的な経済成長が可能になる。大方針はずっと貫かれており、政策の転換ではないんだと。枝葉の議論をすることなく、本論は四本柱の改革であるということを踏まえてしっかりと改革を進めてもらいたいと、そういうような趣旨のお話がありました。
閣議の後、第3回の特区推進本部がありまして、基本的な方針が決定されました。これについては別途、鴻池大臣の方からご説明があるかと思いますが、私も副本部長として、今日の基本的な方針は大変意義が深いということ。
今日のもう一つ重要な点は、来年1月15日を締切日として、第2次の特区の募集をするということであったわけですが、そういう点も踏まえて、基本方針が固まりつつあるというのは大変良いことだということを申し上げました。
特区法制、つまりいわゆる一括の特区法を制定するということと、それに向けた作業の工程が今日は定められておりましたので、その点は大変評価できるというとと、今申し上げました第2次募集をするということについても、大変意義深いというようなことを申し上げました。
同時に、「今日は決定に至らなかった規制の特例措置に関する引き続きの検討が必要である」ということも申し上げまして、「引き続き積極的な取り組みをお願いしたい」と、これはその推進本部の副本部長として申し上げました。
私の方からは以上であります。
2.質疑応答
- 問)
-
今日、正に総理が仰った政策の王道という話なんですけれども、最近のマーケットは、政策当局が何を考えて、どういう方向に向こうとしているのか読み辛くなっているように思えるんですけれども、この王道という言葉をもとに、竹中大臣の方でもう一度その政策の方向性について、お願いします。
- 答)
-
政策の方向というのは、今の政権において目指すところというのは極めて明解であるというふうに思っております。昨年6月の骨太の方針、それをマクロ的なビジョンという形で示した今年1月の改革と展望。その改革と展望を実現するための活性化の肉付けを行った今年のいわゆる骨太第2弾。その中で四本柱の改革というのは出てきているわけですね。四本柱というのは、歳出の改革、歳入の改革、つまり税。それと金融システムの改革、それと規制の改革。規制の改革の一つとして今日の特区があるわけで。金融システムについては、今PTで集中的な議論をしているわけであって、その方向そのものについては、私は明確であるし、しっかりと動いているというふうに思っております。それが総理の仰る王道、この政策を更に強化して、より早く、より大きく、より分かり易く示せということだと思いますので、この10月は、正に総理の仰る王道をより明確にしていくために大変重要な月であるというふうに思っております。
- 問)
-
昨夜もプロジェクトチームがあったようですけれども、大臣が仰っている中間的な整備については、どれぐらいのタイミングで出てきそうでしょうか。
- 答)
-
これもちょっとまだ明確にプロジェクトチーム、いろいろな期待が私はあると思いますけれども、実質的な議論というのは昨日でまだ2回。この週末も私なりにじっくりと議論を整理して考えてみたいと思いますが、月末には結論を出さなければいけないので、然るべきタイミングで中間的に取りまとめを、論点の整理のようなものをお示ししたいと思っています。
- 問)
-
少なくとも来週には出そうでしょうか。
- 答)
-
来週の末か、再来週の初めか、時期的にそのぐらいが中間点ですので、来週中というお約束はちょっと出来ないのでありますが、来週の末か、再来週の初めぐらいを目途に作業をしたいというふうに思っています。
- 問)
-
昨日、アメリカのベーカー大使が金融大臣として表敬訪問されたんですけれども、その場で、日本の不良債権問題について何らかのやりとりはあったんでしょうか。
- 答)
-
皆さんに申し上げているように、私はまだ何も決めておりませんし、それに関することを何も申し上げたつもりはありません。そういう状況で、正にしっかりとしたプランを作るためにプロジェクトチームを作っているんだと。そのプロジェクトチームの枠組みのお話等々をさせていただいて、それと正に四本柱の改革をしっかりとやっていくという、その経過のご報告をいたしました。大変困難な作業であるけれども、小泉総理の困難に立ち向かう勇気を讃えたいと、しっかりとやられるようにというようなお話がありました。
- 問)
-
今日の夕方に諮問会議があると思いますが、税制も大きな議題だと思いますけれども、法人税を入れるかどうかや、規模についてまだ意見の隔たりが大きいと思うんですけれども、大臣、今日の議論を含めて、今後どういういスケジュールで議論を収れんさせていくか、お考えをお聞かせ願えますか。
- 答)
-
スケジュールそのものは、ちょっとなかなか見えにくいところがあると思います。ただはっきりしているのは、今日の時点でかなりの部分は、実は意見の隔たりがないわけですね。ただ、規模をどのようにするのかということと、法人税をどうするかということについては、まだ合意は出来ておりません。だから、何が合意出来ているか、何が合意出来ていないかということをはっきりさせるのが一つの論点の整理の役割であろうというふうに思っています。
これは、マクロ経済の状況が非常に流動的な中で、その規模の話は正にその問題にも絡まってまいりますので、マクロ経済的なマネジメントをどうするかというような観点から、今、四本柱の改革を進めておりますので、その中で引き続き議論をしていくということになると思います。
- 問)
-
今日、日本銀行の方が、不良債権処理に関する基本的な考え方というのをまとめると思うんですけれども、その中で恐らく引当の強化などを求めると思われるんですが、それについて大臣のご見解をお聞かせ願いたいんですけれども。
- 答)
-
日本銀行としてご意見を出されるというふうに聞いておりますので、それをしっかりと読んで勉強させていただいて、プロジェクトチームの議論等々にも、当然一つのインプットとしてそういう情報は活用させていただくことになると思います。どういうものになるのか、最終的に読ませていただいて、じっくりと消化をしたいと思います。
- 問)
-
月末の総合デフレ対策をまとめる際に、減税の規模というのはその段階で決まるんでしょうか。
- 答)
-
まず、総合デフレ対策という名前が、これは多分緊急対応戦略のようなものだと思うんですけれども、出来るだけその姿をはっきり出来るように、どこまではっきり出来るか、努力をしたいというふうに思います。
- 問)
-
これまでの3回のPTで話し合われた内容を公開しないと仰っていますけれども、大体どんな感じで議論が進んできていて、今日はどんな感じの話をしたいと思っていらっしゃるのか、可能な範囲で解説していただけませんでしょうか。
- 答)
-
何を議論して、どのような意見が出たかというのは、もう最初のお約束通り、いろいろな混乱を与えますので、議論がまとまってからというふうにさせていただきたいんですが。
一つ、議論の雰囲気とかという事だけ申し上げておきますと、極めて活発です。極めて活発に建設的な議論が行われています。かつその議論のレベルは、レベルそのものが非常に専門的で、非常に高いレベルの議論が行われているというふうに思っております。まだ実質2回でありますけれども、こういう中で正に日本の英知を結集して、より日本の経済を強くする、銀行を強くして日本の経済を強くして、それが目的でありますので、そのような議論をぜひ進めていきたいと思います。
もう一つ、その中で、やはり企業・産業を再生させるというのが大変重要なポイントになるわけで、これはある意味で、私の金融担当大臣と経済財政政策担当大臣の一種の境界領域になると思うんですけれども、その企業・産業を再生させるという観点ですね。もちろん皆さんの問題意識の中にあるわけで、それを引き続き強く問題意識の中に入れていきたいと思います。
- 問)
-
株価の低迷というのは、この議論に影響は与えないんでしょうか。株価が低迷していて、この議論を始めた段階でもさらに下がっているわけですけれども、影響は与えないんでしょうか。
- 答)
-
基本的には、全てのことを考慮して原則論を議論するのではなくて、実際に日本が今何をすべきかということを議論しているわけでありますので、市場の動向、経済の動向、そういった様々な問題を、問題意識の中に反映して議論を進めていっているということです。
- 問)
-
補正予算なんですけれども、昨日総理が財務省サイドに、「来年の通常国会で」ということを仰っているんですけれども、補正予算についての現時点の大臣のご判断、それから中身という部分はどういうものが必要なのか。
- 答)
-
総理が、補正予算について来年云々という発言をされたということは、私は聞いておりません。そのような話があったということは私は聞いておりませんので、ちょっと何とも申し上げようがありません。
いずれにしても、まずは、今四本柱の改革、緊急対応戦略で何をやるべきかという、そこが大変重要なポイントでありますので、その点に議論を集中させたいというふうに思っております。
(以上)