竹中金融・経済財政担当大臣記者会見録

(平成14年12月27日(金)11時24分~11時33分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

お待たせして申しわけありませんでした。

閣議がございました。閣議で、私の関連としましては、平成13年度の国民経済計算が公表されておりますので、その概要について報告をいたしました。あと経済関連では、ご承知のように雇用の統計が発表されております。これにつきましては、総務大臣及び厚生労働大臣から数値のご報告がありました。

閣僚懇で扇大臣の方から道路公団の話が出ました。バランスシートの作成に事務方は9月までかかると言っていると。そんなに遅くては困るというので、これは特殊法人すべてに関連する問題なので、各大臣協力してもっと早くバランスシートの作成が出来るようにする必要があるのではないかという問題提起がございまして、それにつきまして総理の方から9月では遅すぎると、9月まで出来ないというならできる人にやってもらえということで、各大臣が協力して、企業会計に則ったバランスシートをしっかりと作って改革を進めていくようにというようなお話がありました。

更に、バイオマスの促進についても各大臣が協力するようにと。今日、バイオマスに関する報告が農林水産大臣を中心にしてありましたので、総理の方からお話がございました。

私の方からは以上でございます。

2.質疑応答

問)

まず遅刻の原因になった総理との面談なんですけれども、どのような話が。

答)

総理とは、今日は15分ぐらい時間をとっていただきまして、総理とお話したのは15分ぐらい。あとは、秘書官と雑談を含めていろんな情報を聞いておりましたので、すみませんでした。

総理にお話しましたのは、年末から年始にかけての経済をどのように見ていったら良いかという点について、私の方から幾つかのポイントを申し上げました。それと、金融に関しては、この年末いろんな動きが予想されますし、そうしたことについてその進捗状況についてお話を申し上げました。最後に、来年の諮問会議の運営の仕方について、幾つかの点のご確認をさせていただきました。

そのあと、秘書官と雑談と申し上げましたけれども、正確には身辺警護の問題ですとか、政策とはちょっと関係ない話を、しかし私にとっては重要な話がありました。大変お待たせして申しわけございませんでした。

問)

今年最後の会見ということなんですが、金融担当大臣に就任されて3カ月間、改めて振り返ってのご感想があればお願いします。

答)

9月30日に就任しまして、10月に「金融再生プログラム」を非常に慌ただしい雰囲気の中で作成をしました。それにあわせて、11月には「作業工程表」を作成する、今それを着実に実行していく段階になっていますので、3カ月のスタート、3カ月の動きとしては、一応一つの軌道を作りつつあるのではないかなというふうに思っています。とりわけ、最近主要行を中心に銀行がいろんな動きを見せていると。この中にはなかなか短期間で評価が難しいものもあるわけでありますが、いずれにしましてもそういった動きが金融界の中にも出て来ているということは、それはそれで評価をしたいと思います。

今日、総理ともお話をいたしましたけれども、あの方針に従ってしっかりとやっていくようにという総理からの改めてのお話がありましたので、我々としても気を引き締めて進めていきたいと思います。

問)

就任当初描いていた年末の状況と、今実際に年末になって、当初の構想とのずれというのはあるんでしょうか。

答)

一つは、これは何度も申し上げましたけれども、3月危機、6月危機、9月危機と言われていた中で、何月危機と言われないような状況を作りたいというふうに思っておりました。株価は大変厳しいですが、「12月危機」が主要経済紙のヘッドラインにはなっていないという点では一つの軌道を作れていると思います。

ただ、やはり大変重要なのは、年度末の決算に向けて市場がどのように動いていくのか、企業がどのように動いていくのか、経済がどのように動いていくのかということだと思いますので、やはり非常に注意深く、気を引き締めて政策を着実に実行していきたいと思います。

問)

来年の方向も絡めてなんですけれども、デフレ脱却に向けてというようなことで、総理から何かお話はありませんでしたか。

答)

デフレ脱却に向けて、最大のデフレ対応策は経済の活性化である。これは諮問会議でも議論しておりますし、そのことは総理にも繰り返し申し上げております。したがって、例の4本柱の改革というのが大変重要になってくる。4本柱のどれが抜けても経済の活性化は出来ないし、デフレの克服は出来ないと思います。財政制約が厳しい中で、それをぎりぎり詰めてやっていっているつもりです。それに加えて、最近、諮問会議でもよく議論が出ますし、総理にもお話申し上げているのは、やはりデフレというのはかなりの程度、マネタリーな現象であるから、金融政策は極めて重要であるという点であります。この点は、3党首の合意の中でも確認されていると聞いておりますし、この点はやはりぜひ注目していきたいポイントだと思います。

問)

総理とお話しした来年度の諮問会議の運営というのは、どういう話ですか。

答)

基本的には、経済の活性化のフォローアップを行いたいと。「骨太第2弾」で定めた30のアクションプログラムをしっかりとフォローアップしていきたい。例えば特区一つとっても、その特区の中身をより良くするようなものにしたいと。もう一つは、広い意味での財政の構造改革を思いきり進めたい。国と地方、予算のプロセス、公的な資金の流れ、そういった点についての議論を深めていくと、そのようなことを申し上げました。

問)

総理から何か指示は。

答)

その方向が良いだろうということでした。

問)

三井住友銀行でかなりテクニカルな合併があったんですけれども、これについては。

答)

これは、世間ではいろんな評価があるかというふうに思いますけれども、決められた法律の枠組みの中でいろいろと知恵を出している一つの成果であろうかと思います。

我々としては正式にそれを、金融庁としてはどのように判断するかというのは法令に則って、今後粛々とやっていくことになると思いますが、先程申し上げましたようにいろんな動きが銀行の中に出て来ているというのは、こういう点にも一つ象徴されていると思います。

問)

では、問題があるとは思ってはいらっしゃらないと。

答)

これは正式にその法令に従って、合併認可申請ですから法令に則って判断をしていくということです。

問)

大臣、今年1年を総括して一言で言うとどんな年でしたか。

答)

ちょっと予想していなかった質問ですけれども。基本的には、やはり今年の最初に改革は1合目だというような話をしましたけれども、1合目から3合目、4合目、5合目ぐらいまで、やはり少し形が見えるようなところにきているというふうに思っています。来年はぜひとも構造改革の成果を実感できるような年にしたいというふうに思います。

今日は遅れて本当に申しわけありませんでした。皆さん良いお年を。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る