竹中金融・経済財政担当大臣記者会見要旨

(平成15年6月17日(火) 9時31分~9時39分 於)金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議、閣僚懇を通して、特に直接私の仕事の関連で申し上げることはございません。

総理から、昨日、党首会談があったと。今、色々な手続中であるけれども、とにかく全法案成立に全力を挙げるようにというお話がございました。

私の方からは以上です。

2.質疑応答

問)

まず、今日、政府税調から中期答申が出ますけれども、これに関連して金融では、昨年度も不良債権処理税制について3点要望されていますが、来年度税制改正に向けての現時点でのスタンスを確認したいと思います。

答)

基本的に、これから更に議論を詰めるということになるわけでありますけれども、不良債権処理に関連して、3点我々は申し入れております。この姿勢は、我々としては変わりません。繰延税金資産を巡っては、様々な議論があるわけでありますが、1つの解決策として、税の繰戻し還付を含む解決策があると認識しています。そのことは、「金融再生プログラム」にももう7カ月以上前に明記しているわけで、このスタンスは変わっておりません。

問)

それから、公的資金の新しい枠組みについての議論なんですが、どうも当初の予定より議論が遅れ気味だと聞いていますが、今月中に結論を出すという当初方針は堅持されるのか、あくまでも多少遅れても構わないとお考えなのか伺いたいと思います。

答)

半年を目処に議論をしていただいていますので、私としても出来るだけ早く議論していただきたいと思っています。

ただ、大変重要な問題でもありますから、1日、2日を急ぐということよりも、やはり中身をしっかりと議論していただくことが大事だと思います。出来るだけ早くしっかりとした議論をまとめていただきたいと思っています。

問)

今日、閣議の前後に、「三位一体」に関する4閣僚の話し合いというのは持たれたのでしょうか。

答)

持っておりません。

問)

「骨太の方針」の取りまとめが大詰めを迎えていますけれども、今日中に「三位一体」あるいは規制改革も含めて合意が得られて、明日最終的な案が示されるという見通しなのでしょうか。

答)

これは、今、色々なところで難しい最終調整をやっておりますので、明日これこれが決まる、今日これこれが決まるということは確定的には申し上げられませんが、明日諮問会議を予定しておりますので、明日の諮問会議には出来るだけはっきりとした原案――もちろんこれは完成品ではありませんが、原案を示せるように、担当大臣としては努力をするつもりです。

問)

ちなみに、今日この後、4閣僚による協議というのは予定がありますでしょうか。

答)

どういうメンバーになるか分かりませんが、総理を中心にどこかで話し合いをしなければいけないと思っております。

問)

先程も出て来た政府税調の中間答申なんですけれども、消費税の引き上げについて、2桁という数字が明記される形で盛り込まれるんですが、大臣は消費税についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。

答)

長期的に、日本が高齢化社会に向かって、それに伴う財政ニーズ、財政に対する需要が高まる中で、広く薄い課税である消費税が果たす役割というのは当然高まると、長期的にはその方向だというのは私もその通りだと思います。これは、国会でも答弁させていただいたことがあったと思いますが、具体的にどのようなレベルにするのがよいのか、どういう時期にどういうふうに考えるのが良いのか、これは正に「骨太の方針」で、それ以降の受益と負担の関係を幅広く検討して2006年までに結論を得るということにしているわけで、その中で広範な議論が行われていくのだと思っています。長期的な役割、一般的な役割としての消費税の役割の重要性というのは、これは多くの方々が指摘している通りだと思います。

問)

金融審で、早期是正措置がうまく稼働していなくて、過去の金融行政は失敗だったというような声が出ているようなんですけれども、大臣もそれで「りそな」の件に関して、過去2回の注入は事実上失敗だったというようなことを仰っているかと思うんですが、金融行政の過去の失敗を清算するというか、今後何らかの形で総括するようなおつもりというのは今後ありますでしょうか。

答)

過去の注入が失敗だったということを申し上げたつもりはありません。ただ、反省すべきところはあるだろうというふうにはもちろん思っております。

それで、金融審でそういう議論があるというのは、私は、詳細には記憶をしておりませんので、どういう議論があるのかというのは、ご指摘がありましたからちょっと見てみたいと思います。

ある意味で、色々なことを総括して、その上に立って「金融再生プログラム」を作っているつもりでありますので、「金融再生プログラム」を実行していくこと、改めるべき点は改めてしっかりと行政をしていくということがベストの道だと思っています。

問)

公的資金の新たな枠組みなんですけれども、今議論中ということなんですが、「りそな」の件で102条が執行されまして、その有効性というものが少し見られたと思うんですけれど、ただ、新たな枠組みが必要かというのはまだ議論の最中なんですけれども、現時点での大臣のお考えをお聞かせください。

答)

金融審のワーキンググループでの議論が、今、佳境を迎えているところでありますので、正に専門家の議論を私としては見守りたいと思います。

ただ、そもそもこういう枠組みの必要性も含めて検討してもらいたいというふうに去年の秋に考えたのは、今のままでうまく機能するだろうか、それを根本に帰って専門家に検討していただきたいという問題意識があったからであります。金融審では、そういった根本論を踏まえた議論、それを踏まえた何らかの結論を導いて欲しいと思っています。

(以上)

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